「〇〇ができるようになった子」のイメージを、先に心に持ちます。それから教えます。

分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算を

計算できます。

 

たし算 : 1 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{2}}=1 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{3}{6}}=1 {\Large\frac{5}{6}}

ひき算 : 1 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{1}{2}}=1 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{8}{6}} {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{5}{6}}

かけ算 :  {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{6}}

わり算 :  {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{2}{1}} {\Large\frac{2}{3}}

このような計算です。

 

分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算は、

とてもよく似ています。

でも、少しずつ違います。

 

区別できなくて、

混乱することがあります。

 

かけ算で、

通分したりする混乱です。

 

 {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{2}{6}} × {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{6}{36}} {\Large\frac{1}{6}}

このような混乱です。

 

そのまま掛ければいいのです。

ですが、

たし算のように通分しています。

 

混乱しても、

子どものすることを受け入れます。

 

こちらから見たら

混乱です。

 

子どもは

正しい計算をしています。

 

通分を正しく計算しています。

通分後のかけ算も正しく計算しています。

約分も正しく計算しています。

 

分数のかけ算の正しい計算が、

子どものした計算と少し違うだけです。

 

子どもがした計算を、

計算だけをリードして、

正しい計算に入れ替えさせます。

 

リードする前に、

「分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算を

区別できるようになった子」のイメージを

心に持ちます。

 

そして、

「できるようになった子」から、

目の前の混乱している子を見て

リードします。

 

 {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{2}{6}} × {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{6}{36}} {\Large\frac{1}{6}}

 {\Large\frac{2}{6}} × {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{6}{36}}=」を示して、

「消して」とだけリードします。

 

先に心に持った

「できるようになった子」へのリードです。

これで十分です。

 

目の前の混乱している子に教えると、

違うリードになります。

 

「分数のかけ算は、たし算と違うから、通分しません」、

「そのまま、分母同士、分子同士を掛けます」

のように言葉で教えてしまいます。

 

「できるようになった子」へのリードと、

目の前の混乱している子へのリードは、

対象が違いますから

大きく違います。

 

子どもは、

どちらのリードが好きなのでしょうか?

 

子どもは、今と未来に生きています。

今の先を見ています。

 

ですから、

「できるようになった子」へのリードを

スッと受け入れます。

 

子どもが好きな教えられ方です。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 基本―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て