コントロールの考え方が、
どこにでもある社会通念になっています。
そうしていると意識することなく、
誰かをコントロールするか、
あるいは、
誰かにコントロールされています。
「言われたとおりにやれ」か、
「言われたとおりにやる」です。
産業の時代の企業活動の
マネジメントだけではなくて、
教育の世界にまで
コントロールの考え方が入り込んでいます。
時代は、
産業の時代から
知識時代へ入れ替わっています。
そうですが、
社会通念のような
考え方やものの見方は、
心に根強く残ってしまいます。
入れ替わるのが
遅れます。
知識時代にふさわしい教え方を
しようと思うのですが、
産業の時代のコントロールの考え方が
心に残っていて、
邪魔します。
3+1 のたし算を、
3を示して、「さん」と読み、
1を示して、「し」と言う教え方があります。
計算の仕方を言葉で説明しません。
計算してみせる教え方です。
同じように、
2+1 に、「に」、「さん」、
5+1 に、「ご」、「ろく」、
11+1 に、「じゅういち」、「じゅうに」と
計算します。
見ている子どもが、
「あぁ、そうか!」と
計算の仕方をつかむまで、
5問10問と計算します。
コントロールの考え方で教えると、
「言われたとおりにやれ」と思っていますから、
この計算の仕方で
子どもを支配してしまいます。
同じように計算することを、
子どもに押し付けてしまいます。
違う計算の仕方を
認めませんし、
許しません。
「そうではなくて、こう」や、
「違う」となります。
でも、
目の前の子どもたちが生きる時代は、
産業の時代の次の
知識時代です。
「言われたとおりにやる」では、
知識を生み出すことができません。
コントロールの考え方で、
「知識を出せ」や、
「アイデアを出せ」と指示されても、
出るものではありません。
「言われてもいないことをやる」で、
新しい何かを
生み出さなければならない時代です。
放任ではありませんが、
違っていることが認められる
おおらかな自由が必要です。
3+1 を計算してみせます。
「さん」、「し」と計算して
答え4を出します。
知識の時代に生きる子どもたちに、
「どのように計算しても構わない」、
「3+1 の答え4が出ればいい」、
「1つの手掛かりとして見本を見せるよ」、
「まねしてもいい」、
「別のやり方で計算してもいい」……
このように思って
計算してみせます。
同じであることを求められる
コントロールの考え方ではありません。
違っていることを認められる
おおらかさです。