整数から分数を引きます。定着しにくい計算です。子どもから、計算の仕方を聞かれたら、計算だけをズバリ教えます。

分数のひき算を計算しています。

整数から分数を引く計算です。

 

1- {\Large\frac{3}{5}}= や、

4- {\Large\frac{2}{7}}= や、

6-3 {\Large\frac{2}{3}}= です。

 

計算の仕方を、

子どもから聞かれて、

教えます。

 

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 の真下の余白に、

いきなり無言で、

 {\Large\frac{5}{5}} と書きます。

 

無言で、

 {\Large\frac{5}{5}} と書くだけの教え方です。

 

やや風変りな教え方です。

 

普通は、

次のような感じです。

 

「このままでは、引けません」、

「引けるようにします」、

「この 1 を、分数に変えます」・・のように、

言葉で教えます。

 

それから、

 {\Large\frac{3}{5}} を引きますから、

1 を、 {\Large\frac{5}{5}} の分数の形に変えます」・・と続けます。

 

丁寧な教え方ですが、

実は、

このように教えられると、

子どもは困るようです。

 

言葉の説明を聞きながら、

本当に必要なことだけを、

選び出さなければならないからです。

 

この子が知りたいのは、

1- {\Large\frac{3}{5}}= の計算の仕方です。

 

手短に、

いきなり大事なことだけを、

ズバリ聞きたいのです。

 

ですから、

言葉の説明を抜いて、

こちらが、

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 の真下の余白に、

 {\Large\frac{5}{5}} と書いて、

最初の計算を代行します。

 

これは、

子ども同士で、

教え合うときの教え方になっています。

 

子どもが、

子どもに計算の仕方を教えるとき、

無言で、

 {\Large\frac{5}{5}} と書くだけです。

 

少し丁寧に教える子でも、

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 を示して、

「これ」と言って、

 {\Large\frac{5}{5}} を、無言で書きます。

 

教えた方は、

「分かった?」と聞きません。

 

子ども同士です。

互いのレベルをよく知っています。

 

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 が、

 {\Large\frac{5}{5}} と分かれば、

続きを計算できるからです。

 

教えられた方は、

「分かった」と言いません。

 

続きを、

計算できるからです。

 

さて、

話しを戻します。

 

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 の真下の余白に、

 {\Large\frac{5}{5}} と、無言で書くだけで、

「あっ、そうだった」、

「1 は、 {\Large\frac{5}{5}} の分数にできた」と、

ほとんどの子は、

心の中で納得します。

 

そして、

1- {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}} と計算します。

 

計算することで、

整数から分数を引くときの

計算の仕方を学びます。

 

でも、

中には、

「なぜ?」と聞く子もいます。

 

計算することに、

焦点を絞れていない子です。

 

計算問題を計算する目的は、

計算しなければ学べないことを、

計算することで、

学ぶことです。

 

だから、

「なぜ?」と聞く子の焦点を、

計算することに絞らせるために、

計算をリードします。

 

1- {\Large\frac{3}{5}}= の 1 の真下の余白に、

 {\Large\frac{5}{5}} と書いたときの「なぜ?」ですから、

「5÷5?」と、

子どもに聞き返します。

 

子どもの質問、

「なぜ?」の答えにならないことを承知で、

「5÷5?」と聞き返します。

 

「なぜ?」の答えにつながる計算を、

子どもにぶつければ、

子どもは計算に焦点を絞ります。

 

すると、

子どもは素直ですから、

「1」と答えてくれます。

 

「そう」と受けて、

「この逆!」と言い切ることで、

1 を、 {\Large\frac{5}{5}} に書き換えた根拠を説明します。

 

5÷5= は、

 {\Large\frac{5}{5}} を、1 とする計算です。

 

この逆ですから、

1 が、 {\Large\frac{5}{5}} です。

 

これでもまだ、

子どもの質問、

「なぜ?」に答えていないのですが、

計算に焦点を移した子は、

1- {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}} と計算できます。

 

このように計算することで、

子どもは、

自分の質問 : 「なぜ?」の答えが分かります。

 

1 を、 {\Large\frac{5}{5}} に書き換えることで、

引けるようにしたのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -424)、(分数  {\normalsize {α}} -164)

 

たし算やひき算の計算の答えや、約分の約数や、分数のたし算の共通分母を出す感覚は、持った後、ずっと使うことができます。そして、応用することもできます。

7+8= を見たら、答え 15 を出す感覚、

11-4= を見たら、答え 7 を出す感覚、

7×4= を見たら、答え 28 を出す感覚、

18÷2= を見たら、答え 9 を出す感覚、

これらの感覚を、持ったら、

その後は、ずっと、

使うことができます。

 

母国語の会話能力や、

二足歩行と似ています。

生涯、使うことができます。

 

でも、

母国語の力や、二足歩行は、

努力して、できるようになったと

感じていない能力です。

 

乳幼児期に、

ひたすら努力を続けたからなのですが、

思い出すことのない記憶です。

 

だから、

自転車に乗ることを、

イメージした方が理解しやすいかもしれません。

 

自転車に乗れるようになるまで、

かなりの練習をしています。

 

そして、

乗れるようになったら、

その後は、ずっと乗ることができます。

 

しばらく乗っていないから、

自転車の乗り方を忘れた・・とは、

ならないのです。

 

さて、

 {\Large\frac{36}{48}}= を見たら、約数 12 が出る感覚、

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= を見たら、共通分母 48 が出る感覚、

これらも感覚です。

 

約分や、

分数のたし算を、

ウンザリするほど繰り返して練習すれば、

感覚を持つことができます。

 

そして、

感覚を持った後は、

ずっと使うことができます。

 

算数や数学の計算の感覚を、

持つまで練習して、

そして、持ってしまえば、

大げさな言い方ですが、

生涯、使うことができます。

 

このような分数のたし算の

共通分母を出す感覚を持っている子です。

 

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= を見たら、

共通分母 48 が出る感覚ですから、

12 と、16 の 2 つの分母の

共通分母です。

 

この感覚を利用すれば、

3 つの分数のたし算の共通分母を、

出すことができます。

 

例えば、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= のような

3 つの分数のたし算です。

 

共通分母が出る感覚を、

2 回、使います。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の一部分、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} の 2 つの分母、

2 と、3 を見れば、

共通分母 6 が、出ます。

 

感覚です。

 

続いて、

この共通分母 6 と、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の  {\Large\frac{1}{7}} の分母、7 から、

共通分母 42が、出ます。

 

ここも、感覚です。

 

共通分母を出す感覚を、

2 回使うだけのことですが、

ピンとこない子がいます。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の一部分、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} の共通分母は、

6 ですから、

分母だけを計算する不自然な計算で、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{①}{6}} {\Large\frac{②}{6}} {\Large\frac{③}{6}} と計算できます。

 

これで、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{③}{6}} {\Large\frac{1}{7}}= と変わります。

 

このたし算の 2 つの分母、

6 と、7 を見れば、

共通分母が出る感覚から、

共通分母 42 が出ます。

 

このように、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の一部分、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} を計算すると、

 {\Large\frac{〇}{6}} に変わることを想像できないようです。

 

ピンとこない子には、

こちらの計算の実況中継を見せます。

 

見せるだけですが、

「あぁ、そういうことか」、

「2 回だ・・」となりやすい教え方です。

 

以下は、

実況中継の例です。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の 2 と、3 を示しながら、

「この 2 と、この 3 から、下 6」です。

 

そして、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= の 2 と、3 のやや下の余白に、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{7}}= と書きます。

  6

 

この 6 と、7 を示しながら、

「この 6 と、この 7 から、下 42」です。

 

このような実況中継を見せるリードを、

この子が、

「なんだ」、

「2 回、すればいいのか・・」となるまで、

繰り返します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -423)、(+-  {\normalsize {α}} -263)、

(×÷  {\normalsize {α}} -095)、(分数  {\normalsize {α}} -163)

 

8+6= を見たら、答え 14 が出る感覚を持つプロセスに類似させれば、2 つの分母、12 と 16 の共通分母 48 が出る感覚を持つことができます。この感覚を持つと、分数のたし算の計算が楽になります。

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{3}{10}}= や、

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= の分数のたし算は、

分母(下)をそろえてから、

足します。

 

そろえる分母が、

共通分母です。

 

このような分数のたし算を計算する子は、

① 共通分母を出してから、

② 同じ分母(共通分母)にそろえて、

③ その後で、足します。

 

この流れで、

分数のたし算を計算しますから、

共通分母の出し方から教えます。

 

この計算(共通分母の出し方)の

アナロジー(類推)の元は、

実は、

8+6= のようなたし算です。

 

このたし算は、

8 の次の 9 から、

+6 の 6 回、

9、10、11、12、13、14 と数えて、

答え 14 を出します。

 

この計算は、

数字を読むことができて、

順に数えることができれば、

自力でできます。

 

数字を読めて、

数えることができる子は、

8+6=14 と計算できます。

 

計算できようになっても、

数えて答えを出すたし算を、

練習し続けます。

 

そうすると、

8+6= を見たら、

数えていないのに、

答え 14 が出るようになります。

 

たし算の答えを出す感覚が、

子どもに入ったからです。

 

このたし算の育ちの流れと

同じようなことを、

分数のたし算の

共通分母の出し方で行います。

 

たし算を数える計算のように、

子どもが自力でできる計算を教えて、

繰り返し練習を続ければ、

2 つの分母(下)を見たら、

共通分母が出る感覚を持つことが、

期待できる計算の仕方です。

 

さまざまな計算があるようですが、

子どもが、すぐにまねし易い方法を、

以下に紹介します。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{3}{10}}= の 2 つの分母、

4 と、10 を見て、

大きい方の 10 を、

小さい方の 4 で割り、

割り切れませんから、

大きい方の 2 倍の 20 を、

小さい方の 4 で割り、

割り切れますから、

20 が、共通分母とする計算です。

 

このような計算の仕方を、

子どもに教える一つの例です。

 

言葉で説明すると、

長くなりますから、

こちらの計算の実況中継を見せて、

子どもを計算に参加させる教え方です。

 

子どもは、計算の仕方を、

自分でつかむしかありませんから、

真剣になって、

心の中で、同じように計算しながら、

実況中継を見ます。

 

そして、

「あぁ、そうするのか!」と、

自分でつかんだ計算の仕方は、

愛着があるようです。

 

子どもは、

キチンと使います。

 

以下は、

実況中継の一例です。

 

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= の 2 つの分母、

16 と、12 をこの順に示しながら、

「16÷12、割り切れない」、

「16 を、2 倍して、32」、

「32÷12、割り切れない」、

「16 を、3 倍して、48」、

「48÷12、割り切れる」、

「下(共通分母)、48」です。

 

もちろん、

この 1 問の実況中継で、

共通分母の計算の仕方を、

つかめないでしょう。

 

個人差がありますから、

子どもが、

「分かった」、

「もう、できる」のようになるまで、

3~4 問や、5~6 問、

同じような実況中継を見せます。

 

共通分母を自力で計算できるようになってから、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{15}}= や、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= や、

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{1}{14}}= のような分数のたし算を、

20~30 問、練習すれば、

1~2 週間で、

計算に慣れて、

半ば習慣のように、

共通分母を出せるようになります。

 

それでも、

たし算の計算問題の練習を続ければ、

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{1}{14}}= の共通分母 84 のような

難しい問題を除いて、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{15}}= を見たら、30 が、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= を見たら、12 が、

共通分母として出るようになります。

 

2 つの分母、

6 と、15 を見たら、

見ただけで、

共通分母 30 が出る感覚です。

 

このような共通分母が出る感覚を、

子どもが持ったとき、

分数のたし算の計算が、

とても楽になります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -422)、(分数  {\normalsize {α}} -162)

 

たし算・ひき算・かけ算(九九)・わり算の答えが、自動的に出る感覚があります。これだけではなくて、分数の約分の約数や、たし算の共通分母が、自動的に出る感覚もあります。

算数や数学の計算で、

問題を見たら、

答えのような何かが、

自動的に浮かぶ感覚があります。

 

7+8= を見たら、

答え 15 が浮かぶのは、

たし算の感覚の働きです。

 

7+8= を見るだけです。

それで、答え 15 が出ます。

 

このたし算の感覚を持つために、

たし算を繰り返し練習します。

 

例えば、

6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

このようなたし算 100 問を、

5 分以下で計算する練習です。

 

計算の仕方は、

6+8= の 6 の次の 7 から、

+8 の 8 回、

7、8、9、10、11、12、13、14 と数えます。

 

毎日、

たし算 100 問を、

5 分以下で計算する練習を続ければ、

個人差が大きいのですが、

数カ月で、

たし算の感覚が入るでしょう。

 

 

11-4= を見たら、

答え 7 が浮かぶのは、

ひき算の感覚です。

 

11-4= を見るだけです。

それで、答え 7 が出ます。

 

このひき算の感覚を持つために、

ひき算を繰り返し練習します。

 

7-4=、11-3=、16-9=、12-7=、

13-5=、14-6=、8-3=、11-8=、

15-8=、14-5=、

このようなひき算 100 問を、

5 分以下で計算する練習です。

 

計算の仕方は、

7-4= の 4 に何かを足して、

7 にする何かを探します。

4 に、3 を足せば、7 です。

 

毎日、

ひき算 100 問を、

5 分以下で計算する練習を続ければ、

個人差が大きいのですが、

1~2 カ月で、

ひき算の感覚が入るでしょう。

 

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  64 \\ \:\times  \:\:\: 7 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 7 と 4 を見たら、

答え 28 が、

7 と 6 を見たら、

答え 42 が浮かぶのは、

かけ算(九九)の感覚です。

 

このかけ算(九九)の感覚を持つために、

かけ算(九九)を繰り返し練習します。

 

九九の 1 つの段を、

6 秒以下で言えるようになれば、

とてもおかしな話しですが、

九九の音が消えて、

九九(かけ算)の感覚が入ります。

 

 

18÷2= を見たら、

答え 9 が浮かぶのは、

わり算の感覚です。

 

18÷2= を見るだけです。

それで、答え 9 が出ます。

 

このわり算の感覚を持つために、

わり算を繰り返し練習します。

 

18÷2=、21÷3=、25÷5=、24÷6=、

32÷8=、35÷7=、36÷4=、15÷3=、

14÷2=、28÷4=、72÷9=、30÷5=、

このようなわり算 100 問を、

5 分以下で計算する練習です。

 

計算の仕方は、

18÷2= の 18 を見たまま、

2 の段の九九を、

下から(にいちがに)唱えて、

九九の答えが 18 になる 2×9=18 の

9 です。

 

毎日、

わり算 100 問を、

5 分以下で計算する練習を続ければ、

個人差が大きいのですが、

1 カ月もかからないで、

わり算の感覚が入るでしょう。

 

 

さらに、

分数の約分の約数が浮かぶ感覚や、

分数のたし算の共通分母が浮かぶ感覚もあります。

 

 {\Large\frac{36}{48}}= を見たら、約数 12 が、

 {\Large\frac{36}{54}}= を見たら、約数 18 が、

 {\Large\frac{42}{56}}= を見たら、約数 14 が、

自動的に浮かぶのが、約分の感覚です。

 

 {\Large\frac{36}{48}}= を、

約分した答え  {\Large\frac{3}{4}} を出す感覚ではありません。

 

約数 12 が、

 {\Large\frac{36}{48}}= を見たら浮かびますから、

分子 36 を、12 で割り、3 を、

分母 48 を、12 で割り、4 を計算して、

 {\Large\frac{3}{4}} と約分できます。

 

あるいは、

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= を見たら、

共通分母 48 が浮かぶのが、

共通分母の感覚です。

 

分数の約分の約数が浮かぶ感覚や、

たし算の共通分母が浮かぶ感覚は、

分数の約分や、

分数のたし算を、

短期間練習しさえすれば、

子どもに入ります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -421)、(+-  {\normalsize {α}} -262)、

(×÷  {\normalsize {α}} -094)、(分数  {\normalsize {α}} -161)

 

30×47= を、このまま計算させたら、答え 12210 とする子です。1410 と正しく計算できるように育てます。

30×47= を、

筆算にしないで、

このまま計算させます。

 

そうしたら、

30×47=12210 と計算した子です。

 

答え 12210 は、間違えています。

でも、

ほぼ正しくできています。

 

計算の組と、

計算順は、

正しくできています。

 

さて、

30×47= の計算は、

次のように行います。

 

① 30 の 0 を、

30×47=   0 と、離して書きます。

 

② 30 の 3 と、

47 の 7 を、

3×7=21 と掛けて、

21 の 1 を、

すでに書いている 0 の左に、

30×47=  10 と書いて、

21 の 2 は、繰り上がり数で覚えます。

 

③ 30 の 3 と、

47 の 4 を、

3×4=12 と掛けて、

覚えている繰り上がり数 2 を、

12+2=14 と足して、

すでに書いている 10 の左に、

30×47=1410 と書きます。

 

この計算から見て、

この子の計算、

30×47=12210 の

できている部分をハッキリとさせます。

 

最初に、0 を書くこと、

(30×47=   0)、

次に、3 と 7 を掛けること、

その答えを、0 の左に書くこと、

(30×47=  210)、

最後に、3 と 4 を掛けること、

その答えを、さらに左に書くこと、

(30×47=12210)が、

この子の計算です。

 

正しい計算と比べて、

できている部分が、

ほとんどすべてです。

 

この子は、

ほぼ正しく計算できています。

 

3×7=21 の 2 を、

繰り上がり数として覚えることと、

3×4=12 に足して、

12+2=14 とすることだけを、

この子に教えれば、

間違えた答えを出す計算:

30×47=12210 が正されて、

30×47=1410 になります。

 

そうですが、

これを言葉で教えようとすると、

間違えている部分だけを正すことに、

集中させることが難しいため

子どもを混乱させる危険があります。

 

そして、

混乱することで、

今できていることが、

できなくなってしまう恐れがあります。

 

言葉で教えると、

集中して聞いてほしい部分に、

子どもを集中させることが、

とても難しくなります。

 

この難点を解消し易いのが、

こちらが、

子どもの代行で、

計算し直してしまい、

その実況中継を見せる教え方です。

 

こうすると、

子どもは、

繰り上がりの計算のミスに気が付いて、

自力で計算の仕方を修正します。

 

以下は、

計算し直す実況中継の一例です。

 

まず、

30×47=12210 の

30 の 0 を示して、

「これ」と言ってから、

書いてある答え 12210 の 0 を示して、

「ここ、合っている」です。

 

次に、

30×47=12210 の

30 の 3 と、47 の 7 を順に示しながら、

「3×7=21」と言ってから、

書いてある答え 12210 の

右の 1 を示して、

「ここ、合っている」、

「指、2」と言ってから、

書いてある答え 12210 の

右の 2 を示して、

「書かない」です。

 

これで、

30×47=12210 の 2 が、

1 つ消えて、

30×47=1210 となります。

 

そして、

30×47=1210 の

30 の 3 と、47 の 4 を順に示しながら、

「3×4=12」と言ってから、

子どもが指に取った 2 を触って、

「2 を足して、14」と言ってから、

書いてある答え 1210 の

2 を示して、

「これ、4」です。

 

これで、

30×47=1210 が、

30×47=1410 と正されます。

 

文字で書くと、

このように長くなりますが、

計算し直す実況中継を見せるだけですから、

子どもが、

2 を消すことや、

2 を、4 に書き直すことを入れても、

時間にして、

20 秒くらいです。

 

20秒で計算し直す実況中継の中で、

ほとんどすべてが、

「合っている」ですから、

2 を消すことと、

4 を、2 に書き換えることが、

子どもの心に鮮明に残ります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -420)、(×÷  {\normalsize {α}} -093)

 

子どもが自ら計算して答えを出すことでしか学べないことがあります。子どもは計算することで、それを学びます。たし算とわり算で詳しく説明します。

計算する子どもは、

計算することで学べることを学びます。

 

とても不思議に思われるでしょうが、

子どもが計算しなければ、

学べないことがあります。

 

計算することで、

初めて学べることです。

 

これが、

計算して答えを出す「出す学び」で、

子どもが学ぶことです。

 

子どもが自ら

計算して答えを出すことでしか学べないことを、

子どもは計算することで学びます。

 

例えば、

暗算のたし算です。

 

6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、

8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、

5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7=。

このようなたし算です。

 

初めのうちは、

指で数えて答えを出す計算です。

 

6+8= でしたら、

6 の次の 7 から、

+8 の 8回、

7、8、9、10、11、12、13、14 と数えて、

答え 14 を出す計算です。

 

この計算を、

子どもが自力でできるようになるには、

子どもが、

子ども自身をコントロールしなければなりません。

 

6+8= の 6 を見ることも、

6 の次の 7 を出すことも、

+8 の 8 を見ることも、

8 回数えると決めることも、

7、8、9、10、11、12、13、14 と数えることも、

子どもが、

自分をコントロールできれば、

自力で計算できます。

 

6+8= のようなたし算を、

指で数えて計算するように、

自分をコントロールすること自体は、

子どもが、見よう見まねで、

6+8= を計算することで、

初めて学ぶことができます。

 

だから、

たし算の答えを出す「出す学び」です。

 

たし算を計算して、

答えを出したから、

子どもは、

自分のコントロールの仕方を学びます。

 

でも、

どうにか自力で計算できるレベルです。

 

自分のコントロールの仕方が、

ギクシャクとしています。

 

それでも、

自力で計算できるのですから、

計算し続けます。

 

4+6= の 4 を見て、

その次の 5 から、

+6 の 6 回、

5、6、7、8、9、10 と数えて、

答え 10 を出します。

 

9+5= の 9 を見て、

その次の 10 から、

+5 の 5 回、

10、11、12、13、14 と数えて、

答え 14 を出します。

 

計算し続けることで、

数えるたし算をスラスラと

計算できるようになります。

 

自分のコントロールの仕方が、

半ば習慣のようにスムースになります。

 

計算し続ける「出す学び」で、

子どもが学び続けたからです。

 

このように、

たし算をスラスラと計算できるようになれば、

たし算の計算の仕方を修得できたのですから、

普通でしたら、

たし算の練習を終えます。

 

でも、

それでも、まだまだ、

たし算の練習を続けます。

 

数えて計算するたし算を、

練習し続けた先に、

まったく違う

たし算の計算の仕方を修得できるからです。

 

それが、

7+5= や、8+8= を見ただけで、

答 12 や、16 が出てしまう計算です。

 

これを計算というのかどうかですが、

7+5= や、8+8= を見たら、

答 12 や、16 が出るのですから、

やはり計算でしょう。

 

ある種の感覚なのでしょうが、

たし算の計算の仕方です。

 

たし算の問題を見たら答えが出る計算は、

計算し続けたから修得できています。

 

「出す学び」で学べた計算です。

 

同じようなことが、

わり算でも起こります。

 

18÷2=、21÷3=、25÷5=、24÷6=、

32÷8=、35÷7=、36÷4=、15÷3=、

14÷2=、28÷4=、72÷9=、30÷5=、

9÷3=、16÷4=、12÷3=、18÷6=、

21÷7=、20÷5=、24÷8=、27÷9=。

このようなわり算です。

 

初めのうちは、

九九を下から唱えて答えを出す計算です。

 

18÷2= でしたら、

18 を見たまま、

÷2 から、

2 の段を下から唱えて、

九九の答えが、18 になる

にくじゅうはち(2×9=18)から、

答え 9 を出す計算です。

 

この計算を、

子どもが自力でできるようになるには、

子どもが、

子ども自身をコントロールしなければなりません。

 

18÷2= の 18 を見続けることも、

÷2 を見ることも、

2 の段を下から唱えることも、

九九の答えが 18 になるまで唱えることも、

2×9=18 の 9 を答えとすることも、

子どもが、

自分をコントロールできれば、

自力で計算できます。

 

18÷2= のようなわり算を、

2 の段の九九を下から唱えて計算するように、

自分をコントロールすること自体は、

子どもが、見よう見まねで、

18÷2= を計算することで、

初めて学ぶことができます。

 

だから、

わり算の答えを出す「出す学び」です。

 

わり算を計算して、

答えを出したから、

子どもは、

自分のコントロールの仕方を学びます。

 

でも、

どうにか自力で計算できるレベルです。

 

自分のコントロールの仕方が、

ギクシャクとしています。

 

それでも、

自力で計算できるのですから、

計算し続けます。

 

21÷3= の 21 を見たまま、

÷3 の 3 の段を下から唱えて、

3×7=21 から、

答え 7 を出します。

 

25÷5= の 25 を見たまま、

÷5 の 5 の段を下から唱えて、

5×5=25 から、

答え 5 を出します。

 

計算し続けることで、

九九を下から唱えるわり算をスラスラと

計算できるようになります。

 

自分のコントロールの仕方が、

半ば習慣のようにスムースになります。

 

計算し続ける「出す学び」で、

子どもが学び続けたからです。

 

このように、

わり算をスラスラと計算できるようになれば、

わり算の計算の仕方を修得できたのですから、

普通でしたら、

わり算の練習を終えます。

 

でも、

それでも、まだまだ、

わり算の練習を続けます。

 

たし算の練習を、

ウンザリしていても続けたことと、

同じ理由です。

 

九九を下から唱えて計算するわり算を、

練習し続けた先に、

まったく違う

わり算の計算の仕方を修得できるからです。

 

それが、

36÷4= や、15÷3= を見ただけで、

答 9 や、5 が出てしまう計算です。

 

これを計算というのかどうかですが、

36÷4= や、15÷3= を見たら、

答 9 や、5 が出るのですから、

やはり計算でしょう。

 

ある種の感覚なのでしょうが、

わり算の計算の仕方です。

 

わり算の問題を見たら答えが出る計算は、

計算し続けたから修得できています。

 

「出す学び」で学べた計算です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -419)、(+-  {\normalsize {α}} -261)、(×÷  {\normalsize {α}} -092)

 

2021年04月03日(土)~2021年04月09日(金)のダイジェスト。

21年04月03日(土)

 

答えの出し方を理解できれば、

計算することができます。

 

計算して答えを出すことで学ぶ:

「出す学び」のための理解です。

 

意味を言葉で説明されて、

「分かった!」となる理解まで、

(「入れる学び」のための理解)

必要としません。

 

 

21年04月04日(日)

 

方程式は、

解く前に解き方を決めます。

その後で解きます。

 

子どもが自力で

計算できない方程式を教えるとき、

このような解き方を体験させます。

 

例えば、

方程式 3x+12-5x=0 を計算できない子に、

「どうやるの?」と聞きます。

 

「どうやるの?」と、

自分に問う習慣を育てるためです。

その後で、解き方を教えます。

 

 

21年04月05日(月)

 

筆算のたし算:100問を

解き終える粘り(集中力)を育てます。

 

筆算のたし算を計算する

一定の速さのリズムを持たせることで、

粘りを育てることができます。

 

数字を上から下に見ることや、

足すこと、

答えを書くことのような動作を繰り返します。

リズムがあります。

 

リズムを持たせるために、

計算をリードしながら、

子どもの計算力を評価します。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline \end{array} }} \\ の 7 と 3 を示しながら、

「7+3=10」と早口で計算して、

子どもが何をするのかを待ちます。

 

子どものすることを見れば、

7+3= の指が取れていることや、

答え 10 の 0 を書いて、

1 を繰り上がり数として覚える力を

評価できます。

 

 

21年04月06日(火)

 

「なぜ?」とする子を、

「正しいと認めて、受け入れる」方向にリードして、

疑問を抱えたままで、

ルートの計算に慣れさせます。

 

こうして、

2次方程式に進み、

解にルートが出ても、

自然に受け入れることができるようにします。

 

この流れから、子どもは、

ルートの計算が、

2次方程式を解くための

準備であったことに気付きます。

 

 

21年04月07日(水)

 

四則混合を計算する前に、

計算順を、子どもに決めさせます。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}}= の最初の計算を、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} の 2 つの × を囲むように、

指先で楕円を描いて、子どもに示させます。

 

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{3}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{4}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{2}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{9}\\3\end{matrix}\,}} {\Large\frac{1}{6}} と、

1 度で計算してほしいためです。

 

21年04月08日(木)

 

たし算を、

指で数えて計算している子を、

正確に理解するための

少しばかり面白い視点を、

親にお伝えすることがあります。

 

試しに、

2 通りの方法で、

たし算 10 問、例えば、

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7= を、

計算していただきます。

 

その 1 つの計算方法は、

7+4= を見ただけで、

答え 11 を出す計算です。

 

もう 1 つの計算方法が、

7+4= の 7 の次の 8 から、

ブツブツと声に出してつぶやきながら、

でも、早口で構いませんので、

8、9、10、11 と指で数えて、

答え 11 を出す計算です。

 

2 通りの方法で計算していただいた後、

いくつかの新しい視点をお伝えします。

 

 

21年04月09日(金)

 

18÷2= のようなわり算 20 問を、

見たら答えが出る計算と、

九九を下から唱える計算の両方を、

親に体験していただきます。

 

その後で、

計算の仕方と、

計算を説明できるのかどうかが、

大きく違うことをお伝えすることがあります。

 

言葉で説明できるのは、

九九を下から唱える計算です。

 

このような流れ自体が、「出す学び」です。

計算して答えを出す体験をした後だから、

「なるほど!」と納得できる学び方です。