計算の仕方のガイドを選び、そのガイドを頭に置いたまま、自分をリードして計算する子に育てます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

連立方程式を解きます。

 

3 つの式を満たすような

x と、y と、z を求める問題です。

 

とても特殊な能力を持っていて、

この 3 つの式を見ただけで、

x=6 、y=4 、z=2 が、

心に浮かぶ人がいます。

 

でも、

ほとんどの人は、

このような特殊な力を持っていません。

 

だから、

式を見て、

どのように計算していくのかのガイドを、

自分で決めてから、

そのガイドに案内されて計算します。

 

高校の数学が得意であれば、

x と、y と、z が、

1 次ですから、

3 元 1 次連立方程式と分かります。

 

そして、

行列を利用して計算するか、

行列式を利用して計算します。

 

これも、

どのように計算していくのかのガイドの一つです。

 

もっと初歩的な解き方があります。

x と、y と、z の未知数を、

一つずつ消していく計算です。

 

連立方程式の解き方の

最初に習う計算の仕方です。

 

これも、

連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。

 

x と、y と、z の未知数を消すために、

3 つの式を眺めます。

 

未知数の前に付いている数を、

0 にできれば、

その未知数は消えます。

 

例えば、

6x-6x=0x=0 ですから、

未知数 x が消えます。

 

x と、y と、z の未知数の前に付いている数を見て、

0 にし易い未知数を探します。

 

すると、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} でしたら、

未知数 y です。

 

2 番目の式 : 2x+y-4z=8 と、

3 番目の式 : 4x-y+3z=26 を足すと、

+y-y=(+1-1)y=0y=0 と、

y が消えます。

 

2 番目の式 : 2x+y-4z=8 を 2 倍して、

1 番目の式 : x+2y-z=12 を引くと、

+2y-(+2y)=0y=0 と、

y が消えます。

 

連立方程式を眺めて、

頭の中で式を動かしているだけです。

紙に書いて計算していません。

 

このような流れで、

x と、y と、z の未知数を、

一つずつ消していく計算の仕方を決めています。

 

つまり、

連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。

 

① 見たら、答えが浮かぶ。

 

② 行列を利用するか、

行列式を利用する。

 

③ 未知数を一つずつ消す。

 

このどれもが、

連立方程式を計算するガイドです。

 

このようなガイドを一つ選んで、

そのガイドを頭に置いたまま計算します。

 

もちろん、

見たら、答えが浮かぶ ① でしたら、

何らかの計算のようなことをしているのでしょうが、

意識できません。

 

さて、

計算の仕方のガイドを一つ選ぶことや、

そのガイドを頭に置いたまま計算することが、

できる子を育てたいのです。

 

つまり、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

連立方程式を解く自分を、

自分がリードできる子です。

 

年単位の長い時間をかけて、

さまざまな計算を体験する中で、

確実に、少しずつ育てて、

自分をリードする子を育てます。

 

最初は、

実は、

3+1= のようなたし算からです。

 

意外でしょうが、

たし算から育てることができます。

 

こうするために。

計算の仕方を、

言葉で説明しないで、

いきなり、

こちらの計算を実況中継します。

 

3+1= の 3 を示して、

「さん」と声に出して読み、

1 を示して、

「し」と、声に出して数えて、

= の右を示して、

「ここ、し(4)」と実況中継します。

 

とても不親切ですが、

これだけを見せます。

 

見て聞いていた子は、

「何をしているのだろう?」と、

分からないままに、

でも、

3+1=4 と書きます。

 

同じような実況中継を、

その子に必要な問題数続けると、

「何をしているのだろう?」の謎が、

少しずつ解けて、

「そうか、ここを読んで、1 回かぞえるのだ」と、

計算の仕方を、

その子らしくつかみます。

 

その子がつかんだ計算の仕方が、

3+1= のようなたし算を計算するガイドです。

 

つまり、

こちらは、

実況中継を見せるだけにしていますから、

子どもが、自力で、

「どのように計算する?」の答え、

計算の仕方のガイドをつかみます。

 

そして、

自分がつかんだガイドを頭に置いたまま、

5+1= の 5 を、「ご」と読み、

1 を見たり見なかったりしますが、

「ろく」と 1 回数えて、

5+1=6 と書きます。

 

自分でつかんだガイドを頭に置いたまま、

自分をリードしています。

 

実況中継を見せるだけの

このような教え方をすれば、

3+1= のようなたし算から、

計算の仕方のガイドを選んで、

そのガイドを頭に置いたまま、

自分をリードする子を育て始めることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -269)、(+-  {\normalsize {α}} -172)、(分数  {\normalsize {α}} -084)

 

式が 3 けたのたし算になる文章問題の計算は、筆算を書いて計算させると、楽です。

ふねに 548人 のりました。

つぎに 372人 のりました。

あわせて 何人のりましたか。

 

このような文章問題は、

最初に式を書きます。

 

548+372= です。

 

続いて計算します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算を、

子どもが自分で書くことができれば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline920\end{array} }} \\ と計算できます。

 

そして、

自分が書いた式に、

548+372=920 と書いて、

答えを、920人と書くことができます。

 

ここまで書いて、

文章問題が解き終わります。

 

そうですが、

意外なことなのですが、

548+372= から、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算を

書けない子が多いのです。

 

こういう子は、

548+372= のまま

計算しようとして、

モタモタとしてしまいます。

 

でも、

548+372= のまま計算しようとすると、

とても難しくなります。

 

もちろん、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算に書けなくても、

548+372= を筆算のように計算できます。

 

一の位の 8 と 2 を、

左から右に見て、

8+2=10 と計算して、

0 を書いて、

1 を繰り上がり数として覚えます。

 

548+372=  0 のように、

= の少し右の方に、

答え 0 を書きます。

 

次は、

十の位の 4 と 7 を、

左から右に見て、

4+7=11 と計算して、

繰り上がり数 1 を足して、

11+1=12 にしてから、

2 を書いて、

1 を繰り上がり数として覚えます。

 

548+372= 20 のように、

0 の左に、2 を書きます。

 

それから、

百の位の 5 と 3 を、

左から右に見て、

5+3=8 と計算して、

繰り上がり数 1 を足して、

8+1=9 にしてから、

9 を書きます。

 

548+372=920 のように、

20 の左に、9 を書きます。

 

ですが、

とても難しい計算です。

 

だから、

548+372= から、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算を書けない子に、

こちらが無言で、

548+372= の 548 の下に、

372 を書いてしまい、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算にしてしまいます。

 

そして、

この子に、

「この計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 548 \\ +\: 372 \\ \hline \end{array} }} \\ の答えが、答え」と、

ボソッと言います。

 

「筆算に書くと、計算できるよ」とか言うことなく、

無言で書いてしまうと、

子どもは真剣になって見ています。

 

そして、

「なるほど、あぁいう風に書けばいいのだ」と、

強い印象で納得します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -268)、(+-  {\normalsize {α}} -171)

 

「計算したら答えを出せる」レベルから、「答えを生み出す」レベルに、年単位の時間をかけて少しずつ、子どもを案内していきます。

8+7= のようなたし算は、

「答えを生み出している」と

ほとんど意識していないで、

ただ計算しているのが普通です。

 

たし算の感覚を持っていれば、

8+7= を見るだけで、

答え 15 が浮かびます。

 

たし算の感覚を使って、

答え 15 を生み出したと、

意識していません。

 

答えが浮かびますから、

その浮かんだ答えを、

8+7=15 と書いているだけです。

 

数える計算でしたら、

8 を見て、

その次の 9 から、

+7 の 7 回、

9、10、11、12、13、14、15 と数えて、

答え 15 を出します。

 

このように数えて計算する子も、

答え 15 を生み出していると意識していません。

 

数えて計算しているだけです。

 

さて、

話しを進めて、

 {\Large\frac{4}{6}} のような約分を計算するとき、

約数 2 を思い付いて、

分母と分子を、それぞれ 2 で割って、

6÷2=3、4÷2=2 と計算して、

 {\Large\frac{4}{6}} {\Large\frac{2}{3}} と書きます。

 

分数の計算まで進むと、

何となくですが、

「答えを生み出している」と感じ始めるようです。

 

でもまだ、

計算しているだけと感じています。

 

つまり、

 {\Large\frac{4}{6}} の約分を、

約数 2 を思い付いて、

分母と分子を、2 で割って、

 {\Large\frac{4}{6}} {\Large\frac{2}{3}} と計算しているだけです。

 

答え  {\Large\frac{2}{3}} を生み出したとは思っていません。

 

また、

話しを進めて、

10-2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{3}{4}} や、

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} のような

四則混合を計算します。

 

ここまで進むと、

「答えを生み出している」と感じ始めるようです。

 

計算順を、

先に決めてからでないと計算できません。

 

計算する前に、

計算の順番を決めるという、

計算とは違うことをするようになります。

 

10-2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{3}{4}} でしたら、

÷ が先で、- が後です。

 

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} でしたら、

かっこの中の + が最初で、

次に、× で、最後に、- です。

 

まだ、計算していません。

計算の順番を決めただけです。

 

でも、

計算の順番を決めたから、

計算することができて、

答えを出すことができます。

 

何となくですが、

「答えを生み出している」と感じるようです。

 

こちらが、

計算する前に、

「順番!」と指示して、

計算の順番を、指で示させるようにすると、

「答えを生み出している」と感じる手助けになります。

 

またまた、

話しを進めて、

(-2)(-4 {\Large\frac{1}{2}} )(- {\Large\frac{1}{3}} ) のような

正負の数のかけ算を計算します。

 

マイナス(-)の数を数えます。

3 つですから、

かけ算の答えも、マイナス(-)です。

 

まだ、

計算していません。

 

3 つの数の符号を見て、

マイナス(-)の数を数えて、

答えの符号を決めただけです。

 

(-2)(-4 {\Large\frac{1}{2}} )(- {\Large\frac{1}{3}} )=- と書くことができます。

 

こうなると、

「答えを生み出している」と感じる気持ちは、

よりハッキリとしてくるようです。

 

もっと、

話しを進めて、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

連立方程式を解きます。

 

式を眺めて、

y を消すと決めます。

 

2 番目と、3 番目の式を足します。

y が消えて、

6x-z=34 です。

 

2 番目の式を、2 倍して、

1 番目の式を引きます。

 

計算すると、

3x-7z=4 です。

 

このような計算から、

次は、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}6x-z=34\\3x-7z=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解きます。

 

このように解いていきます。

 

式を眺めて、

y を消すと決めるとき、

「答えを生み出している」と、

かなりハッキリと感じているようです。

 

こちらが、

連立方程式を解く前の子に、

「何を消す?」、

「どのようにして?」と聞くことで、

「答えを生み出している」と、

ハッキリと感じさせるようにします。

 

「答えを生み出す」とは、

問題からではなくて、

答えから問題を見る逆算の見方です。

 

答えが先にあるとして、

この答えを生み出すために、

その前に、どのようにするのかと、

アレコレ考えることです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -267)、(+-  {\normalsize {α}} -170)、(分数  {\normalsize {α}} -083)

 

2020年10月31日(土)~11月06日(金)のダイジェスト。

20年10月31日(土)

 

割り切れるわり算 24÷4= も、

あまりのあるわり算 27÷4= も、

九九を利用すれば計算できます。

 

慣れるまで、

戸惑います。

 

 

20年11月01日(日)

 

計算の仕方を理解することと、

理解した計算に慣れることは、

区別すべきで、

慣れることは自助努力だと気付くのが育ちです。

 

 

20年11月02日(月)

 

分数のひき算で、

引けなくて止まっている子です。

 

「どうようにできたら、計算できる?」をガイドに、

「引かれる数を大きくできたら、引ける」と考えて、

子どもに教えます。

 

 

20年11月03日(火)

 

たし算 5+3= の計算の仕方を、

言葉で説明して理解させても、

こちらの計算の実況中継を、

同じようにまねさせても、

どちらでも、

子どもは計算できるようになります。

 

 

20年11月04日(水)

 

6+5= の数える計算の仕方の教え方を、

詳しく説明します。

 

言葉で説明する教え方と、

こちらの計算を実況中継で見せる教え方の

2 つです。

 

 

20年11月05日(木)

 

2けた×1けたの筆算のかけ算の計算の仕方を、

子どもの様子をリアルタイムで見ながら教えます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:\:2\end{array}  }}\\ と書く書き方や、

繰り上がり数 3 の指への取り方や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:272\end{array}  }}\\ と書く書き方を、

リアルタイムで見ながら教えます。

 

 

20年11月06日(金)

 

(-1)×(-1)=+1 の理由を

説明してからでも、

(-1)×(-1)=+1 自体を

正しいと受け入れてからでも、

正負の数のかけ算の計算を修得できます。

 

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明してからでも、(-1)×(-1)=+1 自体を正しいと受け入れてからでも、正負の数のかけ算の計算を修得できます。

(-1)×(-1)=+1 と計算します。

 

「-」と、

「-」を掛けて、

符号を、「+」にします。

 

そして、

1×1=1 のかけ算から、

+1 と計算しています。

 

このように計算できる理由を、

教えようとすれば、

工夫された物語が必要です。

 

困ったことに、

とても複雑な物語で、

マイナスに、マイナスを掛けると、

プラスになる理由を説明します。

 

その 1 つの物語を紹介します。

 

右向きに進むのをプラス(+)、

左向きに進むのをマイナス(-)とします。

 

1 秒後の未来を、+1 秒と、

1 秒前の過去を、-1 秒とします。

 

さて、

1 秒間に、1 ㎝の速さで、

左に進むとすれば、

速さは、-1 ㎝/秒と書けます。

 

1 秒前の過去:-1 秒に、

どこにいたのかを計算する式は、

(速さ)×(時間)=距離ですから、

(-1)×(-1) です。

 

左に、-1 ㎝/秒の速さで進むものが、

1 秒前の過去:-1 秒にいたところは、

右に、1 ㎝のところです。

 

右に、1 ㎝は、+1 ㎝です。

 

だから、

(-1)×(-1)=+1 と計算できます。

 

このような複雑な物語で、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明します。

 

さて、

このような物語を聞いて、

話しの流れを理解できる子であっても、

「なるほど」となるよりも、

「こじつけている」と感じるようです。

 

どうしても

わざとらしさを感じさせてしまいます。

 

だから、

少し根源的なことを考えます。

 

(-1)×(-1)=+1 と計算できる理由を、

説明して子どもを納得させても、

理由を説明しないで、

正しいことと受け入れさせても、

(-1)×(-1)=+1 を利用して、

(-2)×(-3)= を計算することは、

同じようにできます。

 

理由を聞いて納得していても、

正しいと受け入れていても、

どちらであっても、

(-1)×(-1)=+1 を利用できます。

 

つまり、

(-1)×(-1)=+1 を利用して計算することは、

(-1)×(-1)=+1 の理由を知っていることと無関係です。

 

もう一つの根源的なことは、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明する物語は、

左向きを、マイナスや、

過去の時間を、マイナスと決めています。

 

つまり、

このように決めたことを、

正しいことと受け入れさせています。

 

正しいことと受け入れさせている内容が、

左向きを、マイナスや、

過去の時間を、マイナスと決めたことであれば、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明する物語を、

生み出すことができます。

 

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れれば、

(-1)×(-1)=+1 を利用して、

(-2)×(-3)= のような計算をできます。

 

このような違いです。

 

何かを正しいことと受け入れていることは、

同じです。

 

さて、

とても面白いことですが、

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れさせると、

子どもは素直に受け入れてくれます。

 

そして、

(-2)×(-3)= のような計算の符号を、

+ に決めて、

2×3=6 のかけ算から、

(-2)×(-3)=+6 と計算してしまいます。

 

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れさせることから始めても、

正負の数のかけ算を修得できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -266)、(分数  {\normalsize {α}} -082)

 

2けた×1けたの筆算のかけ算の計算の仕方を、子どもの様子をリアルタイムで見ながら教えます。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \:\times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような筆算のかけ算を教えます。

 

九九の1つの段を、

6秒で言える子への

初めての筆算のかけ算です。

 

計算の仕方自体は、

以下のようです。

 

8 から、4 を見て、

8×4=32 と計算して、

2 を、8 の真下に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:\:2\end{array}  }}\\ のように書いて、

32 の 3 を、

繰り上がり数として覚えます。

 

次に、

8 から、3 を見て、

8×3=24 と計算して、

覚えている繰り上がり数 3 を足して、

24+3=27 として、

27 を、3 の真下に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:272\end{array}  }}\\ のように書きます。

 

このような計算の仕方を、教えて、

子どもが自分で計算できるようにします。

 

どうして、

このように計算できるのかの理由ではなくて、

このような計算の仕方自体を教えます。

 

教える目的は、

子どもが自分で計算できるようになることです。

 

教えながら、

子どもが計算できるようになり始めているのかを

リアルタイムで評価可能なのは、

こちらの計算を実況中継で見せる教え方です。

 

子どもに、

「理解できている?」と聞かなくても、

子どもの様子を

リアルタイムで見ていれば、

計算の仕方をどの程度理解できたのかを

評価できます。

 

以下は、

実況中継の例です。

 

8 と 4 を、この順に示しながら、

「8×4=32」、

8 の真下を示して、

「ここ、2」、

「指、3」と実況中継すれば、

見て聞いている子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:\:2\end{array}  }}\\ と書いて、

指を 3 本伸ばします。

 

「そう」と受けてから、

8 と 3 を、この順に示しながら、

「8×3=24」、

子どもが伸ばしている 3 本の指を触ってから、

「この 3 を足す」、

「24+3=27」、

8 の真下を示して、

「ここ、27」と実況中継すれば、

見て聞いている子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:272\end{array}  }}\\ のように書きます。

 

このような実況中継を、

子どもに見せれば、

こちらは、計算問題だけではなくて、

子どもの様子もリアルタイムで見ています。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:\:\:\:\:2\end{array}  }}\\ と書く書き方や、

繰り上がり数 3 の指への取り方や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \:272\end{array}  }}\\ と書く書き方を、

リアルタイムで見ています。

 

同じような実況中継を、

2 ~ 3 問、見せれば、

リアルタイムで見ている

子どもの答えの書き方や、

繰り上がり数を指に取る取り方が、

モタモタから、

スラスラに変わるのが分かります。

 

スラスラに変わったら、

こちらの実況中継をやめて、

「これ、計算して」で、

子どもに計算させます。

 

自分で計算し始めると、

答えの書き方や、

繰り上がり数を指に取る取り方が、

少しモタモタしますが、

それでも計算できれば、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \:\times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のようなかけ算の計算の仕方をつかんでいます。

 

計算できないときは、

できないところだけを、

こちらが代行して、

実況中継のように見せて教えます。

 

こうして、

子どもの様子をリアルタイムで見ながら、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \:\times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のようなかけ算を

計算できるように育てます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -265)、(×÷  {\normalsize {α}} -063)

 

6+5= の数える計算の仕方の教え方を、詳しく説明します。言葉で説明する教え方と、こちらの計算を実況中継で見せる教え方の 2 つです。

6+5= の数える計算の仕方を、

教えます。

 

6 を見て、

次の 7 から、

+5 の 5 回、

7、8、9、10、11 と数える計算です。

 

普通は、

言葉で、

計算の仕方自体を説明します。

 

「これは、たし算の記号ですから、

左の 6 に、右の 5 を足します」、

「この 6 の次は、7 です」、

「7 から数えて計算します」、

「この 5 の回数、数えます」、

「7、8、9、10、11 です」、

「最後の 11 が、

たし算 6+5= の答えです」、

「6+5=11 と書きます」のような説明です。

 

このように説明して、

1 回の説明で、

6+5= の計算の仕方を理解させようとします。

 

だから、

ユックリと丁寧な話し方をします。

 

聞いている子どもの反応を見ながら、

理解されているかどうかを気にして、

ユックリと丁寧に話します。

 

1 分くらいは、

掛かってしまいます。

 

説明する前に、

子どもの気持ちを引き付けようとして、

「たし算の計算の仕方を説明します」、

「とても簡単です」、

「分かりやすいように話しますから、

最後まで聞いてください」のようにすると、

説明の時間が長くなります。

 

また、

説明の間に、

「ここまでは、分かりますか?」、

「分かりにくいところは聞いてください」のようにすると、

説明の時間が長くなります。

 

そして、

説明を終えてから、

「分かりましたか?」、

「分からないところがありますか?」、

「そこは、もう一度説明しますから」のようにすると、

さらに説明の時間が長くなります。

 

あるいは、

子どもとの対話型にすると、

もっと説明の時間が長くなります。

 

6+5= の + を示して、

「これは、何の記号?」や、

「この記号の計算は、何?」のような対話型です。

 

さて、

このような説明を聞いている子どもは、

6+5= の計算の仕方を、

話しを聞くことで理解しようとしています。

 

そして、

6 を見て、

次の 7 から、

+5 の 5 回、

7、8、9、10、11 と数える計算の

全体を理解できたとき、

「分かった」となります。

 

このような教え方と違って、

普通ではなくて、

マイナーな教え方があります。

 

こちらの計算を、

実況中継で説明しながら見せる教え方です。

 

6+5= の 6 を示して、

「ろく」と声に出して読み、

5 を示してから、

「7、8、9、10、11」と声に出して数えて、

= の右を示して、

「じゅういち(11)」と実況中継する教え方です。

 

見て聞いていた子は、

6+5=11 と書きます。

 

こちらの計算を見せますから、

テキパキとした速さです。

 

ユックリと丁寧な実況中継を見せると、

全体の計算の仕方を、

見て聞いている子どもが、

捉えられなくなります。

 

1 問の実況中継は、

5 秒程度です。

 

5 秒あれば、

何を見て、

何をして、

6+5= を計算しているのかを、

実況中継できます。

 

そして、

1 回の実況中継を見せれば、

計算の仕方をつかんでいますが、

「えっ、何をしているの?」、

「どのようにしているの?」のようになるのが普通です。

 

だから、

「そうか!」、

「そうするのか!」と子どもがなるまで、

個人差に見合うだけの問題数を、

3 ~ 4 問や、

7 ~ 8 問と

実況中継を繰り返します。

 

1 問が、5 秒程度ですから、

8 問でも、40 秒程度です。

 

「そうか、こっちを読むのだ」や、

「なるほど、6 の次から数えるのだ」や、

「数える回数が、これだ」のように、

計算の一部分ずつ

「分かった」となるような理解です。

 

1 問目の 5 秒程度の後、

子どもが、

6+5=11 と書きますから、

実況中継を見て聞いているだけではなくて、

最初から参加しています。

 

なお、

こちらの計算を実況中継で見せるだけの教え方ですから、

言葉で説明していませんから、

子どもが使える力だけの計算にします。

 

6+5= の 6 を見ることができます。

「ろく」と読むことができます。

5 を見ることができます。

「7、8、9、10、11」と数えることができます。

= の右を見ることができます。

音:「じゅういち(11)」と聞いて、11 と書くことができます。

 

すべて、

子どものできることだけで計算しています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -264)、(+-  {\normalsize {α}} -168)