のような2けた×2けたの筆算のかけ算は、
長い計算手順で計算します。
この長い計算手順を眺めます。
まず、 の
一部分 です。
① 6×3=18。
② 8を書いて、繰り上がり数1を覚える。
③ 6×5=30。
④ 30+1=31(繰り上がりのたし算)。
⑤ 31を書く。
ここまでの計算で、 と計算できます。
続いて、 の
一部分 です。
⑥ 9×3=27。
⑦ 7を、318の1の真下に書いて、繰り上がり数2を覚える。
⑧ 9×5=45。
⑨ 45+2=47(繰り上がりのたし算)。
⑩ 47を書く。
ここまでの計算で、 になります。
続いて、たし算 です。
⑪ 477の下に、横線を引く。
⑫ 318の8を、下に移す。
⑬ 1+7=8。
⑭ 8を書く。
⑮ 3+7=10。
⑯ 0を書いて、繰り上がり数1を覚える。
⑰ 4+1=5(繰り上がりのたし算)。
⑱ 5を書く。
ここまでの計算で、 になります。
答えが出ます。
とても長い計算手順です。
のような2けた×1けたの筆算のかけ算で、
長い計算手順を知っています。
そうですが、
ここまで長い計算手順は初めてです。
計算手順の長さを比べるために、
の手順を眺めます。
① 6×3=18。
② 8を書いて、繰り上がり数1を覚える。
③ 6×5=30。
④ 30+1=31(繰り上がりのたし算)。
⑤ 31を書く。
計算が終わり、
答えが出ます。
この2けた×1けたのかけ算の5つの計算手順と比べます。
2けた×2けたのかけ算の18の計算手順の長さが分かります。
とても長い計算手順です。
のような2けた×2けたの
筆算のかけ算の長い計算手順を、
正しい順で計算できても、
長い計算手順のどこか1カ所でも計算を間違えると、
九九のウッカリミスや、
繰り上がりのたし算のウッカリミスや、
繰り上がり数の覚え間違いや、
答えの書き間違いなどです。
さまざまな間違いが起こります。
自力で正そうとして、
計算し直します。
集中して計算し直します。
集中が続けば、
長い計算手順のどこかでしている計算のミスを
正すことができます。
でも、集中が切れたとき、
そこの計算でミスをして、
また
ここまでの長い計算手順になると、
集中が続かなくて、
集中が切れたときに、新たなミスが出るものです。
のような2けた×1けたのかけ算は、
5つの計算手順の長さ分だけ、
集中が続けば正しく計算できます。
のような2けた×2けたのかけ算は、
18もの長い計算手順の間、
集中を保たなければなりません。
のような2けた×1けたのかけ算の3倍もの長さで、
集中を保たなければなりません。
計算手順がとても長いだけに、
集中を保ちにくくなります。
ここまでの長い計算手順は、
集中を長く保つ練習になっています。
集中が切れたとき、
ミスが出ます。
ミスを正すことで、
より長い集中を保つ練習になります。
だから、ミスは長い集中を保つ練習です。
ミスを嫌がって、「どうして?」ではなくて、
「ミスしたのだ」と受け入れます。
そして、ミスしたから、
集中を長く保つ練習ができると思います。
すると、少しずつ集中を保つ時間が長くなって、
ミスをしないようになります。
「答えが出るまで、とても長くなっています」、
「集中したまま計算する時間を長くします」、
「学ぶのは、計算だけではありません」、
「集中して計算する時間を長くすることも学びます」のように、
言葉で子どもに教えません。
「集中したまま」や「長い集中時間」と言葉で教えられても、
理解できません。
のような計算手順の長い計算のミスを、
こちらがリードして計算し直すことで正します。
やや早口で、
次々に速いスピードで計算し直します。
速いスピードの計算し直しについてくる子どもは、
自然に長い集中を保ちます。
そうとは気付かないまま、
子どもは長い集中を保つ練習をしています。
(×÷023)