宿題の途中で、集中が切れたり眠気に襲われたりして、中断します。手伝って宿題に戻します。

子どもが宿題に取り組みます。

筆算のひき算の計算問題です。

 

繰り下がりのない問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

繰り下がりのある問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ を、

30問です。

 

机に出して、鉛筆を持ってやり始めます。

繰り下がりのない計算と、

繰り下がりのある計算を区別して計算できます。

 

何かが気になって、

宿題から気持ちを離します。

 

あるいは、

ただ何となくボ~ッとします。

 

春の陽気のいいときは、

ウトウトと寝かかることもあります。

 

フッと何かを思い出して、

こちらに話し掛けてくることもあります。

 

こうなると、宿題はそのままです。

進まなくなります。

 

このようなとき、普通、

「集中して」や、

「起きて」や、「寝ない」や、

「話さない」と言ってしまいます。

 

宿題に戻ってほしくてですが、

宿題そのものを手伝ってはいません。

 

宿題を中断している子どもに反応しています。

子どものしたことに振り回されています。

 

宿題を中断している子どもを手伝うのでしたら、

宿題そのものを手伝った方が、

宿題に戻ることを子どもに気付かせやすいのです。

 

集中が切れていても、

眠りかかろうとしていても、

話し掛けてきても、

中断したままの { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算を手伝います。

 

4を示して、「4-5、引けない」、

「14-5、9」、

6を示して、「1減って、5」、

「5-3、2」と計算をリードします。

 

計算をリードされると、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ と1問完成します。

 

そして、

「宿題が途中だった」と、子どもは気付きます。

 

このようなリードをするためにこちらは、

目の前の子が取り組んでいることの目的を

立ち止まって意識します。

 

「算数の宿題を終わらせようとしている」と、

子どもがしていることの目的を意識します。

 

すると、

集中が切れていることや、

眠りかかっていることや、

話し掛けていることを少しも気にしないで、

宿題を終わらせる目的を満たすために、

子どもが次にすべきことをリードできます。

 

止まっている計算 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ です。

 

計算をリードして、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ と進めます。

 

1問の計算が終わることで、

「宿題を終わらせる」目的を

子どもはすぐに思い出します。

 

(基本032)

7+8 の答え15が浮かぶ感覚を持った子どもは、ひき算が楽になります。

7+8 のような暗算のたし算を見ただけで、

答え15を頭に浮かべてしまう感覚があります。

どのような感覚なのでしょうか?

 

「7+8」という模様(図形)に、

15という数字を対応させる感覚です。

 

「5+6」の全体を模様とみれば、

「7+8」と違う模様です。

 

「9+3」や、

「4+1」は、別の模様です。

 

「+」が同じで、

前後に数字が置いてある模様(図形)です。

 

「7+8」の模様に15、

「5+6」の模様に11、

「9+3」の模様に12、

「4+1」の模様に5を対応させます。

 

「7+8」を模様(図形)とみるのではなくて、

バラバラに、

「7」と、「+」と、「8」とみることもできます。

 

このようにみれば、

「7」と、「8」の2つの数字に、

1つの数字「15」を結び付けています。

 

「7+8」は、暗算のたし算ですから、

たし算の答え15を結び付けます。

 

この感覚をさらにあえて分解します。

 

すると、

「結び付ける」ことと、

「たし算の結び付け方」の2つに分けることができます。

 

計算は、

たし算だけではありません。

ひき算やかけ算やわり算があります。

 

いずれの計算も、

2つの数字に1つの数字を結び付けています。

結び付け方が違います。

 

9+3は、12を、

9-3は、6を、

9×3は、27を、

9÷3は、3を結び付けます。

 

このように考えていくと、

ひき算はたし算よりも、

感覚をつかむのが楽なのだろうと思えてきます。

 

結び付け方が違うだけです。

 

普通、

たし算の感覚を持った後、

ひき算を練習します。

 

たし算が、

2つの数字に1つの数字を

結び付けていることを知っています。

 

ひき算も、

2つの数字に1つの数字を結び付けます。

結び付け方がたし算と違います。

 

子どもは既に、

2つの数字を1つの数字に結び付ける感覚を、

暗算のたし算で身に付けています。

 

暗算のひき算では、

たし算と違う別の結び付け方を

習得するのだろうと感じています。

 

しかも計算の感覚は、

自力でつかむということも知っています。

 

(+-045)

2けた×2けたのかけ算に、2けた×1けたが隠されています。それを見せて、計算の仕方を教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの筆算のかけ算を、

初めて習います。

 

47の4を子どもの指先で隠させます。

こうすると、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ の筆算のかけ算が見えます。

2けた×1けたです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ を、2けた×1けたの筆算のかけ算と見ることができれば、

楽にスラスラと計算できます。

 

「あぁ、あれだ!」と結び付けば、

計算できます。

そして、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline  224 \end{array} }}\\ と計算できます。

 

そうですが、子どもは

新しい計算式  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ を見ています。

 

47の4を隠して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ だけが見えるようにして、

楽に計算できる2けた×1けたを見せても、

教えてもらうことを待って、

計算しないことがあります。

 

このようなとき、

非常識な教え方ですが、

いきなり計算をリードします。

 

「しちにじゅうし(7×2=14)」、

「し(4)、書いて」です。

子どもは、7の下に4を書きます。

 

続いて、

「しちさんにじゅういち(7×3=21)」、

「にじゅうに(22)」です。

子どもは、22を書きます。

 

このようにこちらがリードして、

子どもを参加させて、計算します。

 

計算を見て、

参加した子どもは、

「あぁ、あれだ!」と分かります。

 

「どうしたの?」、

「できるでしょ!」とはしません。

そういうことではないのです。

 

新しい計算は、

教えてもらうことが先だと思っているだけです。

 

こちらが計算して、

子どもに答えを書かせます。

 

普通の教え方ではありませんが、

でも子どもは教えてもらえたと思います。

 

子どもは、

「しちにじゅうし(7×2=14)」と聞いて、

自分でも計算し始めます。

 

「し(4)、書いて」で、4を書いたとき、

「やはりそうか」となります。

 

先に教えられて、その後で、

「分かった!」としたい子どもです。

 

続いて、

47の7を子どもの指先で隠させます。

 

こうすると、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の筆算のかけ算が見えます。

 

でも、答224が書いてあります。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline  224 \end{array} }}\\ この224が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ を見えにくくしています。

 

さらに、

×4 の4の位置が左にずれています。

 

32の2の下ではなくて、

3の下です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline  224 \end{array} }}\\ から、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ だけを見ることができれば、

2けた×1けたです。

 

そうですが、

見慣れている2けた×1けた  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }}\\ と、

見た目がかなり違います。

それだけに子どもは戸惑います。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ だけを見ても、

見た目の違いに戸惑います。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47\\ \hline  224 \end{array} }}\\ の47の7を隠すことで、

見たことのない変な筆算のかけ算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline  224 \end{array} }}\\ が現れます。

 

2けた×1けたの筆算のかけ算に見えません。

 

ですが、

計算の仕方は、同じです。

4×2 の次に 4×3 を計算します。

下から上に見て、九九を計算します。

 

さらに、

答えを書く位置が、少し違います。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline128\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ と書きたいのですが、

既に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline  224 \end{array} }}\\ このように書いてあります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の計算を、

この224に重ねて書けません。

 

下の行に書きます。

224の真ん中の2の下からです。

4の下からではありません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

かけ算の答えが2行になります。

 

戸惑って動き出せない子どもに、

計算とその答えを書くところを教えます。

 

「しにがはち(4×2=8)」、

「ここ、はち(8)」です。

224の真ん中の2の下を示します。

 

続いて、

「しさんじゅうに(4×3=12)」、

「ここ、じゅうに(12)」です。

 

このような教え方が、

子どもに好まれます。

 

計算(九九)と、

答え(「しにがはち(4×2=8)」)、

そして書くところ(「ここ、はち(8)」)だけです。

 

普通は、言葉で説明します。

 

「これも、2けた×1けただから、下から上に掛ける」、

「この“し”(4)と、この“に”(2)を掛けると、しにがはち(4×2=8)」のような説明です。

 

丁寧な教え方です。

ですが、

聞いているだけの子どもは退屈です。

 

最後にこの2行を足します。

 

224と、

左にずれた128をそのままの位置で足します。

 

足した答え  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\hline \:1504\end{array} }}\\ が、かけ算の答えです。

 

「これ(224)、足す、これ(128)」と教えます。

 

でも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 224 \\ \: 128\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ は、たし算に見えません。

 

たし算の記号(+)がなくて、

224の4の下に数字がありません。

 

動けない子どもに、

「これ、ここ」で、

224の4を答えとして書かせます。

 

続いて、

「に足すはち、じゅう(2+8=10)」、

「れい(0)」です。

 

さらに、

「に足すに、し(2+2=4)」、

「ご(5)」です。

 

計算と答えをリードして教えます。

こうすると、子どもは、

筆算のたし算を計算していることに気付きます。

 

(×÷022)

子どもが宿題を終えるための動きをリードして、自分をリードするリーダーを育てます。

「思い」が「行動」を生み出します。

「行動」が「習慣」を生み出します。

 

頭の中の「思い」が強いほど、

すぐに「行動」します。

先延ばししません。

 

そして、

同じような「行動」を繰り返すと、

自然に「習慣」が育ちます。

 

こうなると、

強い「思い」がなくても、

「行動」が「習慣」としてなされます。

 

宿題をまだ終えていない子どもに、

「宿題、まだでしょ」、

「やっちゃいなさい」とリードします。

普通のリードです。

 

「宿題を終わらせる」との

子どもの「思い」が弱いから、

まだ宿題が終わっていないと理解して、

子どもの「思い」を強めようとしています。

 

このような言い方で、

「宿題を終わらせる」との「思い」が

十分に強くなれば、

子どもは自動的に「行動」してしまいます。

 

強い「思い」が宿題を終わらせてしまいます。

 

「思い」は、子どもの内面にあります。

外からは見えません。

 

「宿題できるでしょ」、

「終わらせなさい」のように、

外から子どもの内面を刺激しようとしても、

子ども内面の「思い」に届きません。

 

外から声を掛けても、

子ども内面の「思い」の強さは、

残念ながら変わりません。

 

宿題を終わらせなければと思っていますが、

その「思い」は弱いままです。

「行動」しません。

 

外から刺激できるのは、

子どもの内面ではなくて、

外です。

 

子どもの内面の宿題を終わらせようとする「思い」が、

弱くても強くても、

宿題を終わらせる「行動」をリードできます。

 

「宿題、何?」

「手伝うから持っておいで」

「どこ?」

「ノートと鉛筆を出して」

「〇〇だから、ここに書いて」と、

「行動」をリードします。

 

「宿題、何?」に、

「算数の計算」と子どもが答えることや、

「手伝うから持っておいで」に応えて、

宿題を持ってくるだけですから、

強い「思い」など要りません。

 

すぐに「行動」できます。

 

すぐにできる「行動」をリードすれば、

宿題を終わらせることができます。

 

「宿題、何?」に、「算数の計算」と答えるとき、

子どもは内面で、

「何だったかな?」と考えています。

 

「算数の計算だった」と分かって、

「算数の計算」と答えるとき、

答えようとする「思い」を持っています。

 

「宿題、何?」も、

「手伝うから持っておいで」も、

すべて宿題を終わらせるための「行動」を

リードしています。

 

1つの「行動」をするとき、

そうしようとする小さな「思い」を持っています。

 

宿題を終わらせるまでの

このような小さな「思い」の総和は、

とても強い「思い」になります。

 

すぐにできる「行動」をいくつもリードして、

宿題を終えたとき、

とても強い「思い」も育っています。

 

宿題をリードすることで、

とても強い「思い」を育てることを繰り返すと、

強い「思い」を持つ習慣になります。

 

するとやがて、

強い「思い」が、

宿題を終わらせるようになります。

 

(基本031)

7+8 や 5+9 のようなたし算25問を20秒程度で計算できるスピードになると、強い意識が育っています。

小3生が、7+8 や 5+9 を計算しています。

25問を1分かかります。

60秒です。

 

こちらは、20秒前後のスピードで計算できます。

比べると、

ダラッと計算しているように見えます。

 

この小3生は、指で数えていません。

7+8 を見たら、答え15が頭に浮かびます。

 

答えが頭に浮かぶたし算の感覚を持っています。

でも、

ダラッと計算しているように見えます。

 

できることをするときの

意識の強弱の違いです。

 

この小3生は、

意識の強さを加減できないために、

7+8 を弱い意識で見ます。

そして、たし算の感覚で答え15を

頭に浮かべます。

 

7+8 を、左から右に、

7を見て、

+を見て、

8を見ます。

 

7と、+と、8を見た結果が、

頭の中で 7+8 の固まり、

つまり、1つの模様になります。

 

7+8 の模様が、頭の中で、

答え15と結び付いています。

だから、答え15が頭に浮かびます。

 

こちらは、強い意識で 7+8 を見ます。

7と、+と、8をバラバラにではなくて、

初めから1つの模様として見ます。

 

すると、頭の中ですぐに、

答え15と結び付いて、

答え15が頭に浮かびます。

 

意識の強弱で、

7+8 の見方が大きく違います。

計算スピードの差になります。

 

こうなっていますが、

子どもに、「もっと強い気持ちで計算する」と教えても、

子どもは理解できません。

 

計算のスピードを速めるために、

見方を変えさせることであれば、

教えることができます。

 

7+8 の+を示してすぐ、「15」と言います。

早口です。

5+9 の+を示してすぐ、「14」です。

 

この続きも、同じように、

+を示してすぐ、早口で答えを言います。

 

このようなリードで、

子どもの計算のスピードを速めます。

 

計算のスピードが速くなれば、

子どもは自然に、

7+8 を1つの模様として見るようになります。

 

そして、1カ月もすると、

20秒前後にまで短くなります。

 

できることをするとき、

強い意識を向けるように育ったからです。

 

(+-044)

2けた×2けたの筆算のかけ算は、難しさが同時にいくつも重なって、とても難しくなるところです。

算数の計算で、急に難しくなるところがあります。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの筆算のかけ算は、

その1つです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算の前に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたの筆算のかけ算が、

スラスラ計算できるようになっています。

 

この力を少し工夫するだけで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算を計算できます。

 

理屈はそうです。

ですが、子どもには少しの工夫ではありません。

とても強い難しさを感じます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ と、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたの筆算のかけ算を

2回です。

 

47の4を隠せば  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ です。

2けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

47の7を隠せば  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ です。

少しおかしな形をしていますが、

2けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

最初に、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ の、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline  224 \end{array} }}\\ です。

 

2けた×1けたの筆算のかけ算は、

楽にスラスラとできます。

 

次に、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ を計算します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }}\\ でしたら、

見慣れた2けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

4が左に動いた  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ は不自然ですが、

2けた×1けたの筆算のかけ算と

思えば思えます。

やや受け入れにくい計算です。

 

ですが、

下の4から上の2と3に順に掛けるだけです。

2けた×1けたの筆算のかけ算の計算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の答え128を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ の答え224の下の行に、

左に1数字分ずらして書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

掛ける数47の4の下です。

 

慣れると自然な位置です。

そうですが、慣れるまで迷います。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ の上の数字32を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算で使います。

 

それなのに、また  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の計算で使います。

上の数字32を、2回使います。

これも慣れるまで、不自然です。

 

最後に、たし算です。 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\hline \:1504\end{array} }}\\ です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 224 \\ \: 128\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ のような、見慣れないたし算です。

 

+が書いてなくて、

下の数字128が、

左に1数字分ずれています。

 

上の数字224の4の下に、

数字がありません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 224 \\ \: 1280 \\ \hline \end{array} }} \\ でしたら、

+がないだけです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 224 \\ \: 128\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ は、

0がなくて、空白です。

とても不自然です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ と、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\

2けた×1けたの筆算のかけ算を2回ですが、

いくつもの不自然さがあります。

 

1つの計算の中に、

難しさがいくつも積み重なって、

とても難しくなってしまいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたの筆算のかけ算の不自然さ。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ と、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ のそれぞれで、32を使う不自然さ。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の答えを、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ の答えの下に、左に1数字分ずらして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ のように書く不自然さ。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 224 \\ \: 128\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算のたし算の不自然さ。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算するとき、

このような4つの難しさを

すべて乗り越えなければなりません。

 

1つずつ順に乗り越えるのではありません。

1問の計算に、

4つの難しさがすべて出てきます。

 

とても難しく感じてしまいます。

そういうところです。

 

(×÷021)

できることがあります。どの子にもたくさんあります。このできることをしてしまう習慣を育てます。

できることをしてしまう習慣を持った子は、

少数です。

 

多くの子は、

できないことを気にします。

 

そして、

できることがあることを知りません。

 

だから、

できることがあるのに、

できることをしません。

 

このようにできないことを気にする子も、

できることをしてしまう習慣を

持つことができます。

 

できることがあるのに、

知らないだけだからです。

 

できることをしてしまう習慣は、

子どものできることを、

リードして、してしまうことで育ちます。

 

数字を読めて書けて、

「いち、に、さん、し、ご、……」と順に言える子が、

2+1 のたし算を習います。

 

できないことを気にする子は、

「計算できない」となります。

 

できることを探そうとしません。

 

この子に、2+1 の2を示して、

「に」と読みます。

 

できることをリードして、しています。

 

2を示されて見た子は、

「に」と読めます。

自分のできることです。

 

続いて、1を示して、

「さん」と教えます。

 

1を示したら、「いち」ですが、

「さん」と教えます。

 

「に、さん」と言えます。

できることをリードして、しています。

ですが、子どもにはピンときません。

 

子どもが、

自分のできることだと気付くまで、5~6問、

同じように計算をリードします。

 

5+1 の5を示して、「ご」と読み、

1を示して、「ろく」です。

 

数字の並び、「ご、ろく」です。

 

3+1 の3を示して、「さん」と読み、

1を示して、「し」です。

 

7+1 の7を示して、「しち」と読み、

1を示して、「はち」です。

 

数字の読みと並びです。

できることだけをして、計算しています。

子どもは、「あぁ、なるほど」と気付きます。

 

計算の仕方に気付けば、

自分のできることだけですから、

6+1 のようなたし算を計算できます。

 

やる気にならない算数の宿題があります。

 

やらなければならないのに、

やる気になれないことを気にします。

 

できることをリードして、させます。

 

「宿題を出して」、

「鉛筆と消しゴムを出して」、

「開いて」、

「どこ?」とリードします。

すべてできることです。

 

このようなリードを続けます。

問題を読みます。

式を書きます。

計算します。

 

できることをリードして、させることで、

できることをしてしまう習慣を育てます。

 

(基本030)