子どもの今の悪さが目に付きますが、少しも注意しません。計算を望ましいスピードでリードします。

12÷4= のわり算から離れて、

ボ~ッとしています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\ のひき算を、

ダラダラと計算しています。

 

 {\Large\frac{26}{65}} の約分から離れて、

よそ見しています。

 

このような子への指導は、

「ボ~ッとしない」や、

「ダラダラしない」や、

「よそ見しない」のような注意が普通です。

 

そして不思議なことに、

注意して指導を終えることが普通です。

 

ボ~ッとすることがなくなったのか、

ダラダラとしなくなったのか、

よそ見しなくなったのかまで、

見届けることが少なくて、

注意しっ放しが普通です。

 

ですから、

ボ~ッとすることを注意した後、

12÷4= のわり算に戻ることを

子どもに任せています。

 

ダラダラとしていることを注意した後、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\ のひき算の計算のスピードを

速めることは、子ども次第です。

 

よそ見していることを注意した後、

 {\Large\frac{26}{65}} の約分に戻ることは、

子どもの自己責任です。

 

行われることが少ないのですが、

違う指導の仕方があります。

 

12÷4= のわり算から離れている子に、

ボ~ッとしていることを注意しないで、

無言で、12を示してから、

「しいちがし(4×1=4)、

しにがはち(4×2=8)、

しさんじゅうに(4×3=12)」と言って、

=の右を示して、

「しさんじゅうに(4×3=12)のさん(3)」と、

こちらが計算してしまいます。

 

ボ~ッとしていることを、

子ども自身も知っています。

 

だから、

何か注意されるだろうなと予想しています。

 

それなのに、

一言も注意されないで、

いきなり計算をリードされるのですから、

その大きなギャップに驚きます。

 

そして素早い動きで、

12÷4=3 と書いてしまいます。

 

「また計算しようかな」、

「でも、九九で答えを出すのは面倒だし」と、

心で思うともなく思って、

アレコレとグズグズしていた子ですが、

計算に戻ってしまいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\ をダラダラ計算している子に、

「ダラダラしない」と注意しないで、

無言で、3と5を隠してから、

「12-6、6」と計算を代行して、

6の下を示して、

「ここ、6」とリードします。

 

続いて、

隠していた3と5の3を示して、

「1減って、2」、

「12-5、7」、

「ここ、7」とリードします。

 

それから、

8を示して、

「1減って、7」、

「7-3、4」、

「ここ、4」とリードします。

 

計算を教えていません。

計算のスピードを見せています。

 

12-7 の答え5が頭に浮かぶこの子は、

こちらが速いスピードで計算する見本から、

計算のスピードを盗みます。

 

突然のように速い計算を見せられて、

驚きと共に、

素直に速いスピードを盗みます。

 

 {\Large\frac{26}{65}} から離れてよそ見ている子に、

静かに計算を語りかけます。

 

「13で割る」、

「上、13で割って、2」、

「下、13で割って、5」です。

 

分数の前に、

たし算・ひき算・かけ算・わり算を

一定のスピードで計算できるように育っています。

 

静かに計算を語りかけられたら、

よそ見していられなくなります。

 

(基本054)