のような筆算のかけ算の見本を見て、
をまねして同じように計算します。
非常識ですが、説明しません。
見てまねさせます。
「 を見て、まねして、
を計算して」と誘います。
同じように計算すると、 です。
1行です。
この子は、
のような2けた×2けたの筆算のかけ算を計算できます。
計算すると です。
ですから、見本 をまねしなくても、
を2けた×2けたの筆算として、
計算できます。
計算すると です。
正しく計算できていますが、
見本をまねする計算ではありません。
再度、「これ( )を見て、
もう一度まねしてごらん」と誘います。
「1行で」と教えません。
でも、1行で計算するように誘います。
しばらくすると、
涙がポトリと落ちました。
声を立てないで、
静かに泣いています。
「できない」のようなマイナスの感情に
押しつぶされています。
感情を入れないで淡々と、
「立って」と言って、
子どもを立たせてしまいます。
立つことは、
その時その場で
すぐに簡単にできる動作です。
「できない」のような
強いマイナスの感情のままであっても、
立つことならばできます。
目の前の計算と無関係です。
「えっ、何?」と感じながら、
子どもはユックリと立ち上がります。
教えてもらえると期待していた子どもが、
「立って」と言われたのです。
思いもしていないことです。
でも、立ち上がることで、
体を動かします。
「えっ、何?」と感じる意外性と、
体を動かすことが、
マイナスの感情にとらわれている気持ちを
中断させます。
こちらは、泣いていることを気にしません。
できないことを受け入れます。
何もなかったように、
しかし突然、
ただ「立って」と言うだけです。
そして立たせたまま、
をこちらがリードして計算し直します。
「このれい(0)、ここ」で、
20の0を下に動かします。
です。
「立って」で立たせました。
子どもには意外なことでした。
だから、「できない」とのマイナスの気持ちで
静かに泣いていた子どもの気持ちを、
立った瞬間に中断できました。
こちらのリードを受け入れる準備が、
子どもにできました。
「このれい(0)、ここ」に続いて、
20の2と、31の1をこの順に示しながら、
「にいちがに(2×1=2)」です。
そうして、20の2の真下を示して、
「ここ、に(2)」です。
となります。
最後に、
20の2と、31の3をこの順に示しながら、
「にさんがろく(2×3=6)」です。
そして、×の真下を示して、
「ここ、ろく(6)」です。
見本 の計算の仕方を説明しません。
いきなり の計算をリードします。
見本 を見て、
まねして計算することを、
問題 の計算でリードします。
式と答えを書くところだけを、
次々にリードして教えます。
と計算し終わります。
静かに泣いている子に、
「立って」とリードすることから始めて、
計算し直してしまいます。
(×÷026)