「どうなったらいい?」を考えた後、「どうしたらいい?」と考えます。「困った」の後、「どうしたらいい?」としません。

小3で九九を言えません。

 

すぐに、

「困った」と思います。

 

小3で九九を言えなければ、

「算数で苦労している」と

想像できます。

 

助けることができるのならば、

手助けして、

九九を言えるようにしたいと思います。

 

そしてそのまま、

「どうしたらいい?」となります。

このような流れが普通です。

 

そして、

九九の覚え方を教えます。

 

振り仮名の付いた九九のカードを

速く読む練習をさせて、

早口でスラスラと読めるようになったら、

見ないで言わせて、

言えない九九はカードを見させます。

 

早口で読むことと

見ないで言うことを繰り返させます。

 

するとやがて、

九九を言えるようになります。

 

「困った」の後、

「どうしたらいい?」として、

九九の覚え方を教えています。

 

小3で九九を言えない子に

九九の覚え方を教えています。

九九を覚えようとしている子を手伝います。

 

こうすると、

なかなか九九を言えるようにならないことが

気になります。

 

九九を言えない目の前の子のイメージを

先に心に持ったまま手伝っていますから、

自然にマイナス部分を見ています。

 

少しずつ言えるようになっているのですが、

それでもまだ

できない部分を見ています。

そしてイライラしてしまいます。

 

まだ言えるようにならない。

6の段があやしい。

7の段はまだまだだ。

このようなマイナス面を見ています。

 

そして、

「まじめに覚えようとしているの!」などと、

言わない方がいいことまで

言ってしまいます。

 

どうしてこうなるのでしょうか?

 

小3で九九を言えない子に

「困った」と思ったまま

「どうしたらいい?」としているからです。

 

こうならないために、

普通ではありませんが、

少し違うことをします。

 

小3で九九を言えない子に、

「困った」と思った後、

「どうしたらいい?」としないで、

「どうなったらいい?」と考えます。

 

「どうなったらいい?」は、

今のことではありません。

今から後の未来のことです。

 

小3で九九を言えないのは、

今です。

 

今から後の未来に、

九九を言えるようになれば、

今の「困った」が解決されます。

 

ですから、

「どうなったらいい?」の1つの答えは、

「九九をスラスラ言えたらいい」です。

 

目の前の九九を言えない子から、

「どうなったらいい?」で離れて、

「九九をスラスラ言える子」とした後、

「どうしたらいい?」と考えます。

 

「九九をスラスラ言える子」の後の

「どうしたらいい?」の答えは、

九九をスラスラ言える子に

近付く方法になります。

 

先に心に、

「九九をスラスラ言える子」を持っています。

 

そして、

この「九九をスラスラ言える子」から、

目の前の九九を言えない子を見ますから、

九九を言えない子の中の

「九九をスラスラ言える子」の部分だけが

ハッキリと見えます。

 

このような心で、

振り仮名の付いた九九のカードを

速く読ませて、

見ないで言うことを

繰り返させます。

 

少しずつ言える九九が増えていきますから、

目の前の九九を言えない子の中の

「九九をスラスラ言える子」の部分も

増えていきます。

 

九九を言えるようになった

プラスの部分だけを見ています。

 

「そう、いいよ」、

「覚えた」のような言葉が、

自然に出てしまいます。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て