12+8= の答えの出し方を、「どのように教えようか?」と思案するとき、子どもの学力が気になります。ここで発想が飛躍すれば、答えの出し方を知らない子ではなく、知っている子をイメージして、教えることを選ぶようになります。

12+8= を、

このまま計算して答えを出す方法を、

目の前の子に教える前に、

「どのように教えようか?」と、

アレコレ思案します。

 

この思案自体は、

こちらの頭の中で行われます。

 

そして、

アレコレと思案して、

「このように教えよう」と、

1つを選んだ後に、

目の前の子に、

12+8= の答えの出し方を教えます。

 

と、

このような順で、

このようなことを行っています。

 

 

自分が自分に、

「どのように教えようか?」と思案しても、

先にアレコレと思案して、

そして、教え方を選んで、

その後で、実際に教えるプロセスを、

意識して行っているとは限りません。

 

ただ単に、

教え方を思案しているだけのことがあります。

 

もちろんお勧めは、

教える前に、

頭の中で、教え方を練って、

その後で、目の前の子に教えるプロセスを、

意識して行うことです。

 

こうするだけで、

自分が自分自身を、

意識してリードしているモデルに、

こちらがなりますから、

子どもへの教え方が、

ドッシリと安定したものになります。

 

 

さて、

こちらが自分自身を、

意識してリードして、

12+8= の答えの出し方を、

どのような教え方にしようか・・・と、

先に思案するのですから、

自然に、

「誰に教えるの?」と、

考えるようになります。

 

教える対象の子どもの学力により、

教え方が影響を受けるからです。

 

 

「誰に教えるの?」と、

意識して考えるようになれば、

面白いことに、

「目の前の答えの出し方を知らない子なの?」と、

疑うようになります。

 

 

こちらの計算の実況中継を見せる教え方を、

こちらは基本の型にしていますから、

12+8= の答え 20 の出し方を、

6~7秒の短時間で教え終わると、

知っています。

 

6~7秒の短時間の未来に、

答えの出し方を知らない子が、

知っている子に変わってしまうのですから、

「本当に、答えの出し方を知らない子なの?」と、

疑います。

 

そして思い付きます。

 

目の前の子ではないけれども、

答えの出し方を知っている子に、

こちらの計算の実況中継を見せるとしたら、

どのように見せるだろうか?

 

こう考えるようになります。

 

6~7秒の短時間の間に、

答えの出し方を知らない子が、

知っている子に、

入れ替わるのですから、

始めから、

答えの出し方を知っている子に、

こちらの計算の実況中継を、

見せるようにします。

 

 

目の前の子に、

12+8= の答えの出し方を教える前に、

このようなことを、

頭の中でアレコレと考えて、

教える対象の子として、

答えの出し方を知っている子をイメージして、

この子に対して、

次のような実況中継を見せます。

 

12+8= の 1 を、

無言で、ペン先で隠して、

「10」と言い、

隠していた 1 を見せて、

「20」と言い、

= の右の余白を、示します。

 

このような実況中継を見た子は、

12+8=20 と、

すぐに書きます。

 

こちらが答えの出し方を見せて、

答え 20 まで言いますから、

見て、聞いている子は、

答えの出し方を知らない子ですが、

答えが出てしまったために、

答えの出し方を知っていると、

勘違いして、

12+8=20 と書くことで、

自分が、

答えの出し方を知っていることを確信します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -817)、(+-  {\normalsize {α}} -437)

 

先に、そうしている自分をイメージします。この後で、実際に、振る舞います。これが、「宿題をすると決めて、そして、宿題をして、終わらせている」ときに、子どもの内面で起こっていることです。

「計算の宿題をやろう・・・」と決めて、

自分を動かして、

宿題をさせてしまうのは、

子どもの内面で、

この子自身をリードしているリーダーです。

 

子ども自身、

このようなリーダーが、

自分の内面にいることも、

このリーダーにリードされていることも、

まったく知りません。

 

知らないままに、

自分の内面のリーダーにリードされて、

リードされたように動いています。

 

 

この子の内面の

この子を動かすリーダーが、

「やろう」と決めた宿題は、

算数の計算ドリルです。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ や、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\ のようなかけ算 50問です。

 

 

「宿題をやる」と決めたリーダーは、

この子の心に、

宿題をしている自分をイメージさせます。

 

リードされた子は、

ドリルを開いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の答えを書いている自分自身を

心の中にイメージします。

 

その後で、

自分が心にイメージしているように、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の答えを、

実際に書きます。

 

 

この子の内面にいて、

この子をリードしているリーダーは、

このようなリードの仕方をします。

 

① 心の中に、

そうしている自分をイメージさせます。

 

② イメージしているように、

実際に振る舞います。

 

 

イメージさせてから、

そのイメージのように振る舞わせます。

 

まず、

ドリルを出すことからです。

 

カバンから、

ドリルを出している自分をイメージします。

 

この後で、

このイメージのように、

実際に、カバンからドリルを取り出します。

 

 

次に、

ドリルを開いている自分をイメージします。

 

この後で、

イメージしたように、

実際に、ドリルを開きます。

 

 

1問目の問題 {\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ を見ている自分を、

イメージします。

 

この後で、

実際に、問題 {\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ を見ます。

 

 

4 と 9 を、

下から上に見て、

4×9=36 と計算して、

6 を書いて、

3 を覚える自分をイメージします。

 

この後で、

実際に、4 と 9 を、下から上に見て、

4×9=36 と計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:6\end{array}}}\\ と書いて、

3 を覚えます。

 

 

続いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:6\end{array}}}\\ の 4 と 2 を、

下から斜め上に見て、

4×2=8 と計算して、

3 を思い出して、

8+3=11 と足して、

11 を書いている自分をイメージします。

 

この後で、

実際に、4 と 2 を、下から斜め上に見て、

4×2=8 と計算して、

3 を思い出して、8+3=11 と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\ \times  \:\:\: 4 \\\hline 116 \end{array}}}\\ と書きます。

 

 

このようにして、

この子の内面のリーダーが、

この子をリードして、

筆算のかけ算 50問の答えを書いていき、

宿題を終えます。

 

先に、

そうしている自分をイメージさせます。

 

この後で、

実際に、振る舞わせます。

 

このような 2段階で、

リードしています。

 

 

でも、

子ども自身、

自分がこうしていると、

まったく意識していません。

 

自分をリードするリーダーが、

自分の内面にいることも、

そのリーダーは、

まず、心に自分をイメージさせて、

その後で、実際に、

イメージしたように振る舞わせていることも、

子どもは意識していません。

 

「宿題をする」と決めて、

そして、

宿題をして、

終わらせていると思っています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -816)、(×÷  {\normalsize {α}} -159)

 

四則混合は、1つの計算式の中に、2つ以上の計算(+ - × ÷)があります。計算する前に、計算順を決めなければ、計算できません。だから、決めていると意識していなくても、必ず、計算する前に、計算順を決めています。

 {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)= を、計算する子です。

 

計算する前に、

この子に、

「計算順?」と指示すれば、

 {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)= の

かっこの中の + と、

かっこの前の × を、

自分の指先で、

この順に示してくれます。

 

 

こちらから「計算順?」と指示されてですが、

計算する前に、

計算順を決めた後、

自力で計算させます。

 

すると、

 {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)=2 {\Large\frac{1}{15}} と計算します。

 

間違えています。

正しい答えではありません。

 

 

自力で計算するとき、

 {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)= ではなくて、

 {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{1}{5}}+2= を計算しています。

 

こういうことは、

それほど多くはないのですが、

でもかなりの一定数の子で起こります。

 

内面の育ちが、

未熟な子です。

 

 

計算する前に、

こちらから「計算順?」と指示されてから、

この子が決めた計算順は、

確かに、自力で決めた計算順です。

 

でも、

「計算順?」と指示されてから決めています。

 

計算順を決めること自体は、

自力ではなくて、

こちらから指示された後、

「計算順を決める」となっています。

 

主体性のように見える反応性です。

 

 

この後、

自力で計算するとき、

こちらは見ていません。

 

計算するときに、

何も指示していません。

 

この子は、

まったくの自力です。

 

 

自力なのですが、

問題  {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)= は、

かけ算と、たし算の 2つの計算があります。

 

計算順を決めないと、

計算できません。

 

だから、

自力で計算する直前に、

計算順を決めていると意識していないまま、

計算順を決めています。

 

この子が、

自力で計算するときに、

無意識で決めた計算順が、

× が先で、

+ が後になっています。

 

ですから、

自力で計算するときに決める計算順は、

自主的な主体性で決めています。

 

 

意識していようが、

無意識であろうが、

問題  {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)= を計算する前に、

計算順を決めなければ、

計算できません。

 

計算する前の子に、

こちらが「計算順?」と指示して、

計算順を決めさせることが、

この子の習慣にまで育てば、

反応性の主体性で決める計算順が、

自主的な主体性で決める計算順に、

入れ替わります。

 

このように育つと、

 {\Large\frac{1}{3}}×(  {\Large\frac{1}{5}}+2)=2 {\Large\frac{1}{15}} と計算するミスは、

自然になくなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -815)、(分数  {\normalsize {α}} -351)

 

41×2= を、このまま計算できるのに、63×4= を、「分からない」と聞きます。繰り上がり計算に戸惑っています。でも、甘えです。一瞬で断ち切れます。

41×2= を、

筆算 {\normalsize{\begin{array}{rr} 41 \\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}}}\\ に書き換えないで、

このまま計算する方法を教えます。

 

41×2= の 2 と 1 を、

この順に示しながら、

「2×1=2」と九九を唱え、

= の右に、

数字 1~2つ分くらい空けて、

「ここ」とリードします。

 

リードされた子は、

「このまま計算するらしい」、

「右から左に見るらしい」のような感じで、

納得して、

41×2=   2   と書きます。

 

 

こちらは続けて、

41×2=   2   の 2 と 4 を、

この順に示しながら、

「2×4=8」と九九を唱え、

子どもが書いた 2 の左手前を示して、

「ここ」とリードします。

 

「答えも、右から左らしい」と納得した子は、

41×2= 82   と書きます。

 

この子は、

この 1問の答えの出し方を見たら、

同じような問題 32×3= を、

自力で計算できます。

 

1問で十分です。

 

 

でも、

63×4= の答えの出し方を聞きます。

 

何も書かないまま、

「分からない」です。

 

 

この子は、

63×4= の 4 から、3 を見て、

「4×3=12」と九九の答えが出すことまで、

自力でして、

「えっ、12 なの?」となったようです。

 

繰り上がりなのです。

 

「習っていない・・・」となり、

そして、

「分からない」です。

 

 

間違えてもいいから、

4×3=12 の 2 を、

63×4=  2   と書いて、

1 を繰り上がり数として覚えて、

続いて、

4 から、6 を見て、

「4×6=24」と九九の答えを出して、

繰り上がり数 1 を、

「24+1=25」と足して、

63×4=252   と書く勇気が、

まだ育っていません。

 

何も書かないまま、

「分からない」と幼稚な質問で聞くことから、

推測できます。

 

「どうやるの?」と聞くようになるのは、

もう少し育ってからです。

 

 

さて、

「分からない」と聞かれて、

即、

63×4= の答えの出し方を見せます。

 

こちらの計算を、

実況中継で見せるだけの教え方をします。

 

こうすれば、

見ている子は、

答えの出し方を、

自力で発見しなければならなくなります。

 

「分からない」と聞く甘えたレベルから、

一瞬で、

離れます。

 

そして、

こちらが見せる答えの出し方を、

真剣になって見ます。

 

 

63×4= の 4 から、3 を示して、

「4×3=12」と九九を唱えて、

= の右に、

数字 1~2つ分くらい空けて、

「ここ 2」、

「指、1」とリードします。

 

甘えの反応性を、

こちらの振る舞い方で、

一瞬で打ち切られたこの子は、

主体的になるしかなく、

63×4=  2   と書いて、

指を 1本伸ばします。

 

子どもの動きを見たこちらは、

63×4=  2   の 4 から、6 を示して、

「4×6=24」と九九を唱えて、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、25」と言ってから、

子どもが書いた 2 の左を示して、

「ここ」です。

 

「指に、1 で、

足すだけのことか・・・」のように理解して、

63×4=252   と書きます。

 

 

甘えの反応性を、

一瞬で断ち切らせてしまい、

主体性の自己責任の真剣さに、

子どもをワープさせることができます。

 

こちらの計算を見せるだけの教え方に、

このような力が秘められています。

 

このことを知っていて、

そして、

リードできれば、

こうできます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -814)、(×÷  {\normalsize {α}} -158)

 

四則混合の計算順は、問題を見たら、「即」、決めることができます。教えることが難しいことですが、「速く」と繰り返し促すことで、計算順を決めることも速くなります。

 {\Large\frac{5}{7}}÷(1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} )= を見たら、

「即」

計算順を決めることができます。

 

習慣化している瞬時の行動です。

 

「- 、+」の計算順が、

 {\Large\frac{5}{7}}÷(1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} )= を見た瞬間、

頭に浮かびます。

 

これが、

計算する前に、

計算順を決める習慣です。

 

 

でも、

 {\Large\frac{3}{8}}÷4+4 {\Large\frac{1}{5}}÷7)×8= を見たら、

「即」、

「÷ 、÷ 、+ 、×」の計算順が、

こちらの頭に浮かぶことを、

教えることも、

見せることも難しいのです。

 

計算順を決めるルールを思い出して、

そのルールで判断して、

計算順を決めるようなことを、

こちらは、

頭の中でしていないのです。

 

(2 {\Large\frac{1}{3}}-1 {\Large\frac{11}{12}} )×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )= を見たら、

「即」、

「- 、+ 、×」の計算順が、

何も考えていないのに、

反射的に、

頭に浮かびます。

 

このような習慣が、

計算する前に、

計算順を決める作法の修得で、

子どもを導くゴールです。

 

 

と、

こちらは、子どもに、

計算する前に、

計算順を決めることを

教える前に決めておきます。

 

見たら、即、計算順が決まっている習慣を、

子どもに持たせるゴールと

教え始める前も、

教えている最中も、

少しずつ育っている最中も、

意識しています。

 

 

8-(7-4)= や、

3×(5-3)= や、

(6+12)÷3= のような

初歩的な四則混合の計算順を決めるとき、

こちらは、

8-(7-4)= を見て即、「- 、-」と、

3×(5-3)= を見て即、「- 、×」と、

(6+12)÷3= を見て即、「+ 、÷」と、

頭の中に、計算順が浮かびます。

 

だから、

こちらの頭の中に浮かぶ計算順を、

子どもの目の前で、

8-(7-4)= を見て即、「- 、-」や、

3×(5-3)= を見て即、「- 、×」や、

(6+12)÷3= を見て即、「+ 、÷」を、

無言で、

こちらの人差し指の指先を

素早く動かして示します。

 

問題を見て、即、計算順が浮かぶことを、

子どもに示しているのですが、

見ている子は、

「わぁ、速い」と、

こちらの指先の素早い動きを見るようです。

 

 

このように、

大きな勘違いをされて、

問題を見て、即が、理解されなくても、

「速さ」は伝わります。

 

ですから、

子どもに計算順を決めさせて、

こちらに教えさせるとき、

「速く」と、

スピードを刺激します。

 

例えば、

(7-3)×5= の計算順を、

- 、× の順に、

子どもが指先で示して、

こちらに教えているとき、

感情を乗せないで、

「速く」と刺激します。

 

あるいは、

10÷(7×3)= の計算順を、

× 、÷ の順に、

子どもが指先で示しているとき、

「速く」です。

 

もちろん、

子どもは勘違いしています。

 

 

問題 (7-3)×5= を見て即、

計算順「- 、×」を、

10÷(7×3)= を見て即、

計算順「× 、÷」を、

決めるように促されているとは、

思ってもいません。

 

それでも子どもは、

「速く」と促されることで、

指先を素早く動かすようになります。

 

 

このように、

子どもが決めた計算順を、

指先で示している最中に、

「速く」と促すことで、

問題を見てから、

計算順を決めるまでの時間が、

必然的に、

短くなります。

 

「速く」を、

すべてを速くすることと勘違いされれば、

計算順を決めるまでの時間も、

当然、短くなります。

 

そして、

計算順を決めるまでの時間が短くなることと、

問題自体を、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} )× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{11}{12}}= のように

複雑にしていくプロセスで、

問題を見たら、即、計算順が浮かぶ子に

育っていくようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -813)、(分数  {\normalsize {α}} -350)

 

7+6=、5+9=、8+4= のような 25問を、20秒以下で計算できる力を持つことで、自動的に、強い自信を持ちます。繰り上がり数 1 を足し忘れたミスで、20問すべてに「×」が付いても、動じません。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\ の繰り上がりを無視するミスが、

大量に出ています。

 

計算した 20問、

全問に、「×」が付きます。

 

ですが、

この子は、まったく気にしていないようです。

 

 

20問のすべてに、

「×」が付いているのを見ても、

「えぇ、うそ・・・」のような反応がないのです。

 

ただ、

「あぁそう、間違えている」程度の反応です。

 

 

5+5= を見たら、

見た瞬間、

答え 10 が出る感覚を、持っている子です。

 

7+6=、5+9=、8+4= のような 25問を、

20秒で、

計算できる力まで、育っている子です。

 

7+6=、5+9=、8+4= のようなたし算に、

やや大げさな言い方ですが、

絶対的な自信を持っています。

 

 

ですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\ に付いている「×」は気になりますが、

7+6=、5+9=、8+4= のようなたし算の

絶対的な自信は揺らがないのです。

 

5+5=10 は、

正しいと確信しています。

 

7+6=、5+9=、8+4= のような 25問を、

20秒以下で計算できる力は、

このように強い力です。

 

 

このような子に、

ミスの直し方を教えます。

 

もう一度、

計算し直すだけです。

 

以下のような実況中継を見せれば、

計算し直していることを、

子どもは理解できて、

そして、

計算し直すだけですから、

まねすることができます。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\ の答え 10 を残したまま、

5 と 5 を示しながら、

「5+5=10」と計算して、

残した答え 10 の 0 を示して、

「合っている」、

「指、1」です。

 

そして、

15 の 1 を示してから、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、2」、

残した答え 10 の 1 を示して、

「ここ、2」です。

 

見ていた子は、

「なるほど」となって、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\ と書き直します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\ の計算し直しも、

同じように教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\ の答え 20 を残したまま、

5 と 5 を示しながら、

「5+5=10」と足して、

残した答え 20 の 0 を示して、

「合っている」、

「指、1」です。

 

そして、

2つの 15 の 1 を示しながら、

「1+1=2」と足して、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、3」、

残した答え 20 の 2 を示して、

「ここ、3」です。

 

見ていた子は、

「指 1 なのか・・・」となって、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:30\end{array} }} \\ と書き直します。

 

 

20問のすべてに付いた「×」を見ても、

7+6=、5+9=、8+4= のようなたし算の

絶対的な自信があるために、

少しも動揺していません。

 

だから、

繰り上がり数 1 を指に取ることを、

スッと受け入れて、

まねできます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -812)、(+-  {\normalsize {α}} -436)

 

2けたの筆算のたし算 100問を計算している子が、何回、集中を切らせてボ~ッとしていても、まったく気にしないで、その都度、速いスピードで答えを出すリードをして、5問の答えを書き終わらせてしまいます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \end{array} }}\,\,や、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \end{array} }}\,\,や、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline \end{array} }}\,\,の \\

筆算のたし算を 100問計算しています。

 

途中で、

何回も、

集中が切れて、

ボ~ッとしています。

 

 

答えの出し方を知っている子です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \end{array} }} \\ の 7 と 4 を、

上から下に見て、

7+4=11 と足して、

答え 11 の一の位の 1 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書いて、

7+4=11 の答え 11 の

十の位の 1 を、覚えて、

3 と 2 を、上から下に見て、

3+2=5 と足して、

覚えていた 1 を、

5+1=6 と足して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline\:\:61\end{array} }} \\ と書く計算を知っています。

 

 

でも、

集中がプツプツ切れて、

そして、

ボ~ッとしています。

 

ボ~ッとしていることを気にして、

「どうしたの?」としないで、

「答えを出していない」、

「一定の速さで答えを出す状態に戻す」と、

答えを出していないことを気にします。

 

ボ~ッとしていることを、

まったく気にしません。

 

「答えを出していないこと」、

「一定の速さで答えを出していないこと」だけを、

こちらは気にします。

 

 

そして、

ボ~ッとしている子に割り込むようにして、

止まっている計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \end{array} }} \\ の答えの出し方を、

突然に見せ始めます。

 

9 と 6 を示して、

「9+6=15」と足して、

「ここ、5」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \:\:\:\:5\end{array} }} \\ と書かせて、

「指、1」とリードして、

1 を指に取らせます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \:\:\:\:5\end{array} }} \\ の 2 と 5 を示して、

「2+5=7」と足して、

子どもが指に取っている 1 を触ってから、

「1 増えて、8」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline\:\:85\end{array} }} \\ と書かせます。

 

割り込んでリードし始めてから、

15秒前後の短時間で、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline\:\:85\end{array} }} \\ と書き終わらせて、

次の問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline \end{array} }} \\ の 3 と 8 を示して、

「3+8=11」と足して、

「ここ、1」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書かせて、

「指、1」とリードして、

1 を指に取らせます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ の 3 と 5 を示して、

「3+5=8」と足して、

子どもが指に取っている 1 を触ってから、

「1 増えて、9」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline\:\:91\end{array} }} \\ と書かせます。

 

やはり、

15秒前後の短時間で、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline\:\:91\end{array} }} \\ と書き終わらせます。

 

 

1問の答えを書き終わるまでリードして、

15秒前後の短時間です。

 

5問をリードしても、

15×5=75秒前後です。

 

つまり、

2分もかからないで、

ボ~ッとしている子に、

突然に割って入るリードで、

5問の答えを書き終わらせてしまいます。

 

そして、

やはり突然に、

リードをやめます。

 

手伝われた子は、

100問の計算問題の 5 問が、

2分もかからないで、

書き終わったのですから、

必ず元気になり、

答えを出すスピードも速くなります。

 

 

ですが、

そうは長く続かないで、

7~8問もしないで、

また集中が切れて、

ボ~ッとしてしまいます。

 

こちらは、

「またか・・・」と思ったりしないで、

淡々と、同じようにリードして、

2分もかからないで、

5問の答えを書き終わらせてしまいます。

 

何回、ボ~ッとされても、

ボ~ッとしていることを、

まったく気にしません。

 

答えを出していないことだけを、

気にします。

 

そして、

「速いスピードで答えを出せるように導く」と、

先に決めてから、

割り込むようにして、

答えを書き終わらせるリードを、

突然に始めて、

5問の答えを書き終わらせて、

引き上げてしまいます。

 

 

このような手伝いを、

10回行えば、

50問です。

 

1回で、2分以内ですから、

10回で、20分以下です。

 

やや長めに話していますから、

実際には、15分もかかりません。

 

ボ~ッとしていることを、

まったく気にしていないこちらが、

速いスピードで答えを出すだけの計算を

この子に見せますから、

「そうか、速いスピードを気にするのか・・・」と、

ボンヤリとですが、

答えを出すスピードだけを、

こちらが気にしていることに、気付くようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -811)、(+-  {\normalsize {α}} -435)