計算の仕方の勘違いを、間違えている答えを、消さずに残したまま計算し直す教え方で、計算の仕方を正します。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:203 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の筆算のかけ算を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ と、計算します。

 

間違えています。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ が、正しい計算です。

 

ですが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の計算から、

九九や、

繰り上がり数を足す力を、

正しく持っている子と、分かります。

 

4×3=12、

4×0=0、

4×2=8、

8+1=9 と、

下から上の組の九九を正しく計算して、

1 を足すたし算を正しく計算しています。

 

しかも、

やや難しい 4×0=0 を、

正しく計算しています。

 

子どもは九九を、

「しいちがし(4×1=4)」から覚えています。

 

「しゼロがゼロ(4×0=0)」は、

九九を覚えるとき、

出てきません。

 

だからでしょう。

4×0=4 と計算する子もいます。

 

0 を掛ける九九を、

4×0=4 とする子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline852\end{array}  }}\\ と計算します。

 

この子は、

4×0=0 と正しくできていますが、

0+1=1 と、

繰り上がり数 1 を足さない勘違いです。

 

繰り上がり数 1 を足す位置が、

一けた左にずれています。

 

一の位の九九で出た繰り上がり数 1 を、

十の位ではなくて、

百の位に足しています。

 

だから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ と計算しないで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ と計算しています。

 

ウッカリミスではなくて、

計算の仕方の勘違いです。

 

教えて、

間違いを正します。

 

この子が持っている九九と

繰り上がりを足す力を認める教え方です。

 

こちらの計算を実況中継で見せて、

子どもに気付かせますから、

間違えている答え 902 を、

消さないで残して、

計算し直します。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の 4 と 3 を示しながら、

「4×3=12」、

この子の答えの 2 を示して、

「2、合っている」、

「指、1」です。

 

繰り上がり数 1 を、

この子に見えるように、

指に取らせます。

 

続いて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の 4 と 0 を示しながら、

「4×0=0」、

この子が指に取った 1 を触って、

「1、足して、1」、

この子の答え 902 の 0 を示して、

「ここ、1」です。

 

見て、聞いていた子は、

「あっ、ここに足すのか!」のような感じで、

0 を消してから、

1 を書いて、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline912\end{array}  }}\\ と正します。

 

それから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline912\end{array}  }}\\ の 4 と 2 を示しながら、

「4×2=8」、

「指、ない」で、

繰り上がり数がないことを伝えて、

この子の答え 912 の 9 を示して、

「ここ、8」です。

 

見て、聞いていた子は、

こうなることを予期していたように、

9 を消してから、

8 を書いて、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ と正します。

 

正しい答えに書き終えたら、

教え終わります。

 

「分かった?」とか聞きたくなりますが、

子どもの主体性も育てていますから、

正しい答えになったら教え終えます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -343)、(×÷  {\normalsize {α}} -084)

 

「今」の自分が、「近未来」の自分に育つ時間の流れの真逆の向きに、「近未来」の自分が、「今」の自分を見ることができます。

算数や数学の計算を手伝うことで、

少し先の未来:「近未来」の自分を、

子どもに見せることができます。

 

目の前の「今」の子どもに、

「近未来」の自分を見せてしまいます。

 

「今」の自分から、

少し先の未来:「近未来」の自分を、

見る向きではありません。

 

「近未来」の自分から、

「今」の自分を見る向きです。

 

時間の流れは、

過去から、今を経て、未来の向きです。

 

この時間の流れと逆向きに、

「近未来」の自分から、

「今」の自分を見ます。

 

このような時間の流れの逆向きの見方を、

子どもに体験させることができます。

 

例えば、

たし算の指を取る練習を、

ひたすら繰り返している子です。

 

6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、

8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、

5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7= のような

たし算を、50問や100問計算します。

 

子どもは、

計算に慣れるに従って、

計算のスピードが速くなります。

 

過去から、今を経て、未来に向く

時間の流れに乗って、

子どもの計算のスピードが、

少しずつ速くなります。

 

昨日よりも今日、

今日よりも明日のような感じで、

計算のスピードが速くなります。

 

この子に、

こちらがリードして、

今よりもかなり速いスピードの計算を体験させます。

 

今よりもかなり速いスピードの計算ですから、

この子の「近未来」の自分です。

 

6+8= の 6 を示して、

「ろく」と早口で、声に出して読み、

8 を示してから、

7、8、9、10、11、12、13、14 と、

かなり速いスピードで指を折って計算します。

 

こちらのこのような実況中継を、

見て、聞いているこの子は、

「近未来」の自分の速いスピードの計算を体験します。

 

そして、

こちらが出した答え 14 を、

この子が、

6+8=14 と書くのは、

「今」の自分ですから、

「近未来」の自分の計算スピードから、

「今」の自分を見てしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -342)、(+-  {\normalsize {α}} -220)

 

6+9= を見たら、答え 15 を、自動的に浮かべる力をつかむたし算の練習を、子どもの内面を育てることと同時に行います。

算数や数学の計算は、

子どもが繰り返し練習して修得します。

 

繰り返し練習しなければ、

つかめないことがあるからです。

 

繰り返し練習することで、

つかめる力があります。

 

練習を繰り返す以外の方法で、

修得することのできない力です。

 

例えば、

6+9= を見たら、

答え 15 を、自動的に浮かべる力です。

 

この力があれば、

問題 6+9= を見るだけではなくて、

「ろく足すくは?」と、

口頭で聞かれても、

自動的に答え 15 が浮かびます。

 

この力のことを、

たし算の感覚ということもありますが、

たし算の練習を繰り返した結果、

子どもが自然につかむものです。

 

自動的に答えが浮かぶ感覚を持つために、

繰り返し練習しますから、

その練習は、指で数える計算です。

 

6+9= の 6 を見て、

その次の 7 から

7、8、9、10、11、12、13、14、15 と、

9 回、指で数える計算です。

 

指で数える計算の仕方を理解している子は、

計算できるのに、

まだ繰り返し練習することが、

とても退屈です。

 

「もう、分かっているのに。

計算できるのに。

まだ、やらなければならないの?」のような気持ちです。

 

このような子どもの気持ちに共感できますが、

練習する狙いは、

たし算の感覚をつかむことです。

 

そしてこちらは、

子どもが、

このような気持ちになると分かっていますから、

たし算の計算の仕方を教える前に、

「どのような子になってほしくないのか?」や、

「どのような子になってほしいのか?」を、

真剣に考えておきます。

 

指で数える計算の仕方を、

分かってしまって、

計算できるようになってから後、

自動的に答を浮かべる感覚を持つまでの練習は、

算数の力の問題ではないのです。

 

その子の内面の育ちの問題なのです。

 

例えば、

自分でやると決めたことは、

つまり、自分が自分とした約束は、

その約束を守って、

きちんとやってしまうとかのような

子どもの内面の育ちです。

 

指で数えるたし算の計算を

感覚をつかむまで練習できるために、

自分のできることをしてしまう主体性や、

「算数のたし算を練習する」と、

練習する前に決めてしまうような

少しだけ未来の自分をイメージすることや、

大事なことを先にしてしまう優先順位のような

子どもの内面の育ちが必要です。

 

ですから、

8+6= の 8 を見て、

その次の 9 から、

9、10、11、12、13、14 と、

6 回、指で数える計算の仕方を知ってから後は、

① 答えを自動的に浮かべる感覚をつかむことと、

② 内面を育てることの 2 つを、

こちらは意識して、

子どもをリードするようにします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -341)、(+-  {\normalsize {α}} -219)

 

間違えた計算は、訂正するプロセスで学びます。効果的な学びになる訂正の仕方を、実況中継を見せる教え方で、伝授します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 81 \\ +\: 35 \\ \hline126\end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 27 \\ \hline\:\:85\end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 11\\ \hline \:15\end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:27\end{array} }} \\ のような間違いを、

筆算のたし算や、ひき算を練習中の子は、

普通にします。

 

そして、

その間違いを正すことで、

「そうか!」と学びます。

 

だからこちらは、

間違いの原因が、

計算の仕方の勘違いであろうが、

ウッカリミスであろうが、

どちらにも通用する正し方を教えます。

 

自分の書いた答えと見比べながら、

もう一度計算し直す正し方です。

 

こうすれば、

ウッカリミスを正すことも、

計算の仕方の勘違いを正すことも、

同じ正し方で教えることができます。

 

4 つの計算間違いの

子どもが書いた答えと見比べながら、

計算をやり直す正し方を、

順に説明します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 81 \\ +\: 35 \\ \hline126\end{array} }} \\ は、

8 と 3 を隠して、

「1+5=6」、

子どもが書いている答え 6 を示して、

「合っている」です。

 

続いて、

8 と 3 を示して、

「8+3=11」、

子どもが書いている答え 12 を示して、

「11」と言ってから、

2 を示して、

「ここ、1」です。

 

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 81 \\ +\: 35 \\ \hline116\end{array} }} \\ と書き直します。

 

子どもの書いた答えと見比べながら、

計算し直しています。

だから、2 回目の計算です。

 

かなり速いスピードの計算を意識します。

 

計算のスピードを速くすると、

子どもの集中は自然に深くなります。

ほぼ自動的です。

 

つまり、

2 回目の計算し直しは、

計算のスピードを速めることで、

自ら緊張を高めて、

集中を深くすることを、

体験させることで教えています。

 

次の  {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 27 \\ \hline\:\:85\end{array} }} \\ は、

6 と 2 を隠して、

「8+7=15」、

子どもが書いている答え 5 を示して、

「合っている」、

「指、1」です。

 

繰り上がり数 1 を、

指に取らせて、

慎重な計算を意識させます。

 

速いスピードの計算と、

慎重な計算は同時に可能です。

 

どちらか一方ではありません。

両方とも可能です。

 

続いて、

6 と 2 を示して、

「6+2=8」、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 足して、9」、

子どもが書いている答え 8 を示して、

「9」と言ってから、

「ここ、9」です。

 

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 27 \\ \hline\:\:95\end{array} }} \\ と書き直します。

 

3 番目の誤答  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 11\\ \hline \:15\end{array} }} \\ は、

3 と 1 を隠して、

「6-1=5」、

子どもが書いている答え 5 を示して、

「合っている」です。

 

続いて、

3 と 1 を示して、

「3-1=2」、

子どもが書いている答え 1 を示して、

「2」と言ってから、

「ここ、2」です。

 

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 11\\ \hline \:25\end{array} }} \\ と書き直します。

 

4 番目の誤答  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:27\end{array} }} \\ は、

3 と 1 を隠して、

「2-5、引けない」、

「12-5=7」、

子どもが書いている答え 7 を示して、

「合っている」です。

 

続いて、

3 を示して、

「1 減って、2」、

「2-1=1」、

子どもが書いている答え 2 を示して、

「1」と言ってから、

「ここ、1」です。

 

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:17\end{array} }} \\ と書き直します。

 

自分が書いた答えと

見比べるように計算し直すプロセス自体を、

このような実況中継で、

子どもに見せます。

 

こうすると子どもは、

「こうやって、

計算し直して、

間違いを直せばいいのだ」と理解します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -340)、(+-  {\normalsize {α}} -218)

 

通分してから足す分数のたし算を、初めて習うとき、ひどく混乱するのが普通です。混乱したら、「起こることが起こった」のですから、抜け出るまで、抜け出る手助けだけをします。

通分してから足す分数のたし算の

計算の仕方を初めて習うとき、

ひどく混乱するのが普通です。

 

例えば、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}}= のような

通分してから足す分数のたし算です。

 

計算の流れを追います。

 

まず、

通分するために、

2 つの分母 : 8 と 4 だけを見ます。

 

 {\Large\frac{〇}{8}} {\Large\frac{〇}{4}}= のような「形」を見ています。

 

そして、

大きい方の 8 を、

小さい方の 4 で割ります。

 

8÷4=2 と割り切れますから、

共通分母は、8 です。

 

次に、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}}= を足すために、

分母を 8 にそろえます(通分)。

 

通分した結果は、

= の右に書きます。

 

まず、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}}= の左の  {\Large\frac{1}{8}} だけを見ます。

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{〇}{〇}}= のような「形」を見ています。

 

 {\Large\frac{1}{8}} の分母 8 は、

共通分母 8 ですから、

そのまま、= の右に書きます。

 

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}}+ と、

+ まで書きます。

 

続いて、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}}+ の右の  {\Large\frac{1}{4}} だけを見ます。

 {\Large\frac{〇}{〇}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{〇}{〇}}+ のような「形」を見ています。

 

 {\Large\frac{1}{4}} の分母 4 を、

共通分母 8 にするのですから、

2 を掛けます。

 

この計算は、

分母と分子に、2 を掛ける倍分です。

 

計算すると、

分子 1 は、

1×2=2 に変わります。

 

分母は、8 ですから、

 {\Large\frac{1}{4}} が、 {\Large\frac{2}{8}} です。

 

これを、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}}+ の + の右に書けば、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= と通分できます。

 

分母が、8 にそろったら、

分子同士を足します。

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{〇}} {\Large\frac{2}{〇}}= のような「形」を見ています。

 

足すと、

1+2=3 ですから、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{3}{8}} と計算できます。

 

このような計算の流れです。

 

最初に、

 {\Large\frac{〇}{8}} {\Large\frac{〇}{4}}= のような「形」を見ます。

 

次に、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{〇}{〇}}= のような「形」を見ます。

 

それから、

 {\Large\frac{〇}{〇}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{〇}{〇}}+ のような「形」を見ます。

 

最後に、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{〇}} {\Large\frac{2}{〇}}= のような「形」を見ます。

 

計算で見ている「形」が、

このように移り変わりますから、

初めて習うとき、

とてもひどく混乱するのが普通です。

 

ですから、

子どもが混乱したら、

「起こることが起こった」とおおらかに捉えて、

子どもが、

混乱から抜け出る手助けを、

混乱から抜け出るまで続けます。

 

ひどい混乱をするのは、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= と書く計算だと、

経験的に分かっています。

 

ですから、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}}+ と、

 {\Large\frac{1}{8}} を書き移す計算を、

 {\Large\frac{1}{4}} を、子どもの指で隠させてから、

書き移させます。

 

また、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= と、

 {\Large\frac{1}{4}} を、 {\Large\frac{2}{8}} に変える計算を、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{8}}+ の最初の  {\Large\frac{1}{8}} を、

子どもの指で隠させてから、

計算させるようにします。

 

こうするだけで、

子どもが混乱から抜け出る手助けになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -339)、(分数  {\normalsize {α}} -119)

 

さまざまな計算の奥に、子どもは、何らかの「形」を見ています。すると、計算以外の生活や人生の奥にも、何らかの「形」を見るような子もいます。

三角形や、四角形や、円の図形。

  {\Huge {△}}     {\Huge {□}}    {\Huge {〇}}

 

このような図形を見るように、

算数や数学の計算の奥に、

子どもは、

ボンヤリと何かの「形」を見ています。

 

暗算の計算に慣れた子は、

たし算 7+8=15 や、

ひき算 13-4=9 や、

かけ算 2×6=12 や、

わり算 32÷4=8 の計算の奥に、

数字が消えた計算の「形」、

たし算 〇+〇=〇 や、

ひき算 〇-〇=〇 や、

かけ算 〇×〇=〇 や、

わり算 〇÷〇=〇 を見ています。

 

正確には、

頭の中に、

たし算 〇+〇=〇 のような

数字が、〇 になった「形」ではなくて、

7+8=15 の 7 と 8 と 15 が

消えて見えていない

何かの「形」を見ています。

 

筆算のたし算に慣れた子は、

筆算のたし算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 345 \\ +\: 987 \\ \hline \end{array} }} \\ の奥に、

数字が消えて見えない

何かの「形」  {\normalsize { \begin{array}{rr}〇〇〇\\ +\:〇〇〇\\ \hline \end{array} }} \\ を見ています。

 

同じように、

筆算のひき算 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 52 \\ - 38 \\ \hline \end{array} }} \\ の奥に、

数字が消えて見えない

何かの「形」 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:〇〇\\ -〇〇\\ \hline \end{array} }} \\ を見ています。

 

筆算のかけ算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \:\times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ の奥に、

数字が消えて見えない

何かの「形」  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  〇〇\\ \:\times  \:\:\:\: 〇 \\ \hline \end{array}  }}\\ を見ています。

 

もちろん正確には、

〇 で書かれた「形」  {\normalsize { \begin{array}{rr}〇〇〇\\ +\:〇〇〇\\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:〇〇\\ -〇〇\\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  〇〇\\ \:\times  \:\:\:\: 〇 \\ \hline \end{array}  }}\\ ではなくて、

数字が消えて見えていない

何かの筆算のような「形」です。

 

四則混合 13÷(2- {\Large\frac{1}{7}} )= や、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} )× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{11}{12}}= の奥に、

数字が消えて見えない

何かの「形」 〇 ÷( 〇-〇 )= や、

( 〇-〇 )× 〇+〇= のように、

式全体を見ています。

 

計算する前に、

計算順を決めさせるようにすると、

子どもは自然に、

〇 で書かれた「形」 〇 ÷( 〇-〇 )= や、

( 〇-〇 )× 〇+〇= ではなくて、

数字が消えて見えていない

何かの数式のような「形」を見るようになります。

 

連立方程式の解き方で、

「何を消すの?」と、

「どうするの?」が、

子どもの内面の習慣になったとき、

子どもは、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} の奥に、

文字や一部分の数字が消えて見えない

何かの「形」 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7〇+2〇=〇\\5〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見ています。

 

もちろん正確には、

〇 で書かれた「形」 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7〇+2〇=〇\\5〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} ではなくて、

文字や一部分の数字が消えて見えていない

何かの連立方程式のような「形」です。

 

 {4x^{2}y^{2} -y^{2}}=因数分解の奥に、

式を  {4x^{2}〇-〇}= のように見ることで、

公式 :  {〇^{2} -□^{2}}=(〇+□)(〇-□)

隠れていることを見ています。

 

このように、

算数や数学のさまざまな計算の奥に、

何かの「形」を見るようになった子は、

計算以外の別の対象の奥にも、

何らかの「形」を見るようになるようです。

 

計算に限らずに、

広くさまざまな対象の奥に、

見える何らかの「形」は、

見えるものの個人差が、

やはりとても大きいようです。

 

生活や人生の奥に、

見える何らかの「形」が、

ある子には、

いわゆる3幕構成の物語になっています。

 

「始め」、

「中」、

「終わり」の3幕構成です。

 

このような3幕構成の流れが、

何らかの「形」に見えるようです。

 

例えば、

朝起きて(「始め」)、

暮らして(「中」)、

夜寝ます(「終わり」)。

 

掛かってきた電話に出て(「始め」)、

話してから(「中」)、

電話を切ります(「終わり」)。

 

さらに、ある子には、

生まれて(「始め」)、

生きて(「中」)、

死にます(「終わり」)のような3幕構成を、

何らかの「形」と見るようです。

 

こういう子は、

自分の人生物語を意識し始めるでしょう。

 

(基本  {\normalsize {α}} -338)、(+-  {\normalsize {α}} -217)、

(×÷  {\normalsize {α}} -083)、(分数  {\normalsize {α}} -118)

 

連立方程式を解く前に、「何を消すの?」と、「どうするの?」と自問する習慣を子どもが持ったとき、「形」を見ています。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式を、

子どもが解く前に、

「何を消すの?」と、

「どうするの?」と聞きます。

 

子どもは、

ジッと連立方程式を見てから、

「 y を消す」、

「上から下を引く」と答えてくれます。

 

子どもに、

このように決めさせてから、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解かせます。

 

すると、

上 7x+2y=12 から、

下 5x+2y=8 を引いて、

2x=4 です。

 

これから、

x=2 と求まります。

 

これを、

下 5x+2y=8 に代入すると、

5×2+2y=8 、

10+2y=8 、

2y=8-10=-2 ですから、

y=-1 と求まります。

 

このような解き方の習慣を持ってほしくて、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解く前に、

「何を消すの?」と、

「どうするの?」を、

繰り返し聞きます。

 

こうすれば、

子どもは自然に、

「何を消すの?」と、

「どうするの?」を自ら問う習慣を持ちます。

 

そして、

「何を消すの?」と、

「どうするの?」が、

子どもの内面の習慣になったとき、

子どもは、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7〇+2〇=〇\\5〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のように見ています。

 

x と、y が消えて、

= の右の数字も消えて、

x と、y に付いている 4 つの数(係数)だけを、

連立方程式の「形」として見ています。

 

とても奇妙な式ですが、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7〇+2〇=〇\\5〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見ています。

 

このような見方が、

連立方程式を消去法で解くときの

「形」の見方です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -337)、(分数  {\normalsize {α}} -117)