ダラダラと計算していた子です。テキパキと計算するリードを続けると、突然、サッサとに変わります。

計算問題を計算しているときの動きが、

ダラダラとしている子です。

 

宿題を取り出すのも、

鉛筆を持つのも、

ノートを開くのも、

計算するのも、

答えを書くのも、

消して書き直すのも、

ダラダラしています。

 

この子は、

九九を覚えることが好きでした。

 

テキパキと動いてしまう例外でした。

 

2の段から9の段まで覚えた後、

1つの段を

6秒で言えるようにする挑戦も好きでした。

顔を紅潮させて真剣そのものでした。

 

2の段、3の段、4の段から、9の段まで、

6秒で言えるようになりました。

 

でも九九以外は、

「あ~ぁ」と、自分でも、自分のことを

よく思っていない様子です。

 

算数に自信を持てません。

 

そして、

自分にも自信を持てません。

 

この子は、九九以外で、

テキパキと動く自分を見たことがないのです。

 

計算問題をダラダラと動いて計算する自分を

いつも見ています。

 

だから、この子をリードして、

テキパキと動かしてしまいます。

 

この子に、

今まで見たことのない

テキパキと動いて計算する自分を、

見せてしまいます。

 

目の前のダラダラと動く子を見ると、

「またなの」、「サッサとできるでしょ」と

どうしても、思ってしまいます。

 

このように思ったままのこちらが、

この子をリードすると、

この子のダラダラの動きを、

強引にテキパキの動きに変えようとします。

 

自然にマイナスの雰囲気になります。

 

ダラダラと動く子どもを言葉で叱らないとしても、

この子に持つマイナスの気持ちが、

こちらの動きに出てしまいます。

 

さてですが、

九九は例外でした。

テキパキと動いていました。

 

この子の中に、

テキパキと動く部分があるということです。

 

目の前のダラダラと動く子の中の

テキパキと動く部分を育てるつもりで、

この子をリードします。

 

この子の好きな九九ではありませんが、

こちらが代行して、

この子の宿題を取り出します。

 

サッと速い動きで取り出します。

この子は、こちらの速い動きを見ます。

 

こちらが鉛筆を持って、

この子に手渡します。

 

スッと手渡せば、

この子もパッと受け取ります。

自然と速い動きになります。

 

こちらがノートをパッと開きます。

子どもは速い動きを見ます。

 

1問目の  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算してしまいます。

 

7と2を順に示しながら、

「7×2=14」、「ここ、4」です。

 

サッサと計算をリードしています。

子どもは、すぐに4を書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:4\end{array} }}\\ です。

 

続いて、7と3を順に示しながら、

「7×3=21」、「1足して、22」、「ここ」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:224\end{array} }}\\ です。

 

こちらの計算の速さに合わせるように、

子どもは答えをサッと書きます。

 

このようなリードを続けます。

何回も、テキパキと動く子ども自身を

この子が見ます。

 

テキパキと動く自分の映像が、

この子の心の中で自然になったあるとき、

ダラダラと動いていたこの子が、

突然、テキパキサッサと動き始めます。

 

宿題に取り掛かるのも、

計算するのも、

終わるのもテキパキサッサです。

 

「えっ!」、「もう終わったの」って、

つい言ってしまうほど

短時間で終わらせるようになります。

 

(基本037)