計算から離れている子どもの鉛筆を動かします。こちらが答えをささやきます。これで動きます。

計算から離れています。

子どもの頭の中の計算をするスイッチが

切れています。

 

計算以外の何かをするスイッチが

入っています。

 

周りをキョロキョロします。

ボンヤリと何かを見ます。

頭の中で何かを想像しています。

あくびが出ます。

ウトウトとします。

いたずら書きをします。

 

このような子に、

答えだけを、突然のように言えば、

切れているスイッチが入ります。

 

計算をする頭のスイッチが入ります。

そして、計算し始めます。

 

子どもの真後ろからか、真横から、

6+6= の=の右を示して、

「じゅうに(12)」と言います。

5+8= は、「じゅうさん(13)」です。

 

小声でささやくような言い方です。

計算以外の何かから、

計算に移ります。

 

13-8= の=の右を示して、

「ご(5)」です。

13-7= は、「ろく(6)」です。

 

答えを言う前に、

「できないの?」、

「分からないの?」、

「何をグズグズしているの?」と言いません。

 

いきなりのように答えを、

小声でささやきます。

 

計算以外の何かから、

瞬時にひき算に入れ替わります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算は、

8 の真下を示して、

「ここ、12の2」です。

 

続いて、

28の2の真下を示して、

「ここ、8」です。

 

5+2 の答え7に、

繰り上がり数1を足して8です。

この答え8だけを言います。

 

答えを言った後、

「できるでしょ」、

「サッサとやってしまいな!」も言いません。

 

子どもの頭は、

すでに計算に入れ替わっています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 74 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算は、

5の真下を示して、

「ここ、9」です。

 

4から5を引けません。

左の7から1を借りて、

14から5を引きます。

その答え9です。

 

続いて、

15の1の真下を示して、

「ここ、6-1、5」です。

 

淡々と答えをささやきます。

すると、

子どもが答えを書きます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  96 \\ \:\times  \:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の筆算は、

2の真下を示して、

「2×6、12」です。

 

続いて、

96の9の真下を示して、

「2×9、18、19」です。

 

「2×9、18」の後に、

「繰り上がりの1を足して」は長くなります。

 

教えません。

こちらが計算して、

答えを出して、

その答えを言います。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  43 \\ \:\:\:\times  \: 23 \\ \hline \end{array}  }}\\ の筆算は、

子どもが計算する順に言います。

 

「3×3、9」、

「3×4、12」、

「2×3、6」

「2×4、8」、

「よこ棒」です。

 

「よこ棒」の続きは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 129 \\ +\: 86\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算のたし算です。

 

子どもの鉛筆が動かなければ、

たし算の答えを右から、

「9」、「8」、「9」と言います。

 

それぞれ順に、

9を下へ、2+6、1+8 の答え9、8、9です。

 

子どもはすぐに答えを書きます。

素直に答えを書きます。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 7 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 51 \:\:\:\:\:\\   \:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\ は、

「7、あまり、・・・(点点点)」で少し待ち、

子どもの鉛筆が動かなければ、

「2」です。

 

7×7=49、

51-49 の2です。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 6 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 220 \:\:\:\:\:\\   \:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\ の筆算は、

左から2つ目の2の真上を示して、

「ここ、3、あまり」、

「4」です。

 

22÷6 の答え 3・・・4 です。

 

続いて、

220の0の真上を示して、

「ここ、6、あまり」、

「4」です。

 

40÷6 の答え 6・・・4 です。

 

子どもは必ず問題を見ています。

答えだけを言われた後、

書くのは子どもです。

 

書くと頭が動きます。

計算し始めます。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 41 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 90 \:\:\:\:\:\\   \:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\ の筆算は、

0の真上を示して、

「ここ、2」です。

 

続いて、

41×2 の計算を順に言います。

「2×1、2」、

「2×4、8」です。

 

続きは、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 90 \\ - 82 \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算のひき算です。

 

子どもの鉛筆が動かなければ、

「8」と言います。

 

0から2を引けません。

左の9から1を借りて、

10から2を引きます。

その答え8です。

 

答え以外の何かを教えるとどうなるでしょうか?

子どもの頭が計算から離れてしまいます。

 

 {\Large\frac{54}{27}} を仮分数に変えます。

余白に、「54割る27」と言いながら、

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 27 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 54 \:\:\:\:\:\\   \:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\ の筆算を書きます。

 

この筆算を計算する順にしたがって言います。

「2」、

「2×7、14」、

「2×2、4、5」です。

 

 {\Large\frac{12}{16}} の約分は、

「4で」と言います。

割る数だけを言います。

 

 {\Large\frac{26}{65}} の約分で、

「13で」と言って、

子どもの鉛筆が動かなければ、

「上、2」と言います。

 

もっと言いたくなります。

その気持ちを抑えます。

答えだけに絞り込みます。

子どもは必ず考えます。

計算し始めます。

 

 {\Large\frac{2}{9}} {\Large\frac{5}{12}} の分数のたし算は、

「下、36」と分母だけを言います。

 

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}} の分数のたし算でしたら、

「下、38」です。

 

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{5}{14}} の分数のたし算は、

「下、84」です。

共通分母を探すことが難しい問題です。

 

答えだけを子どもの耳元でささやきます。

 

 {\Large\frac{1}{10}}-7 {\Large\frac{9}{10}} の分数のひき算は、

「1から9を引けない」と言ってから、

左の帯分数の8を示して、

「これ、7に」です。

 

続いて、

「1+10、11」です。

左の帯分数が、

 {\Large\frac{11}{10}} に変わります。

 

 {\Large\frac{3}{10}}×2 {\Large\frac{2}{9}} の分数のかけ算は、

「10分の3、掛ける」、

「9分の、9×2、18」、

「18+2、20」です。

 

右の帯分数が、

 {\Large\frac{20}{9}} に変わります。

 

答えを書かせてしまいます。

すると鉛筆が動きます。

子どもの頭も動きます。

子どもは計算し始めます。

 

(基本055)