暗算のたし算の力をつかむ手前に、自力で飛び越えなければならない深い溝があります。

暗算のたし算の計算の仕方が、

2種類あります。

 

1つ目は、

指や数唱を利用して、

計算する方法です。

 

8+4 を、

「はち」、

「きゅう(く)、じゅう、じゅういち、じゅうに」と

計算して、

答え12を出します。

 

2つ目は、

6+5 を見ると、

答え11が勝手に浮かぶ計算です。

 

指や数唱を利用する

1つ目の計算と、

見るだけで答えが浮かぶ

2つ目の計算の間に、

深い溝があります。

 

子どもは自力で、

この深い溝を

飛び越えなければなりません。

 

回り道はありません。

渡れる橋もありません。

 

子どもは皆、

深い溝の手前にいます。

 

5+8 を、

指や数唱を利用して計算します。

深い溝の手前の計算です。

 

5+8 の5を「ご」と読みます。

続いて、

「ろく、なな(しち)、はち、きゅう(く)、

じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と、

指や数唱で8回数えます。

答え13が出ます。

 

子どもは、

指や数唱を利用する計算に、

すぐに慣れます。

 

指や数唱を使う計算は

退屈です。

 

そうですが、

ひたすら指や数唱を利用して計算していると、

不思議なことが起こります。

  

ある日突然に羽が生えます。

上手に飛ぶことができるようになります。

 

そして、

深い溝を飛び越します。

向こう側の別の世界に行くことができます。

 

5+8 の答え13を、

5+8 を見るだけで

浮かべる世界です。

 

指など使いません。

問題を見るだけで

答えが勝手に浮かびます。

 

羽が生えるのを待てば、

自力でたし算の深い溝を

飛び越えることができます。

 

歩いて行こうにも橋がありません。

回り道もありません。

ロープウェイも、

飛行機も、

ヘリコプターも、

気球もありません。

 

指や数唱を利用して、

たし算の答えを計算していると、

深い溝を飛び越える羽が、

勝手に自然に生えます。

 

羽が生えたら、

上手に飛べます。

 

フラフラと飛びません。

力不足で深い溝に落ちたりしません。

 

では、

どうしたら羽が生えやすいのでしょうか?

 

ひたすら指や数唱を

利用して計算します。

 

するとある日突然、

パッと羽が

勝手に自然に生えます。

そして深い溝を飛び越えてしまいます。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 たし算ひき算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 たし算ひき算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て