目の前の子の少し未来を、想像します。そして、その未来の姿から目の前の今の子を見ます。

目の前の子が、

とてもグズグズしています。

 

少しリードして、

テキパキするようにします。

 

普通のリードは、

「今」から「未来」に向かいます。

 

時間の流れのままです。

 

「今」の「とてもグズグズ」を、

「未来」の「テキパキ」にリードします。

 

「とてもグズグズ」から、

悪さを取り去るリードです。

 

ですから、

とてもグズグズしている子に、

「どうしたの?」、

「できるでしょ!」、

「やってしまいなさい!」のようなリードです。

 

このようにリードしても、

子どものグズグズは

ほとんど変わらないようです。

 

子どもが自分自身を見る見方が、

普通のリードと違うからです。

 

子どもは自分自身を、

「未来」から「今」の向きに見ます。

 

時間の流れと、

逆向きです。

 

子どもは、

「今」の「とてもグズグズ」を、

このままでいいと思っていません。

 

「テキパキ」してしまいたいと、

思っています。

 

そして「今」を、

「未来」の「テキパキ」から見ます。

 

だから子どもは、

「今」の「とてもグズグズ」の中に、

「未来」の「テキパキ」になっている

小さな部分をいくつか見ています。

 

「やってしまいなさい!」と

リードされた子どもが見ているのは、

「今」の「とてもグズグズ」の中の

「やってしまっている」小さな部分です。

 

「分かっています」と言うと

反抗になりますから、

言わない子が多いのですが、

「やってしまっている」小さな部分を

子どもは見ていますから、

やってしまっています。

 

このように、

見る向きが違いますから、

かみ合いません。

 

かみ合わせるために、

リードするこちらの

子どもを見る見方を変えます。

 

目の前のとてもグズグズとした子どもの

少し未来の姿を想像します。

 

すると、

テキパキしている子どもが見えます。

 

この未来の「テキパキしている子」を、

子どもをリードする前に、

先に心に映し出します。

 

それから目の前の

とてもグズグズしている子を見ます。

 

こうするとこちらも、

子どもと同じように、

「今」の「とてもグズグズ」の中に、

「未来」の「テキパキ」になっている

小さな部分がいくつか見えます。

 

この小さな部分をリードします。

 

すると既にテキパキしていますから、

「どうしたの?」、

「できるでしょ!」、

「やってしまいなさい!」となりません。

 

既にテキパキしている小さな部分が

目の前のとてもグズグズの中に見えますから、

リードの仕方が変わります。

 

「そう、それでいい」のような

プラスのリードになります。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 基本―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て