のような筆算のかけ算に、
繰り上がりのたし算が出ます。
4×7=28 の2が繰り上がり数です。
この2を、4×9=36 に足します。
36+2 の繰り上がりのたし算です。
九九もたし算も、
楽にスラスラとできます。
でも、
難しさを感じて戸惑います。
のような筆算のたし算の
繰り上がりのたし算と比べて、
筆算のかけ算の繰り上がりのたし算に、
強い難しさを感じます。
既に、
筆算のたし算に出てくる
繰り上がりのたし算には慣れています。
のような筆算のたし算の
繰り上がりのたし算は、
8+4=12、4+5=9 の
2回のたし算の後です。
9+1=10 のたし算です。
2回のたし算の後の
繰り上がりのたし算です。
同じ計算のたし算が、
1回増えるだけです。
しかも、筆算のたし算の繰り上がり数は、
いつも1です。
繰り上がりがあれば、
繰り上がり数は、いつも1です。
筆算のたし算の繰り上がりのたし算は、
1を足すたし算です。
のような筆算のかけ算の
繰り上がりのたし算は、
4×7=28、4×9=36 の
2回の九九の後です。
36+2=38 のたし算です。
九九ではありません。
2回の九九の後の繰り上がりのたし算です。
たし算は、
九九(かけ算)と違う種類の計算です。
九九の後のたし算に慣れるまで、
子どもは難しさを感じて、
戸惑います。
それだけではなくて、
繰り上がり数が、
1(2×5=10 など)から、
8(9×9=81)まで、
変わります。
いつも1を足すだけの
筆算のたし算の繰り上がりのたし算と違います。
たし算だけを計算するのでしたら、
36+2 を見ただけで、
答え38が頭に浮かびます。
楽にできる計算です。
でも、筆算のかけ算の九九の後に、
36+2 を計算すると、
難しくなります。
九九からたし算に
頭を切り替えます。
その後で、
繰り上がりのたし算 36+2 を計算します。
しかも、繰り上がり数は、
1から8まで変わります。
繰り上がり数を覚えるだけでも
大変な努力が必要です。
このように、
子どものしていることの難しさを、
詳しく理解します。
そして、
筆算のかけ算の
繰り上がりのたし算に慣れるまで、
繰り上がり数を指に取らせるようにします。
鉛筆を持っていない手の指を
伸ばさせます。
こうすることで、
1から8まで変わる繰り上がり数を
覚える大変さを軽くします。
そして、九九からたし算に
切り替えることに集中させます。
1(2×5=10 など)から、
5(6×9=54 など)までは、
指を1本から5本伸ばさせます。
6(7×9=63 など)は指を1本、
7(8×9=72 など)は指を2本、
8(9×9=81)は指を3本と決めれば、
片手で1から8までの繰り上がり数を区別できます。
「たし算でしょ!」や、
「楽にできるでしょ!」と、
繰り上がりのたし算で戸惑う子どもを
焦らせません。
「難しいのになぁ」や、
「分かってほしいな」と、
子どもに嫌がられます。
筆算のかけ算の繰り上がりのたし算は、
難しいのです。
とても難しいのです。
それでも、
難しさを乗り越えようとしている子どもを
そのまま受け入れます。
難しさから逃げることもあります。
子どもが逃げたことを受け入れます。
そして、
こちらが計算をリードして計算します。
こうすると、
子どもは計算に戻ります。
で逃げたら、
逃げたままの子に、
「ししち(4×7)?」と計算をリードします。
答え28が出なければ、
こちらが、「にじゅうはち(28)」です。
続けて、「指、に(2)」で、
繰り上がり数2を指に取らせます。
さらに続けて、
「しく(4×9)?」です。
答えが出なければ、こちらが、
「さんじゅうろく(36)」と答えを出します。
そして、「に(2)、足すと?」とリードします。
このように、逃げたままの子に計算をリードしていきます。
参照:
蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。
アマゾン。
計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て