たし算や共通分母や因数分解を思い付く感覚を持つ力を持っています。さらに、計算する力を持つこともできます。

7+8 を見ただけで、

答え15が頭に浮かぶ感覚を

持つことができます。

 

このような感覚を持つ力を、

子どもは誰もが持っています。

 

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{3}{14}} の共通分母84が、

2つの分数の分母12と14を見ただけで、

頭に浮かぶ感覚を持つことができます。

 

たし算の感覚よりも

不思議な感覚に感じますが、

共通分母が浮かぶ感覚があります。

 

この感覚を持つ力を、

子どもは例外なく持っています。

 

感覚を持つ力を持っていますが、

その力を使って、

共通分母を浮かべる感覚を持つ子は、

少数です。

 

 {\normalsize {x^{4}+x^{2}y^{2}+y^{4}}}因数分解の仕方を、

この式を眺めるだけで、

思い付く感覚を持つことができます。

 

 {\normalsize {(x^{4}+2x^{2}y^{2}+y^{4})-x^{2}y^{2}}} とすればいいと、

思い付く感覚です。

 

この感覚を持つ力も、

子どもは持っています。

 

ですが、感覚を持つ力を利用して、

因数分解を思い付く感覚を持つ子は、

とても少ないようです。

 

さらに不思議な力ですが、

算数や数学の計算問題を、

計算する力を持つことができます。

 

この力を持つ力を、

子どもが持っているからです。

 

正体がハッキリとしない不思議な力ですが、

持っています。

 

そうなのですが、

計算する力を持っていることに

気付いていない子が大多数です。

 

繰り返し計算したから、

計算できるようになったと思っている子が

ほとんどです。

 

計算する力を持つことができるから、

計算する力を持てたのです。

 

この不思議な力を持っていることに、

何となくですが気付く子がいます。

 

そういう子は伸びます。

自分の力を信じていますから確実に伸びます。

 

計算できないと思っている子に、

計算を手伝います。

 

計算する力を持つことができると、

気付いてほしいからです。

 

目の前の計算を手伝われているように、

子どもは感じるのでしょうが、

手伝うこちらの狙いは違います。

 

計算する力を持つことができることに

気付いてほしくて、

目の前の計算を手伝っています。

 

(基本043)

筆算のたし算は、上から下に縦に2つの数を見て計算します。このような見方を教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ のようなたし算を教えます。

 

筆算のたし算は、

一の位だけを足してから、

十の位だけを足します。

 

15の5と、

28の8だけを見ます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:5 \\ +\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }} \\ の一の位だけです。

 

そして、5+8=13 と計算して、

13の3を書きます。

 

一の位のたし算です。

答えも一の位の3だけを書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:5 \\ +\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:3\end{array} }} \\ です。

 

答えの13の1は、

十の位ですから、

次の十の位のたし算の答えに足します。

 

次は、

15の1と、

28の2だけを見ます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr}1\:\: \\ +\: 2\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ の十の位だけです。

 

そして、1+2=3 と計算して、

繰り上がり数1を足して、4にしてから、

十の位に書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr}1\:\: \\ +\: 2\:\: \\ \hline \:\:4\:\:\end{array} }} \\ です。

 

上から下に縦に2つの数字を見るようになれば、

計算できます。

 

でも、

子どもに視線の絞り方を、

説明して教えようとすると、

とても難しくなります。

 

上から下に縦に2つの数を見る視線は、

説明をしないで、

そこだけが見えるようにすれば、

子どもにパッと伝わります。

 

1と2をペン先で隠して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:5 \\ +\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }} \\ このように、

5と8が縦に並んで見えるようにします。

 

そして、

「ご足すはちは(5+8)?」と聞きます。

 

こうすることで、

上から下に縦に2つの数を見る視線を、

子どもに確実に伝えています。

 

縦に並んだ  {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:5 \\ +\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }} \\ が、

横に並んだ 5+8 と同じであることを、

子どもはすぐに理解しますから、

「じゅうさん(13)」と答えてくれます。

 

8の真下を示して、

「ここ、さん(3)」とリードします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:5 \\ +\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:3\end{array} }} \\ です。

 

一の位の5と8のたし算です。

答え13も、一の位の3だけを書きます。

 

そして、

繰り上がり数1(13の1)を、

指に取らせます。

 

次の十の位のたし算に足しますから、

指に取った1が、

十の位の数であることを教えています。

 

続いて、

5と8をペン先で隠して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}1\:\: \\ +\: 2\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ このように、

1と2が縦に並んで見えるようにします。

 

そして、

「いち足すには(1+2)?」と聞きます。

 

「さん(3)」と答えてくれたら、

指に取った1を示して、

「いちを足して、し(4)」と計算してから、

2の真下を示して、

「ここ、し(4)」とリードします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr}1\:\: \\ +\: 2\:\: \\ \hline \:\:4\:\:\end{array} }} \\ です。

 

このようにリードすれば、

子どもは、

上から下に縦に2つの数字を見る視線を

知ることができます。

 

(+-056)

半泣きで、「分からない」と聞く子に、「分かる!」と言い切ります。それから教えます。

子どもは、今の自分を見ています。

そして、「分からない」と聞いています。

 

すぐに教えると、

「分からない」と決めてしまった子に教えます。

 

分からないと決めたことが尾を引いて、

分かろうとすることに、

子どもが、自分でブレーキを掛けています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 2000 \\ - 1326 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算ミスを直せません。

 

「分からない」と、

子どもは聞きます。

 

教える前に、

この子が、驚くような言い方で、

鋭く強く「分かる!」と言い切ります。

 

教えてもらえると思っている子どもは、

「分からない」と決めている今から、

一瞬で離れます。

 

「分からない」から離れても、

「分かった」とはなりません。

 

ですが、

「分からない」が子どもの頭から消えますから、

「分からない」が尾を引いて、

分かろうとすることを邪魔しなくなります。

 

こうなった後、

教えます。

 

「分かる!」と驚かされた子は、

分かろうとしていますから、

真剣に学びます。

 

(基本042-92)

「どうしたらいい?」とすると、目の前の見えている悪さに対処してしまいます。「どうなったらいい?」とすれば、今、見えてはいない少し未来の良さに近づこうとします。

15-7 の計算を、

たし算の力を利用して、

7に何かを足して、15になるようにします。

 

7+8=15 ですから、

15-7=8 です。

 

たし算の感覚を持っている子です。

7+8 を見たら、見ただけで、

答え15が頭に浮かびます。

 

ですが、ひき算は、

感覚を持っていませんから、

7に何かを足す試行錯誤から、

8を探します。

 

アレコレと試さなければなりませんから、

気持ちの負担が大きくて、

集中が続きません。

 

計算から逃げて、

集中が切れやすいところです。

 

集中が切れた状態は、

見たら分かりますから、

「どうしたらいい?」と考えてしまいます。

 

目の前に見えている集中の切れている状態を、

何とかしようとしてしまいます。

 

目の前の子は、

集中が切れていますが、

少しすると、また計算に戻ります。

 

でも、今、見えているのは

集中の切れている子です。

 

今は見えていない少し未来の

計算に戻った子を、

想像すれば心の中に見ることができます。

 

このように想像して心の中に映る子を、

「どうなったらいい?」で見ることができます。

 

目の前の今とは違って、

計算し始めた子を、

想像して心に見ることができたら、

目の前で集中を切らしている子を、

計算している子に近づけることができます。

 

心の中の計算し始めた子を見ています。

とても子どもに優しい指導になります。

 

止まっている 14-5 の問題に、

「く(9)」で、答えを言います。

それから、「5+9=14」です。

優しい言い方です。

 

(基本042-91)

集中が切れて、あまりのあるわり算から逃げて、ボ~ッとしています。まただ。困った。さて、どうしましょうか?

15÷2、14÷3、9÷4、17÷5 のような

あまりのあるわり算を計算しています。

 

計算の仕方を知っている子です。

 

15÷2 を計算します。

 

2の段の九九の答えの中から、

15よりも小さくて、

15に近い14を探します。

 

15は、14+1 です。

14は、2×7 です。

 

これから、

15÷2=7・・・1 と計算できます。

 

15よりも小さくて、

15に近い数の探し方を、

子どもが使えるように教えます。

 

2の段を下から順に唱えます。

2×1=2、

2×2=4、

2×3=6、

2×4=8、

2×5=10、

2×6=12、

2×7=14、

2×8=16 までで、

15÷2 の15よりも大きくなります。

 

1つ前の 2×7=14 で、

15よりも小さくて、15に近い数14を探します。

 

14÷3 でしたら、

3の段の九九を下から唱えます。

 

3×1=3、

3×2=6、

3×3=9、

3×4=12、

3×5=15 で、14を超えます。

 

1つ戻って、

3×4=12 と、

14=12+2 から、

14÷3=4・・・2 です。

 

とても面倒です。

 

気持ちが計算から逃げます。

集中が切れます。

ボ~ッとします。

 

見ているこちらは、

「まただ。困った」となります。

 

そして、

「困った」を解決しようとします。

 

普通、

集中が切れたままで、

ボ~ッとしている目の前の子を

何とかしようとします。

 

集中を戻そうとして、

「どうしたの?」や、

「できるでしょ」としてしまいます。

 

これとは別の解決の仕方があります。

 

「困った」に対して、

「どうなったらいい?」と考えます。

 

すると、

見えている目の前の子から離れて、

「また、計算し始める」のようになります。

 

でも、

目の前の子は計算していないのですから、

「どうしたらいい?」と考えます。

 

「困った」、

「どうなったらいい?」、

「どうしたらいい?」。

このような流れです。

 

「どうしたらいい?」の

お勧めの答えは、

こちらがリードして計算してしまうことです。

 

自力で計算に戻ったように、

子どもが感じる教え方です。

 

止まっている問題が、

9÷4 でしたら、

9を示したまま、

「4×1=4、小さい」、

「4×2=8、小さい」、

「4×3=12、大きくなった」、

「1つ前の 4×2=8」です。

 

そして、

9÷4=2・・・ としてから、

「9-8=1」です。

 

これで、

9÷4=2・・・1 と計算できます。

 

続いて、

17÷5 の17を示したまま、

「5×1=5、小さい」、

「5×2=10、小さい」、

「5×3=15、小さい」、

「5×4=20、大きくなった」、

「1つ前の 5×3=15」で、

17÷5=3・・・ になります。

 

そして、

「17-15=2」から、

17÷5=3・・・2 と計算できます。

 

こうして、勢いのついた子どもは、

自分で計算し始めます。

 

(基本042)

暗算のたし算と暗算のわり算の感覚は、正体不明ですから、教えることができません。

暗算のたし算を12問です。

 

ストップウォッチで秒数を測って、

計算してみませんか?

 

 {\Large {6+5=}}

 {\Large {9+4=}}

 {\Large {6+8=}}

 {\Large {3+8=}}

 {\Large {5+9=}}

 {\Large {8+7=}}

 {\Large {9+6=}}

 {\Large {3+9=}}

 {\Large {7+9=}}

 {\Large {9+7=}}

 {\Large {8+9=}}

 {\Large {9+9=}}

 

答えを書く作業に時間がかかりますから、

10秒前後のはずです。

 

さて、

最初の問題 6+5= の答え11を、

どのように計算していますか?

 

今、計算したばかりですから、

計算した方法を説明できそうです。

 

このように計算して、11を出したと、

言えそうですが、言えないはずです。

 

これが、たし算の感覚です。

正体不明です。

 

次は、わり算です。

割り切れる問題が12問です。

 

やはり、ストップウォッチで秒数を測って、

計算してみませんか?

 

 {\Large {18÷2=}}

 {\Large {21÷3=}}

 {\Large {25÷5=}}

 {\Large {24÷6=}}

 {\Large {32÷8=}}

 {\Large {35÷7=}}

 {\Large {36÷4=}}

 {\Large {36÷9=}}

 {\Large {27÷3=}}

 {\Large {49÷7=}}

 {\Large {40÷5=}}

 {\Large {42÷6=}}

 

答えを書く時間がかかりますから、

やはり10秒前後かかったはずです。

 

最初の問題 18÷2= の答え9を、

どのように計算したのでしょうか?

 

計算した方法を聞かれても、

困ってしまいます。

 

言葉にしたいのですが、

できないのです。

 

たし算の感覚や、

わり算の感覚は、

使って答を出すことができますが、

正体不明な不思議な力です。

 

6+5= の6を、「ろく」と黙読して、

5を見てから、

「しち、はち、く、じゅう、じゅういち」と、

指で5回数えて、

答え11を出す方法は教えることができます。

 

18÷2= を、

2の段の九九の答えの中から、

18を探して、

2×9=18 から、

18÷2=9 と計算する方法を

教えることができます。

 

でも、12問を、

10秒前後で計算してしまうときの

計算方法を教えることができません。

 

12問を計算した後、

計算した方法を考えてみると、

ここを納得できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -002)

左から右に横に並ぶ暗算のたし算と、上から下に縦に並ぶ筆算のたし算が、同じものに見えると計算できます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 18 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ が初めての子に教えます。

 

18の1を隠します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ このように見えます。

 

そして、

「はち足すいちは(8+1)?」と聞きます。

 

答え9を出せないのが普通です。

 

子どもの知っている「はち足すいち」は、

8+1 です。

 

8と1が、左から右に、

+を挟んで並んでいます。

 

この 8+1 でしたら、

見ただけで、答え9が頭に浮かびます。

 

でも、

「はち足すいちは(8+1)?」と聞かれて

見ているのは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ です。

 

8と1が、上から下に並んでいます。

+は、1の左の方です。

 

見慣れている 8+1 と大きく違います。

 

しかも、

1を隠す前の  {\normalsize { \begin{array}{rr} 18 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ を見ています。

 

8+1 と、

1を隠された  {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ が、

同じたし算に見えません。

 

「はち足すいちは(8+1)?」と聞いたこちらが、

「く(9)」と教えて、

そして、1の真下を示して、

「ここ、く(9)」で、

9を書かせてしまいます。

 

動きをまねしようとしている子どもは、

9を書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:8 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\ です。

 

こうなったら、「うん、そう」と、

こちらはうなずいてしまいます。

 

次の  {\normalsize { \begin{array}{rr} 19 \\ +\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }} \\ の1を隠して、

「く足すには(9+2)?」と聞きます。

 

子どもが答えなければ、

こちらが、「じゅういち(11)」です。

 

2の真下を示して、

「ここ、いち(1)」としてから、

「指、いち(1)」です。

 

繰り上がり数1を指に取らせます。

 

覚えるでは、

子どもに動きを見せることができません。

 

指に取らせれば、

動きを見せることができます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 45 \\ +\: 10 \\ \hline \end{array} }} \\ は、4と1を隠してから、

「ご足すれい(5+0)?」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 36 \\ +\: 17 \\ \hline \end{array} }} \\ は、3と1を隠してから、

「ろく足すしち(6+7)?」です。

 

5~6問でも、7~8問でも、

同じように教えます。

 

縦1列が見えるようにしてから、

たし算の答えを聞きます。

 

するとやがて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ が、

見慣れている 8+1 と、

同じたし算に結び付きます。

 

「あっ、あれだ!」と結び付くと、

自分で計算し始めます。

 

(+-055)