見本をまねして、自力で計算できそうな問題は、そうするように勧めます。

2けた×2けたの筆算のかけ算を計算できます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 24 \\ \hline \end{array} }}\\ でしたら、

一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:\:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:24 \\ \hline  124 \end{array} }}\\ とします。

 

続いて、別の一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \: 2 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ を計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \: 24 \\ \hline  124 \\ \:\:62\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

 

最後に、124と62の筆算のたし算を計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \: 24 \\ \hline  124 \\ \:\:62\:\:\:\:\\\hline \:\:\:744\end{array} }}\\ です。

このように計算できる子です。

 

この子が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算の見本を見ます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ は2けた×2けたのかけ算ですが、

1行で計算しています。

 

この子が知っている計算の仕方と違います。

 

でも、何となくですが、

計算の仕方が分かるような気がします。

 

この子が知っている計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \: 20 \\ \hline  \:\:00 \\ \:\:46\:\:\:\:\\\hline \:\:\:460\end{array} }}\\ です。

 

見本は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ です。

 

この見本を見て、

まねすれば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を、同じように計算できそうです。

 

だから、

「見て、同じように、やってごらん」と、

勧めます。

 

でも、子どもは、

「分からない!」と抵抗します。

これが普通です。

 

初めての計算なのに、

見るだけです。

 

そして、まねして、

同じように計算します。

 

計算の仕方の説明がありません。

何も教えられません。

自力です。

 

だから、抵抗します。

計算しようとしません。

 

「分からない!」と抵抗していることを受け入れます。

でも、「できるから!」でさせます。

 

計算するとなれば、

見本を真剣に見ます。

 

計算の仕方を見つけ出そうとします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ を見ることで、

20の0を下に移して、

2×3=6、2×2=4 と計算しているらしいと分かります。

 

そして同じように、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  620 \end{array} }}\\ です。

 

20の0を下に移して、

2×1=2、2×3=6 と計算しています。

 

こうできる理由は、いくつかあります。

その1つです。

 

20は、2×10 ですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ の10倍が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:\:\:\:\:2 \\ \hline  \:\:62 \end{array} }}\\ の答え62の10倍は、620です。

 

これで、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  620 \end{array} }}\\ を納得できます。

 

別の理由です。

 

この子は、2けた×2けたを計算できます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を、2けた×2けたで計算します。

 

すると、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \: 20 \\ \hline  \:\:00 \\ \:\:62\:\:\:\:\\\hline \:\:\:620\end{array} }}\\ です。

 

620の0は、0×1=0 の0です。

0×3=0 の0は、

0+2=2 ですから、消えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算は、

20の0を下に移して、

2×1=2、2×3=6 です。

これだけのことです。

 

(×÷024)

7+4 の計算を中断して、すぐ寝ようとします。子どもの内面のリーダーです。

5+4 を計算できます。

 

5を見て、「ご」と黙読します。

4を見て、

「ろく、しち、はち、く」と、

指で4回数えます。

 

そして、5+4=9 と書きます。

 

これだけのことを、

子どもは自力でします。

 

このような計算をリードするリーダーが、

子どもの内面にいて、

子どもをリードしているから、

自力で計算できると仮定します。

 

計算のスキルや

指で計算する習慣のような言い方が普通です。

 

普通ではない表現ですが、

子どもに教えるとき、

教えることを絞ることができる便利な仮定です。

 

この子が、

7+4 の計算を中断して、

ウトウトし始めます。

 

やはり、

子どもが自力でしていることです。

 

誰か、あるいは何かに、

そうさせられているのではありません。

 

計算のときのように、

ウトウトすることをリードするリーダーが、

子どもの内面にいて、

子どもをリードしているから、

自力でウトウトし始めると仮定します。

 

計算をリードするリーダーと

別のリーダーです。

 

もちろん、

ウトウトする習慣のような表現が普通です。

 

でも、

スキルや習慣のような表現ではなくて、

子どもの内面にリーダーがいると改定すると、

教える内容と対象がハッキリとします。

 

計算するリーダーが弱まり、

ウトウトするリーダーが強まるから、

子どもはウトウトし始めたと理解できます。

 

このように理解しますと、

計算するリーダーを応援することが

教える内容と対象になります。

 

スキルや習慣と表現するよりも、

教えることがハッキリとします。

 

子どもの内面の計算するリーダーを応援すると

狭く絞って教えます。

 

計算するリーダーは、

計算をリードできるのですが、

弱まっています。

 

こちらが、

7+4 の7を示して、「しち」と読み、

4を示して、

「はち、く、じゅう、じゅういち」と、

指で4回数えて、

答え11を出します。

 

このような応援を受けると、

子どもの内面の計算するリーダーは、

エネルギーを得て強まります。

 

同じように、3~4問、計算をリードすれば、

子どもの内面の計算するリーダーが、

十分に強くなれます。

 

すると、

計算するリーダーが

計算をリードし始めます。

 

(基本033-91)

計算結果は静止画です。答えを出すまでの計算は、動画です。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ は、長い計算手順で計算します。

 

子どもが内面に、

2けた×2けたのかけ算をリードするリーダーを持てば、

このリーダーが計算をリードします。

 

自分をリードするリーダーを、

子どもが見ることができるように、

こちらが子どもの内面のリーダーを演じて、

計算していきます。

 

子どもに計算を教えるのと、少し違います。

計算をリードするリーダーを見せます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算をリードする内面のリーダーは、

計算だけを黙々とリードします。

 

96の6を見て、

53の3を見て、

6×3=18の18を出して、

8を書いて、

1を繰り上がり数として覚えます。

 

これで、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  \:\:\:\:\:\:\:\:\:8 \end{array} }}\\ こうなります。

 

続いて、96の6と

53の5をこの順に見て、

6×5=30の30を出して、

繰り上がり数1を足して、

31を書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  \:318 \end{array} }}\\ のように計算が進みます。

 

かけ算をこのようにリードするリーダーを、

こちらが演じて子どもに見せます。

 

子どもの内面のかけ算をリードするリーダーは、

96の6を目で見て、

53の3を目で見ます。

 

そして、声に出さずに頭の中で、

6×3=18から、18を出します。

 

視線や

声に出さない頭の中の九九を

子どもに見せることができません。

 

類似した代替のリーダーを演じます。

 

6と3をこの順に示して、

「6×3=18」と九九を言ってから、

6の下を示して、

「ここ、8」、

「指、1」です。

 

この代替のリーダーにリードされて

子どもは、6と3を順に見て、

九九にして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  \:\:\:\:\:\:\:\:\:8 \end{array} }}\\ のように8を書いて、

1を指に取ります。

 

こちらが演じるリーダーにリードされてですが、

同じようなリーダーを子どもが持つから、

同じように自分をリードして、

6と3を順に見て、

九九にしてまねすることができます。

 

どこを見て、

どのような計算をして、

答えをどこに書くのかだけをリードします。

 

すると、

子どもも同じように自分をリードできます。

 

この続きの計算の

代替のリーダーのリードを

長くなりますが

参考のために書きます。

 

6と5をこの順に示して、

「6×5=30」と九九を言ってから、

子どもが指に取った1を触って、

「1足して、31」と繰り上がりのたし算を言ってから、

「ここ、31」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  \:318 \end{array} }}\\ と進みます。

 

9と3をこの順に示して、

「9×3=27」と九九を言ってから、

子どもが書いた318の1の下を示して、

「ここ、7」、

「指、2」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ \:\:\:\:\:\:7\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ と書き終わります。

 

9と5をこの順に示して、

「9×5=45」と九九を言ってから、

子どもが指に取った2を触って、

「2足して、47」と繰り上がりのたし算を言ってから、

「ここ、47」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ まで計算できます。

 

477の下を示して、

「ここ、線」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \end{array} }}\\ のように、たし算の準備をします。

 

318の8を示して、

「これ、ここ」で、下に移します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \:\:\:\:\:\:\:8\end{array} }}\\ と進みます。

 

318の1と、477の右の7を順に示して、

「1+7=8」とたし算で8を出して、

「ここ、8」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \:\:\:\:\:88\end{array} }}\\ となります。

 

318の3と、477の左の7を順に示して、

「3+7=10」とたし算で10を出して、

「ここ、0」、

「指、1」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \:\:\:088\end{array} }}\\ です。

 

477の4を示して、

「1足して、5」、

「ここ、5」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \:5088\end{array} }}\\ と計算できます。

 

こちらが演じるリーダーを、

見ている子どもは、

内面に取り込みながら、

同じように自分をリードして計算を終えます。

 

(×÷023-91)

子どもが何をしていても、子どもの内面の計算をリードするリーダーを手伝います。

すぐ寝ようとします。

やりたくなさそうです。

すぐ「分からない」と言います。

キョロキョロして落ち着きがありません。

集中が続きません。

ダラダラと計算しています。

 

これらはすべて子どものことです。

実にさまざまなことをします。

 

子どもの内面の何か(無意識の習慣のような)が、

子どもをリードして、

このようにさせています。

 

5+4 を、

5を「ご」と黙読して、

「ろく、しち、はち、く」と、

指で4回数えて、

答え9を出す子です。

 

このような計算をリードするリーダーが、

子どもの内面に育っています。

だから、子どもは計算できます。

 

でも、

すぐ寝ようとする別のリーダー(無意識の習慣)も、

子どもの内面にいますから、

この寝ようとするリーダーにリードされると、

計算をリードするリーダーが休んで、

計算を中断して、

子どもはウトウトし始めます。

 

「どうしたの?」、

「寝ないで、やろう」のように

こちらが声を掛けるとどうなるでしょうか?

 

子どもの内面の

寝ようとするリーダーを

言葉で攻撃しています。

 

寝ようとするリーダーは、

昼寝や夜寝るときに働いてほしいのですが、

今は違います。

 

計算をリードするリーダーに

シッカリと働いてもらいたいときです。

 

だから、

中断している計算 7+4 を、

子どもの内面の計算をリードするリーダーと

同じ計算の仕方で、

こちらが計算します。

 

7+4 の7を示して、

「しち」と読んだ後、

子どもに見えるように、

こちらの指を4回、

「はち、く、じゅう、じゅういち」と折ります。

 

このようなこちらの計算を、

ウトウトし始めた子どもは、

ぼんやりと見ます。

 

このような計算代行が刺激になって、

子どもの内面の計算をリードするリーダーが

働き始めて、

寝ようとするリーダーが休むまで、

2問3問と手伝います。

 

やりたくなさそうなリーダーも、

「分からない」って言うリーダーも、

キョロキョロと落ち着かないリーダーも、

集中が続かないリーダーも、

ダラダラと計算するリーダーも、

寝ようとするリーダーと同じです。

 

それぞれに必要なときがあります。

でも、今は違います。

 

今は、計算をリードするリーダーに

働いてほしいときです。

 

だから、

それぞれのリーダーを言葉で攻撃しません。

 

子どもがどのようなリーダーにリードされていても、

そのことを少しも気にしません。

 

計算をリードするリーダーが働くように

手助けしてしまいます。

 

(基本033)

子どもの「ひき算をしたい」希望を、キチンと評価します。

「早く、ひき算したいな」と、

子どもがつぶやきました。

 

1+6 や 4+6 のたし算を

指で数えて計算している子です。

たし算の指が取れていません。

 

1+6 や 4+6 の答え7や10が、

問題を見ただけで頭に浮かぶ感覚を持ってはいません。

 

まだしばらくは、たし算の練習が続きます。

そうだろうなと、子ども自身も分かっています。

 

1+6 の計算を、

1を見て、「いち」と読み、

6を見て、「に、さん、し、ご、ろく、しち」と、

指で6回数えて、答え7を計算します。

 

4+6 の計算でしたら、

「し」、

「ご、ろく、しち、はち、く、じゅう」と、

指で6回数えて、答え10です。

 

子どものつぶやき、

「早く、ひき算したいな」を、

「そう」と受け止めながら、

子どもの希望を評価します。

 

「できるだろうか?」、

「したいだろうか?」、

「すべきだろうか?」で評価します。

 

1+6 を指で数えて計算しているこの子は、

たし算の計算をリードするリーダーを

内面に持っています。

 

1を見て、「いち」と黙読して、

6を見て、指を6回折りながら、

「に、さん、し、ご、ろく、しち」と無言で数えます。

 

このような計算をリードするリーダーが、

子どもの内面で子どもをリードして、

1+6 の答え7を出しています。

 

7-6 の計算は、

7を見て、「しち」と読み、

「ろく、ご、し、さん、に、いち」と、

指で6回数えると理解できれば、

答え1を出すことができます。

 

たし算は、数字が増える向きに数えます。

ひき算は、数字が減る向きに数えます。

 

これだけのことですから、

子どもの内面のたし算の計算をリードするリーダーは、

すぐにひき算の計算をリードできます。

 

「できるだろうか?」の答えは、「YES」です。

 

どうしてなのだか分りませんが、

「早く、ひき算したいな」と子どもがつぶやいています。

 

「したいだろうか?」の答えも、「YES」です。

 

でも、「すべきだろうか?」の答えは、

やはり、「NO」です。

 

4+6 を、

「し」としてから、

「ご、ろく、しち、はち、く、じゅう」と、

指で数える計算だけを知っています。

 

4+6 を見たら、

頭に答え10が浮かぶ感覚を知りません。

 

4+6 の答え10が頭に浮かぶ感覚を持てば、

10-6 を指で数えて計算していても、

10-6 を見ただけで、

答え4が浮かぶ感覚があることを知っています。

 

指で数えて計算していても、

ひき算のゴールが、

答を浮かべる感覚だと知っています。

 

ですから、

たし算の感覚を持ってから、

ひき算を計算するようにすべきです。

 

でも、

「まだまだ先だよ」や、

「たし算に集中して」のように言いません。

 

「早く、ひき算したいな」を、

「そうだね」と受け入れて、

7+6 の計算のスピードを速めるように手伝います。

 

7+6 を見るだけで、

答え13が浮かぶ感覚を子どもがつかむ手伝いです。

 

(+-046)

長い計算手順の途中で集中が切れるとミスを生みます。このミスを正すことで長い集中時間を育てます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの筆算のかけ算は、

長い計算手順で計算します。

 

この長い計算手順を眺めます。

 

まず、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\

一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ です。

 

① 6×3=18。

② 8を書いて、繰り上がり数1を覚える。

③ 6×5=30。

④ 30+1=31(繰り上がりのたし算)。

⑤ 31を書く。

 

ここまでの計算で、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:96 \\ \hline  318 \end{array} }}\\ と計算できます。

 

続いて、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\

一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 9 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ です。

 

⑥ 9×3=27。

⑦ 7を、318の1の真下に書いて、繰り上がり数2を覚える。

⑧ 9×5=45。

⑨ 45+2=47(繰り上がりのたし算)。

⑩ 47を書く。

 

ここまでの計算で、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ になります。

 

続いて、たし算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 318 \\ \: 477\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ です。

 

⑪ 477の下に、横線を引く。

⑫ 318の8を、下に移す。

⑬ 1+7=8。

⑭ 8を書く。

⑮ 3+7=10。

⑯ 0を書いて、繰り上がり数1を覚える。

⑰ 4+1=5(繰り上がりのたし算)。

⑱ 5を書く。

 

ここまでの計算で、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \: 96 \\ \hline  318 \\ 477\:\:\:\:\\\hline \:5088\end{array} }}\\ になります。

答えが出ます。

とても長い計算手順です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたの筆算のかけ算で、

長い計算手順を知っています。

 

そうですが、

ここまで長い計算手順は初めてです。

 

計算手順の長さを比べるために、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の手順を眺めます。

 

① 6×3=18。

② 8を書いて、繰り上がり数1を覚える。

③ 6×5=30。

④ 30+1=31(繰り上がりのたし算)。

⑤ 31を書く。

 

計算が終わり、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline  318 \end{array} }}\\答えが出ます。

 

この2けた×1けたのかけ算の5つの計算手順と比べます。

2けた×2けたのかけ算の18の計算手順の長さが分かります。

 

とても長い計算手順です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの

筆算のかけ算の長い計算手順を、

正しい順で計算できても、

長い計算手順のどこか1カ所でも計算を間違えると、

×バツ になります。

 

九九のウッカリミスや、

繰り上がりのたし算のウッカリミスや、

繰り上がり数の覚え間違いや、

答えの書き間違いなどです。

さまざまな間違いが起こります。

 

自力で正そうとして、

計算し直します。

 

集中して計算し直します。

集中が続けば、

長い計算手順のどこかでしている計算のミスを

正すことができます。

 

でも、集中が切れたとき、

そこの計算でミスをして、

また ×バツ になったりします。

 

ここまでの長い計算手順になると、

集中が続かなくて、

集中が切れたときに、新たなミスが出るものです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたのかけ算は、

5つの計算手順の長さ分だけ、

集中が続けば正しく計算できます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたのかけ算は、

18もの長い計算手順の間、

集中を保たなければなりません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\times \:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたのかけ算の3倍もの長さで、

集中を保たなければなりません。

 

計算手順がとても長いだけに、

集中を保ちにくくなります。

 

ここまでの長い計算手順は、

集中を長く保つ練習になっています。

 

集中が切れたとき、

ミスが出ます。

 

ミスを正すことで、

より長い集中を保つ練習になります。

 

だから、ミスは長い集中を保つ練習です。

 

ミスを嫌がって、「どうして?」ではなくて、

「ミスしたのだ」と受け入れます。

 

そして、ミスしたから、

集中を長く保つ練習ができると思います。

 

すると、少しずつ集中を保つ時間が長くなって、

ミスをしないようになります。

 

「答えが出るまで、とても長くなっています」、

「集中したまま計算する時間を長くします」、

「学ぶのは、計算だけではありません」、

「集中して計算する時間を長くすることも学びます」のように、

言葉で子どもに教えません。

 

「集中したまま」や「長い集中時間」と言葉で教えられても、

理解できません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 53 \\ \:\:\:\times \: 96 \\ \hline \end{array} }}\\ のような計算手順の長い計算のミスを、

こちらがリードして計算し直すことで正します。

 

やや早口で、

次々に速いスピードで計算し直します。

 

速いスピードの計算し直しについてくる子どもは、

自然に長い集中を保ちます。

 

そうとは気付かないまま、

子どもは長い集中を保つ練習をしています。

 

(×÷023)

算数の宿題を完成させる手伝いは、学力だけではなくて、子どもの内面を育ててもいます。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ は、ひき算です。

 

4と3を、上から下に見て、

4-3=1 と計算します。

そして、3の下に、答え1を書きます。

 

続いて、6と2を、上から下に見て、

6-2=4 と計算します。

そして、2の下に、答え4を書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:41\end{array} }} \\ と計算できます。

 

学力の力を使って、

学力を育てています。

 

子どもが内面に持っている力は、

学力だけではありません。

 

普段、ほとんど意識しませんから

分かりにくいはずです。

ユッタリと話します。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ (繰り下がりなし)や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ (繰り下がりあり)が30問、

宿題になっているとします。

 

「宿題を始める」は、

子どもの内面の率先力の主体性です。

 

「宿題をすることで自分は育つ」、

「だから、やってしまおう」は、

やはり内面の先に決めた目的です。

 

「先に遊んでしまうと疲れてしまい、

宿題をしようと思わなくなるから、

遊びに行く前に終わらせてしまおう」は、

これも内面の優先順です。

 

「宿題は後回しにして、

遊びに行こう」の優先順も可能です。

 

少しも意識していませんが、

このような力が、子どもの内面にあります。

 

とても弱いままです。

このような力に気付いてもいないのが普通です。

 

でも、このような力を持っていますから、

算数の宿題を手伝うことで、

筆算のひき算の計算力だけではなくて、

率先力の主体性や、

先に目的を決めることや、

優先順を決めることも育てることができます。

 

計算だけを手伝ってしまったら、

このような力を育てようとしていませんから、

残念ながらほとんど育ちません。

 

宿題をしている目の前の子どもが、

集中を切らしています。

ボ~ッとしています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ で計算が止まっています。

 

「どうしたの。集中して」や、

「できるでしょ」のように言いたくなります。

 

でも、考えてみましょう。

 

このように言うことで、

筆算のひき算だけではなくて、

率先力の主体性の力や、

先に目的を決める力や、

優先順を決める力が育つでしょうか?

 

「どうしたの」のように言う代わりに、

4を示して、「4-5、引けない」、

「14-5、9」、

6を示して、「1減って、5」、

「5-3、2」と計算をリードしたらどうでしょうか?

 

止まっている計算をリードして動かせば、

子どもは心の中で、

「宿題が途中だった」と気付きます。

 

このような気付きが、

子どもの内面で自発的に起こります。

 

そして、「終わらせてしまおう」となりますから、

率先力の主体性の力や、

先に目的を決める力や、

優先順を決める力が刺激されます。

 

(基本032-91)