行けない理由を百通り考えることは簡単にできますが、長期的な視点でみたら、それを貫かねばなりません(ピート・ボードロー)。

14-8 のひき算を、

8+6=14 と、

8に何かを足して、

14にするように計算して、

答え6を出します。

 

これが、

この子の計算の仕方です。

 

8+6 のたし算は、

問題を見ただけで

答え14が浮かびます。

 

たし算の指が取れています。

 

この子に、

ひき算の宿題があります。

 

計算できますから、

始めようとすれば、

すぐに始められます。

 

ですが、

なかなか始めません。

 

もちろん、

始めない理由はあります。

いくつもあります。

 

見かねて、

「できるでしょ」、

「やってしまったら?」と誘います。

 

でも始めません。

 

こういうとき、

「どうして?」と

始めない理由を聞くのが普通です。

 

普通ではありませんが、

別のやり方があります。

 

「宿題、どこ?」で、

宿題を出させます。

 

「鉛筆は?」で、

鉛筆を出させます。

 

こうしてから、

1問目の 8-3 の計算をリードします。

 

8-3 の3を示して、

「さん、足す、ご、はち」と言いながら、

8を示します。

 

「わ(=)」を書かせてから、

「ご(5)」で、

8-3=5 と計算を終わらせます。

 

ただ淡々とリードして、

計算を終わらせます。

 

次の 11-7 も、

「しち、足す、し、じゅういち」とリードして、

11-7=4 と書き終わらせます。

 

子どもと同じ

計算の仕方です。

 

リードされるに従って、

2問3問と、

答えが書き終わります。

 

すると必ず、

子どもが

自力で計算し始めます。

 

なかなか始めない子どもを

とがめる気持ちゼロで、

このようなリードで

宿題を始めさせてしまいます。