立たせてから座らせます。こちらが教えたことを書かせます。目的は、体を動かして頭を動かすことです。

6+3= の6を「ろく」と黙読して、

+3の3を見てから、

「しち、はち、く」と、

指で3回数えて答え9を出す子です。

 

単調な計算に飽きて、

集中が切れてボ~ッとしています。

 

静かな鋭い口調で、

でも、とがめる気持ちゼロで、

「立って」と言います。

 

この子の心の中の

この子をリードするリーダーの代行です。

 

集中が切れていたこの子は、

ダラダラと立ちます。

 

「あなたの心の中のリーダーを差し置いて、

リードしています」、

「それなのに立ってくれたね」、

「でも、もっと速くできるでしょ」と、

このように心の中で思って、

「遅い」と子どもに指摘します。

 

その後すぐに、

「座って」と言います。

子どもを動かします。

 

速さを意識し始めた子は、

速い動作で、

スッと座ります。

 

「速い」と、

速さを認めます。

 

これだけのことですが、

止まっていた計算 9+4 の

9を見て、「く」と黙読して、

+4の4を見てから、

「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と、

指で数えて計算し始めます。

速いスピードです。

 

たし算と関係のない、

立ったり座ったりする動きでもいいのです。

子どもを動かします。

 

動いた子のスピードを

速めるように刺激します。

 

11-5= のひき算に、

5に何かを足して11になるようにして、

6を出す子です。

 

少しの手間ですが、

試行錯誤が嫌になると、

何かをボンヤリと眺めてしまいます。

計算から離れます。

 

13-9= で止まっていれば、

「し」と言います。

 

子どもがユックリと

13-9=4 と書いたら、

「もっと速く」と、

早口で、書くスピードを刺激します。

 

そして、

9と4と13をこの順に示しながら、

早口で、「く足すし、じゅうさん」です。

 

続いて次の問題 14-8= に、

「ろく」と言います。

 

14-8=6 と、

スピードを意識した子は、

スッと書きます。

 

「そう、その速さ」と、

早口で認めてから、

8と6と14をこの順に示しながら、

早口で、「はち足すろく、じゅうし」です。

 

こちらの出した答えを、

手や腕や目を動かして書きます。

 

動いたら、

その速さを刺激されます。

 

こうするだけで、

子どもの頭は、クルクルと回り始めます。

 

(基本059)