たくさんの凄い力を持っています。気付いていません。

子どもとよい関係になれる

2つの見方があります。

 

1つ目は、

子どもは誰でも、

伸びたいと強く思っていながら、

気付いていない……です。

 

2つ目は、

たくさんの凄い力を持って生まれていながら、

気付いていない……です。

 

この2つの見方で

子どもを見て、

子どもをリードすると、

子どもととてもよい関係になれます。

 

たとえば、

集中を戻す力です。

 

5+3 のたし算を、

「ご」としてから、

「ろく、しち、はち」と

数唱を3回言うことで

答え8を計算している子どもです。

 

子どもの集中は、

周りのチョットしたことで

すぐに切れます。

 

集中が切れると、

しばらくは切れたままです。

すぐに集中が戻りません。

 

集中を戻す力を持っています。

 

ですが、

子どもは気付いていません。

 

集中を戻せません。

 

生まれてから後、

乳幼児は立って歩く練習を

始めます。

 

首が据わります。

寝返りを打ちます。

座ります。

ハイハイで動きます。

何かにつかまって立ち上がります。

伝い歩きます。

歩きます。

 

このようなことに

集中して取り組みます。

 

周りのチョットしたことで

集中が切れて、

立って歩く練習を中断します。

 

ですが、間もなくすると、

乳幼児が自力で

集中を戻して、

立って歩く練習を始めます。

 

集中を戻す力を持って

生まれています。

 

8+3 の計算で、

集中が切れて

ボーっとしています。

 

立って歩く練習のときのように、

自力で集中を戻して、

8+3 を計算し始めるはずですが、

集中は戻らないのが普通です。

 

いきなり8を示して、

「はち」と読んでから、

3を示して、

「く、じゅう、じゅういち」と、

数唱を3回言って、

答え11を出してしまいます。

 

子どもが答え11を書いて、

8+3=11 としたとき、

計算に集中が戻ります。

 

子どもは計算を手伝われたと

思うだけではなくて、

何となくですが、

持って生まれている集中を戻す力を、

立って歩く練習のときのように

使ったと感じるようです。

 

集中の戻し方を

教えるのではありません。

 

すでに、

集中を戻す力を持っていることに

気付かせる手伝いです。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 基本―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て