子どもの「分からない」は、
計算したいのに、
計算できそうに見えるのに、
計算の仕方が思い付かないときです。
「分からない」と言う子が知りたいことは、
計算の仕方です。
18÷2= の答え9が
18÷2= を見ただけで
浮かぶ感覚を持っている子です。
この子が、
20÷2= を見て、
「分からない」と言います。
24÷3= の答え8が、
30÷5= の答え6が、
40÷8= の答え5が、
頭に浮かぶ子です。
でも、
20÷2= の答えは、
頭に浮かびません。
何となくですが、計算できそうですから、
計算したいと強く思いますが、
計算の仕方を思い付きません。
このような状態の子どもから、
「分からない」と言われたこちらは、
計算の仕方を教えます。
アレコレと理屈を教えないで、
計算の仕方だけをズバリ教えれば、
子どもは真剣になって聞いてくれます。
18÷2= の計算の仕方を教えるとき、
九九を利用しています。
九九は、子どものできる計算だからです。
=の右を示して、
「く(9)」と教えれば、
子どもは、18÷2=9 と書きます。
2と9と18を、この順に示しながら、
九九をスラスラ言える子の速いスピードで、
「にくじゅうはち(2×9=18)」と言えば、
子どもは、「そうやるのか」と納得できます。
20÷2= を、
同じように教えようとしても、
2の段の九九は、2×9=18 までですから、
九九を利用できません。
それでも強引に、
20÷2= の=の右を示して、
「じゅう(10)」と教えれば、
子どもは、20÷2=10 と書きます。
それから、
2と10と20を、この順に示しながら、
「に掛けるじゅう、にじゅう(2×10=20)」と言っても、
子どもは理解できません。
この子の計算の力は、
九九でしたら、2×9=18 までですから、
「そうやるのか」と、納得できません。
この子の計算の力を利用する
計算の仕方を工夫します。
九九を使えませんから、
わり算の答えが浮かぶ力を利用します。
20÷2= の、20の0を隠して、
20の2と、÷2の2が見えるようにしてから、
「に割るに(2÷2)?」と聞きます。
18÷2= を見たら、
答え9が浮かぶ感覚を持っている子ですから、
2÷2= の答え1が浮かぶはずですが、
「分からない」と言ったことがブレーキになって、
戸惑うのが普通です。
こちらが、
「いち(1)」と答を出して、
=の右を示して、
「ここ、いち(1)」と教えます。
20÷2=1 と、子どもが書いたら、
2÷2=1 に掛けているブレーキが
自動的に外れますが、
計算を進めます。
20の2を隠して、
20の0と、÷2の2が見えるようにしてから、
「ゼロ割るに(0÷2)?」と聞きます。
これも、子どもにできる計算ですが、
20÷2= を「分からない」と
言ってしまったことが根強くて、
まだブレーキが掛かっています。
こちらが、
「ゼロ(0)」と答を出して、
20÷2=1 の1の右を示して、
「ここ、ゼロ(0)」と教えます。
20÷2=10 と計算できます。
子どものできる計算を組み合わせています。
2÷2= や、
0÷2= の計算自体は、
楽にできる子です。
20÷2= に、
「分からない」と言ってしまったブレーキは、
個人差がありますが根強いですから、
22÷2= や、
24÷2= も同じように教えて、
計算の仕方をつかませてしまいます。
(基本 -020)、(×÷ -015)