〇+〇 のたし算の感覚を使って、〇〇+〇 の計算の仕方を教えます。

12+7 のような暗算のたし算を教えます。

 

12の1を隠してから、

「く(9)」と教えます。

 

続いて、隠した1を見せた後、

「じゅうく(19)」です。

このような教え方です。

 

1を隠す動きと、

「く(9)」と「じゅうく(19)」の言葉だけの教え方です。

 

最初の「く(9)」は、

12+7 の1を隠すことで見える 2+7 の答えです。

 

〇+〇 の答えを浮かべる感覚を持っています。

問題を見ただけで答えが浮かぶ感覚です。

 

12+7 の一部分 2+7 を見たら、

たし算の感覚から、

答え9が頭に浮かびます。

 

〇+〇 の感覚を使ったことに、

気付かないことがあります。

 

こういう子は、「えっ、何?」となります。

教え方を変えます。

 

子ども自身が、

〇+〇 の力を使うような教え方にします。

 

13+2 でしたら、

13の1を隠して 3+2 を見せることは同じです。

 

次に、

「さん足すには(3+2)?」と、

子どもに聞きます。

 

子どもが「ご(5)」と答えてくれた後、

隠した1を見せて、

「じゅうご(15)」です。

 

このようにして、

子どもに 〇+〇 の感覚を使わせます。

 

〇+〇 の感覚を利用する

〇〇+〇 の計算を続けます。

 

12+8 でしたら、

12の1を隠して、

2+8 が見えるようにしてから、

「じゅう(10)」です。

2+8 の答えです。

 

隠した1を見せた後、

「にじゅう(20)」です。

 

この教え方では、

「?」となる子どももいます。

 

2+8 を見ただけで、

答え10が浮かぶたし算の感覚を使って、

「じゅう(10)」としたことは理解できます。

 

2+8 を見た子どもの頭に、

答え10が浮かんでいるからです。

 

でも、

12+8 の隠していた1を見せた後の

「にじゅう(20)」を理解できません。

 

言葉で説明すると、

12+8 の1は、10ですから、

2+8=10に、

この10を足して、20です。

 

言葉の説明は、

子どもを混乱させることがあります。

 

だから、

続けて、同じような問題を、

同じように計算します。

 

15+5 の1を隠して、

5+5 を見せたらすぐ、「じゅう(10)」です。

 

続いて、隠していた1を見せて、

「にじゅう(20)」です。

 

17+3 の1を隠して、

7+3 を見せたらすぐ、「じゅう(10)」です。

 

続いて、隠していた1を見せて、

「にじゅう(20)」です。

 

11+9 の1を隠して、

1+9 を見せたらすぐ、「じゅう(10)」です。

 

続いて、隠していた1を見せて、

「にじゅう(20)」です。

 

数問で、

子どもは、「あぁ、そうか」と理解します。

 

(+-043)

2けた×2けたの筆算のかけ算の計算を、子どもの分かっていることに結び付けて教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算の計算を教えます。

2けた×2けたのかけ算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の58の5がなければ、8です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたになります。

この計算の仕方を分かっています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ に気付けば、

子どもが分かっている計算です。

 

ですから、

子どもが分かっている計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ が、

「あぁ、あれだ」と思い当たるように教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算する積りで、

8と2を順に示して、

「はちに(8×2)?」と問います。

 

子どもが、「じゅうろく(16)」と答えてくれたら、

58の8の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」です。

子どもは6を書きます。

 

繰り上がり数1を、

鉛筆を持っていない手の指に取らせます。

 

次に、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の8と3を順に示して、

「はちさん(8×3)?」と問います。

 

「にじゅうし(24)」と答えてくれたら、

指に取った繰り上がり数1をつついて、

「にじゅうご(25)」です。

 

子どもが25を書かないようなら、

58の5の真下を示して、

「ここ」と教えます。

 

このような教え方です。

何と何をどうして、

その答えをどこに書いてを教えます。

 

子どもは数字を見て、

九九を計算して、

答えを書いて計算に参加します。

 

意図的にやや早口で教えます。

子どもの頭はとても速く動きます。

その速いスピードに合わせるためです。

 

やや早口で、

しかもぼそぼそと言われると、

子どもは教え込まれたと思いません。

 

自分の計算を、

手伝ってもらえたと感じるようです。

 

こうすると子ども自身、

頭を一生懸命に動かします。

 

そして、

「あぁ、そうか、こうするのか」と、

計算をつかまえようとします。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 5 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の計算を教える積もりで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の5と2を順に示して、

「ごに(5×2)?」と問います。

 

子どもが「じゅう(10)」と答えてくれたら、

58の5の下を示して、

「ここ、れい(0)」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ \:\: 0\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

 

繰り上がり数1を、

鉛筆を持っていない手の指に取らせます。

 

次に、5と3を順に示して、

「ごさん(5×3)?」と問います。

 

子どもが、「じゅうご(15)」と答えてくれたら、

指に取った繰り上がり数1をつついて、

「じゅうろく(16)」です。

 

子どもが16を書かないようなら、

答え256の2の真下を示して、

「ここ」と教えます。 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

 

最後に、たし算です。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ のような、見慣れないたし算です。

 

256の6の下が空欄です。

この6をそのまま下に動かして、

たし算の答えにします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\ です。

 

256の6を示して、

「この、ろく(6)、ここ」と、

動かす先を教えます。

 

続くたし算は、

「ご足すれい、ご(5+0=5)」と、

「に足すろく、はち(2+6=8)」です。

160の1は、そのまま下に動かします。

「この、いち(1)、ここ」と教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\hline \:1856\end{array} }}\\ と、計算できます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \:1856\end{array} }} \\ のたし算は、

たし算の記号「+」を、書きません。

 

たし算の記号「+」のないままに計算します。

「これ、たし算」と説明しません。

 

このたし算を言葉で教えようとすると、

長い説明になります。

 

いきなり、「この、ろく(6)、ここ」とリードして教えます。

子どもは6を書きます。

 

続いて、

「ご足すれい、ご(5+0=5)」とリードすれば、子どもが5を書きます。

「に足すろく、はち(2+6=8)」で、8を書いて、

「この、いち(1)、ここ」で、1を書きます。

 

このようなリードで、

子どもが計算をつかむまで、

数問教えます。

 

つかむと、部分を見て計算するようになります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 5 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ \: 160\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ を見て計算します。

 

(×÷020)

 

四則混合の計算手順をワンパターンにします。①計算順を先に決めます。②余白で順に計算します。

4×(3÷8+1) の四則混合で、

このワンパターンの計算手順を、

例示します。

 

① 計算順を先に決めます。

 

計算する前に、

すべての計算順を決めることができます。

 

計算順を決めるために、

かっこ( ) と、+-×÷だけを見ます。

 

数字を見ません。

 

4×(3÷8+1) から数字を消します。

 ×( ÷ + ) になります。

 

計算順を決めるルールは、

かっこの中が先です。

そして、×÷は、+-より先です。

 

このルールから、

÷ → + → × が、計算順です。

 

② 余白で順に計算します。

 

1番目の計算は、

3÷8= {\Large\frac{3}{1}}÷ {\Large\frac{8}{1}} {\Large\frac{3}{1}}× {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{3}{8}} です。

 

2番目の計算は、

1番目の計算の答え  {\Large\frac{3}{8}} を使って、

 {\Large\frac{3}{8}}+1=1 {\Large\frac{3}{8}} です。

 

3番目の計算は、

2番目の計算の答え 1 {\Large\frac{3}{8}} を使って、

4×1 {\Large\frac{3}{8}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{4}\end{matrix}\,}{1}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{11}{\begin{matrix}\cancel{8}\\2\end{matrix}\,}} {\Large\frac{11}{2}}=5 {\Large\frac{1}{2}} です。

 

ワンパターンの計算手順を使うと、

4×(3÷8+1)=5 {\Large\frac{1}{2}} と計算できます。

 

(分数999)

「どうなれば」の期待を先に決めます。それから、そうなるように教えます。

6+5 や 3+5 のようなたし算を教えます。

 

6を示して、「ろく」と読み、

「しち、はち、く、じゅう、じゅういち」と、

指を使って5回数えます。

 

こうして、

6+5 の答え11を出します。

 

3+5 でしたら、

3を示して、「さん」と読み、

「し、ご、ろく、しち、はち」と、

指で5回数えて、答え8です。

 

このようなやり方を教えます。

指で数える計算です。

 

子どもが、

4+5 の4を見て、「し」と読み、

「ご、ろく、しち、はち、く」と、

指で5回数えて、

答え9を出します。

 

教えたやり方で計算して、

正しい答えを出します。

 

「指で数えて答えを出せれば」と、

先に決めた期待通りです。

 

「指で数えなくても、

4+5 の答え9が頭に浮かぶようになれば」のように、

過剰な期待を持たないようにします。

 

指で数えて計算している子が、

9+5 の計算から気持ちを離して、

集中が切れてボ~ッとしています。

 

「どうなれば」の期待を、

教える前に決めます。

 

「集中が戻って、

指で数えて計算し始めれば」と、決めます。

 

それから、「計算を始める」に戻す教え方を、

工夫します。

 

この子は、

計算から気持ちが離れています。

自分が計算している姿を見ていません。

 

計算以外の何かを見ています。

だから、計算の集中が切れています。

 

この子は今、こうなっていますから、

計算している姿を見せるようにします。

 

こちらが計算を代行してしまい、

計算している姿を見せれば、

子どもはすぐに、計算している姿を見ます。

 

9+5 の9を「く」と読み、

「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん。じゅうし」と、

指で数えて、

答え14を出します。

 

こちらが計算する姿を見ていた子どもは、

答え14を書きます。

 

この1問の計算で、

子どもが計算に戻らなければ、

計算に戻るまで、

こちらが計算している姿を見せます。

 

多くても、3~4問で戻ります。

 

このようなリードで、

切れていた集中が戻り、

指で数える計算を始めます。

先に決めた期待通りです。

 

「集中が切れない子になれば」としません。

集中が切れてボ~ッとしている子には、

過剰な期待になります。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 基本―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て

 

3+8 を見ただけで、頭に答え11が浮かぶ感覚は、安定するまで不安定です。消えることもあります。

3+8 を見ただけで、

答え11が頭に浮かぶ感覚を、

子どもは何回も、

持っては手放します。

 

3+8 の3を「さん」と黙読して、

「し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅう、じゅういち」と、

指で8回数えて、

答え11を出します。

 

この子がある日、

3+8 を見たらすぐ、

答え11が頭に浮かんでいることを体験します。

 

「まただ」と思います。

 

既に、何回も同じようなことを体験しています。

 

7+5 の答え12が、

頭に浮かぶこともありましたが、

じきに消えています。

 

6+4 の答え10や、

9+5 の答え14が、

頭に浮かぶこともありましたが、

やはりじきに、消えています。

 

安定しません。

じきに消えてしまいます。

 

たし算の感覚が消えてしまうことに、

子どもは慣れています。

 

でもこちらは、たし算の感覚が消えません。

 

3+8 を見たらすぐ、

答え11がいつでも頭に浮かびます。

 

たし算の感覚が消えないようになるまで、

安定していつでも使えるようになるまで、

持っては手放すことを繰り返したからです。

 

そうだったのですが、

持っては手放したことを忘れています。

 

だから、たし算の感覚を持った後、

消えてしまうことが理解できません。

 

3+8 の答え11を

頭に浮かべる感覚を持った後、

子どもが手放してしまったことに、

こちらは驚いてしまいます。

 

そして、「どうしたの」、

「できるでしょ」、

「3+8 の答えが出るでしょ」と、

うろたえてしまいます。

 

たし算の感覚は、

何回も持っては手放すことを繰り返した後、

持ったままで安定するものです。

 

目の前の子どもは、

安定する前の不安定さです。

 

たし算の感覚を持っては手放すことを

繰り返しているだけです。

 

3+8 でたし算の感覚が消えていたら、

子どもは消えることに慣れていますから、

3を「さん」と黙読して、

「し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅう、じゅういち」と、

指で8回数えて、

答え11を出します。

ただそれだけです。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 たし算ひき算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 たし算ひき算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て

 

分数のわり算で、「÷を×に変える」、「分母と分子を入れ替える」と、子ども自身をリードするリーダーを、子どもの内面に育てます。

 {\Large\frac{3}{4}}÷ {\Large\frac{2}{7}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{7}} と計算しています。

間違えています。

 

気付くのが難しい間違いです。

 

÷を×に変えたことは、

正しくできています。

 

でも、こうしたら、

÷の右の分数  {\Large\frac{2}{7}} の分母と分子を入れ替えます。

 

 {\Large\frac{2}{7}} を、

 {\Large\frac{7}{2}} にするのが、

分数のわり算の計算です。

 

このような手順のある計算を、

子どもが内面に、

自分をリードするリーダーを持つことで計算しています。

 

内面のリーダーが、自分に、

「÷を×」、「上下入れ替え」とリードします。

 

内面のリーダーのリードに従って、

 {\Large\frac{3}{4}}÷ {\Large\frac{2}{7}} の÷を×に変えて、

 {\Large\frac{2}{7}} を、

 {\Large\frac{7}{2}} に変えます。

 

こうなっていますが、

子ども自身、自分の内面のリーダーを

ほとんど意識していません。

 

意識していませんが、

分数のわり算の計算をリードするリーダーが、

子どもの内面に生まれて育っています。

 

ですから、

 {\Large\frac{3}{4}}÷ {\Large\frac{2}{7}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{7}} の間違い直しを、

子どもの内面のリーダーを育てることを意識して

教えます。

 

「÷を×、合っている」、

 {\Large\frac{2}{7}} をひっくり返すと?」のようなリードです。

内面のリーダーを育てています。

 

内面のリーダーを育てようとすれば、

子どもの内面のリーダーが育ちます。

 

不安を感じた子どもが聞きます。すぐに計算をリードします。子どもの不安が消えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に不安を感じた子どもが、

やり方を聞きます。

 

4321の4けたの数に、

6の1けたの数を掛けます。

4けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

この子がここまでに、

筆算のかけ算を習った流れを、振り返ります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:42 \\ \times \:\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたの筆算のかけ算からです。

 

計算は、

5×2 と 5×4 の2回の九九と、

20+1 の繰り上がりのたし算です。

 

繰り上がり数は、

1(2×5=10 など)から、

8(9×9=81)までさまざまです。

 

その後、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような3けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:34 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたの筆算のかけ算になっています。

 

楽にできる2けた×1けたの筆算のかけ算を利用して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に慣れます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような4けた×1けたの筆算のかけ算は、その一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の3けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

この3けた×1けたの筆算のかけ算に、

その一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:21 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたを利用して慣れています。

 

楽にスラスラ計算できる2けた×1けたの

筆算のかけ算を利用したことを、

子どもはハッキリと覚えています。

 

このような流れから自然に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の4けた×1けたの計算は、

その一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の3けた×1けたの

計算を利用することに気付きます。

 

楽に計算できる  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を、計算します。

 

6×1=6、

6×2=12、

6×3=18、

18+1=19(繰り上がりのたし算)です。 

 

この計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ です。 

 

だから、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に、

6×4=24、

24+1=25(繰り上がりのたし算)を続けると

完成します。

 

このように計算できますが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算で

戸惑う子がいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline 25926\end{array} }}\\ のように、

答えが5けたになることに迷うようです。

 

正しい答え25926を計算できても、

5けたの答えに迷います。

 

書いた答えを消してしまってから

聞くような子です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\

一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を利用して計算しています。

 

4けた×1けたの計算の仕方を

つかみ取っています。

 

でも、答え5けた(25926)が

気になります。

 

だから、

書いた答えを消してから、

聞きます。

 

子どもの希望(不安の解消)を満たします。

 

すぐに計算をリードします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算してしまいます。

 

「できるでしょ」や、

「消してしまったの」のようなことを

言いません。

 

「ろくいちがろく(6×1=6)」で、

子どもが6を書くのを待ちます。

 

書かないようでしたら、

6の真下の答えを書くところを示して、

「ここ、ろく(6)」と誘います。

 

続いて、

「ろくにじゅうに(6×2=12)」、

「に(2)」とリードして、

子どもが2を書くのを待ちます。

 

そして、

「ろくさんじゅうはち(6×3=18)」、

「いち(1)足して、じゅうく(19)」、

「く(9)」とリードします。

子どもが9を書くのを待ちます。

 

次に、

「ろくしにじゅうし(6×4=24)」、

「いち(1)足して、にじゅうご(25)」、

「にじゅうご(25)」とリードします。

 

子どもが25を書くと、

計算が終わります。

 

終わってから、

「合っていたよ!」とつぶやきます。

 

教えようとすると、

ユックリ話してしまいます。

 

そうではなくて、

一緒に計算します。

 

次々に、速く話します。

子どものスピードです。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て