不安を感じた子どもが聞きます。すぐに計算をリードします。子どもの不安が消えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に不安を感じた子どもが、

やり方を聞きます。

 

4321の4けたの数に、

6の1けたの数を掛けます。

4けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

この子がここまでに、

筆算のかけ算を習った流れを、振り返ります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:42 \\ \times \:\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×1けたの筆算のかけ算からです。

 

計算は、

5×2 と 5×4 の2回の九九と、

20+1 の繰り上がりのたし算です。

 

繰り上がり数は、

1(2×5=10 など)から、

8(9×9=81)までさまざまです。

 

その後、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような3けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:34 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたの筆算のかけ算になっています。

 

楽にできる2けた×1けたの筆算のかけ算を利用して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:234 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に慣れます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような4けた×1けたの筆算のかけ算は、その一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の3けた×1けたの筆算のかけ算です。

 

この3けた×1けたの筆算のかけ算に、

その一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:21 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたを利用して慣れています。

 

楽にスラスラ計算できる2けた×1けたの

筆算のかけ算を利用したことを、

子どもはハッキリと覚えています。

 

このような流れから自然に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の4けた×1けたの計算は、

その一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の3けた×1けたの

計算を利用することに気付きます。

 

楽に計算できる  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を、計算します。

 

6×1=6、

6×2=12、

6×3=18、

18+1=19(繰り上がりのたし算)です。 

 

この計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ です。 

 

だから、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算に、

6×4=24、

24+1=25(繰り上がりのたし算)を続けると

完成します。

 

このように計算できますが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算で

戸惑う子がいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline 25926\end{array} }}\\ のように、

答えが5けたになることに迷うようです。

 

正しい答え25926を計算できても、

5けたの答えに迷います。

 

書いた答えを消してしまってから

聞くような子です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\

一部分  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を利用して計算しています。

 

4けた×1けたの計算の仕方を

つかみ取っています。

 

でも、答え5けた(25926)が

気になります。

 

だから、

書いた答えを消してから、

聞きます。

 

子どもの希望(不安の解消)を満たします。

 

すぐに計算をリードします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:4321 \\ \times \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算してしまいます。

 

「できるでしょ」や、

「消してしまったの」のようなことを

言いません。

 

「ろくいちがろく(6×1=6)」で、

子どもが6を書くのを待ちます。

 

書かないようでしたら、

6の真下の答えを書くところを示して、

「ここ、ろく(6)」と誘います。

 

続いて、

「ろくにじゅうに(6×2=12)」、

「に(2)」とリードして、

子どもが2を書くのを待ちます。

 

そして、

「ろくさんじゅうはち(6×3=18)」、

「いち(1)足して、じゅうく(19)」、

「く(9)」とリードします。

子どもが9を書くのを待ちます。

 

次に、

「ろくしにじゅうし(6×4=24)」、

「いち(1)足して、にじゅうご(25)」、

「にじゅうご(25)」とリードします。

 

子どもが25を書くと、

計算が終わります。

 

終わってから、

「合っていたよ!」とつぶやきます。

 

教えようとすると、

ユックリ話してしまいます。

 

そうではなくて、

一緒に計算します。

 

次々に、速く話します。

子どものスピードです。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て