6+8= や、11-4= の全体を見る目の焦点を、計算をリードすることで、子どもに体得させます。

7+4= の7を見て、

「しち」と黙読して、

+4 の4を見て、

「はち、く、じゅう、じゅういち」と数えて、

答え11を計算して、

=の右を見て、

7+4=11 と書きます。

 

こちらが、

子どもに教えた計算の仕方です。

 

教えるこちらも、

学ぶ子どもも、

このような計算の仕方に、

目の動きも含まれていることを

ほとんど意識していません。

 

意識していませんが、

目の動きも教えていますから、

子どもは学んでいます。

 

目の動きも、

計算の仕方の一部分として学んだ子どもは、

7+4= の7を見て、

次に、+4 の4を見て、

そして、=の右を見て、

7+4=11 と書きます。

 

数える計算を繰り返していると、

8+5= の8を見て、

+5 の5を見たらすぐに、

答え13が浮かぶようになります。

 

数える前に答えが浮かびます。

たし算の感覚を持ったからです。

 

こうなってから後も、

9+3= の9を見て、

+3 の3を見る目の動きが続きます。

 

9を見て、「く」と黙読することも、

+3の3を見て、

「じゅう、じゅういち、じゅうに」と数えることも、

する必要がなくなっています。

 

9+3= の9と3の2つを、

同時に見るだけで、

答え12が浮かぶのですが、

目の動きの習慣のままに

9を見てから3を見ています。

 

9を見てから3を見る

目の動きの習慣を入れ替えます。

 

9と3の両方を同時に見る目の動きを、

計算をリードしながら体得させます。

 

6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、

8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、

5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7=。

 

このようなたし算で、

6+8= の+を示して、「じゅうし(14)」、

4+6= の+を示して、「じゅう(10)」、

9+5= の+を示して、「じゅうし(14)」と、

計算をリードします。

 

6+8= の6を見て、+8 の8を見たら、

答え14が浮かぶ今の習慣を、

6と8の2つを同時に見て、

答え14が浮かぶようにします。

 

6と8の両方を同時に見るのですから、

6+8= の全体を見る見方です。

「+」を示すことで、促しています。

 

見方を入れ替えるのですから、

子どもは戸惑います。

 

6+8= のたし算は、

6を見てから8を見る見方でも、

6+8= の全体を一度で見る見方でも、

答え14が浮かぶことは同じです。

 

6+8= のたし算では、

どちらの見方であっても、

同じように計算できます。

 

全体を見る見方が必須になるのは、

高校数学の因数分解です。

 

 {a^{2}+a-b-b^{2}} のような因数分解は、

全体を見る目の焦点を持たないと、

計算できません。

 

 {「a^{2}」} {「+a」} {「-b」} {「-b^{2}」}

4つの部分を、一つ一つ見る焦点では、

因数分解を思い付きません。

 

因数分解まで進んでから、

全体を見る目の焦点を体得するには、

多大の努力が必要です。

 

6+8= や、4+6= のようなたし算で、

全体を見る目の焦点を体得するのは、

少し努力すれば済むことです。

 

+を示して答えをささやくだけで、

6+8= の全体を一度で見る目の焦点を、

子どもは自然に体得するようになります。

 

さて、

15-6= のひき算を、

たし算の答えが浮かぶ感覚を持った子に、

たし算を利用して教えます。

 

15-6= の「6」と「=の右」と「15」を、

この順に示しながら、

「ろく(6)に何を足したらじゅうご(15)」です。

 

こう教えることで、

子どもの視線は、

15-6= の一部分を、

計算する順に見るように動きます。

 

たし算を利用する計算を教えていますが、

視線の動かし方も教えています。

 

こうだろうと思う数を当てはめれば、

少しの試行錯誤で、

15-6= の答え9が見つかります。

 

子どもの目の動きは、

15-6= の6を見てから15を見ます。

 

そして、

6に何かを足して15にする何かを探します。

 

たし算を利用するひき算を続けていると、

13-8= の8を見て13を見たらすぐ、

答え5が浮かびます。

 

8+5= を計算していないのに、

8に5を足すと13になる5が浮かびます。

ひき算の感覚を持ったからです。

 

ひき算の感覚を持った後も、

子どもの目の動きは変わりません。

習慣になっています。

 

11-4= の4を見てから11を見ます。

一部分を順に見る目の動きです。

 

一部分を順に見る目の動きを、

全体を一度で見る目の動きに入れ替えます。

こうできるからこうします。

 

11-4= の「-」を示して、

「しち(7)」とリードします。

 

4を見てから11を見る目の焦点を、

11-4= の全体を見る目の焦点に、

目の焦点を絞り直すリードです。

 

11-4= の

4を見てから11を見るときの焦点と、

11-4= の全体を見るときの焦点は

少し違います。

 

でも、

式全体を見るこのような焦点は、

言葉で教えることができません。

 

たし算やひき算の感覚を持った後、

「+」や「-」を示してから、計算をリードすれば、

子どもは、

全体を見る目の焦点を体得します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -045)、(+-  {\normalsize {α}} -036)