座った姿勢から立ち上がることで体を動かします。これが頭への刺激になります。

 {\Large\frac{6}{9}} {\Large\frac{2}{3}} と約分できる子です。

 

分母と分子を同じ数で割ることを知っています。

同じ数を何となく探し出せます。

 

この子が、

 {\Large\frac{30}{33}}= を約分できません。

 

分子30、分母33ですから、

3で約分できそうです。

 

でも、

30や、33を3で割ることができなくて、

問題をジッと見ています。

 

この子に、

やや風変りな教え方をします。

 

「3で割ることに気付いています」、

「合っています」、

 

「30÷3= や、33÷3= は、

前に計算しています」、

「思い出せないようですから、

同じ計算の仕方でリードします」、

 

「やや風変りですが、『あっ、あれだ』となるように、

あなたを立たせます」、

「体を動かすことが頭への刺激になるからです」、

このように心で決めてから

この子をリードします。

 

突然に、

「立って!」で立たせてしまいます。

 

そして

子どもを立たせたまま、

計算をリードします。

 

 

 {\Large\frac{30}{33}}= の30の0を隠して、

 {\Large\frac{3\:\:\:\:}{33}}= のように見えるようにして、

「3÷3?」、「1」と答えをリードして、

「ここ、1」です。

 

 {\Large\frac{3\:\:\:\:}{33}} {\Large\frac{1\:\:\:\:}{\:\:\:\:\:\:\:\:}} になります。

 

続いて、

30の3を隠して、

 {\Large\frac{\:\:\:\:0}{33}} {\Large\frac{1\:\:\:\:}{\:\:\:\:\:\:\:\:}} のように見えるようにして、

「0÷3?」、「0」と答えをリードして、

「ここ、0」です。

 

 {\Large\frac{30}{33}} {\Large\frac{10}{\:\:\:\:\:\:\:\:}} になります。

 

それから、33の右の3を隠して、

 {\Large\frac{30}{3\:\:\:\:}} {\Large\frac{10}{\:\:\:\:\:\:\:\:}} のように見えるようにして、

「3÷3?」、「1」、「ここ、1」です。

 

 {\Large\frac{30}{33}} {\Large\frac{10}{1\:\:\:\:}} と、

立ったままの子どもが書きます。

 

最後に、33の左の3を隠して、

 {\Large\frac{30}{\:\:\:\:3}} {\Large\frac{10}{1\:\:\:\:}} のように見えるようにして、

「3÷3?」、「1」、「ここ、1」です。

 

 {\Large\frac{30}{33}} {\Large\frac{10}{11}} と約分できます。

 

次々にリードします。

1分もかかりません。

 

立って体を動かした後、

知っているはずの 30÷3 の計算を

前と同じ計算の仕方でリードされると、

「あっ、あれだ!」となりやすいのです。

 

座ったままでしたら、

教えてもらおうとします。

 

立たせるだけで、

自分で計算しようとする気持ちが出ます。

 

座っている姿勢から立つ姿勢に、

体を動かすことで、

頭がリセットされます。

自分で計算しようとします。

 

(基本061)、(分数  {\normalsize {α}} -005)