中学数学の正負の加減の計算は、理解しようとしているのかどうかよりも、慣れようとしているのかどうかが大事です。

正負の加減の「-」の計算で、

混乱する子がいます。

 

-6-2=-8 と、

正しく計算できません。

 

-6-2=-4 とします。

間違いです。

 

-6-2=-8 と計算するには、

6 と 2 を足して、8 にしてから、

「-」を付けて、-8 とします。

 

でも、

-6-2= の式の中に、

どこにも + がありません。

 

見えるのは、- だけですから、

ひき算に見えてしまいます。

 

ひき算に見えますから、

引いて計算します。

 

分数になっても同じです。

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{1}{7}}=- {\Large\frac{5}{7}} と計算できません。

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{1}{7}}=- {\Large\frac{3}{7}} と引いてしまいます。

 

「-」しかありませんから、

ひき算に見えてしまいます。

 

「-」だけの計算なのに、

足すことに、気持ちが抵抗します。

 

足せば、〇になり、

引けば、×になると知っていますが、

足して計算することに慣れません。

 

このような子は、

理解できていないから、

計算を間違えるとみなされるのが普通です。

 

少し違う見方があります。

 

普通ではありませんが、

慣れていないだけとみることもできます。

 

こちらがこの子を、

理解できていないとみれば、

アレコレと説明してしまいます。

 

アレコレと教えてみると分かりますが、

子どもをもっと混乱させることが多いのです。

 

慣れていないだけとみれば、

慣れるための手伝いをします。

 

-6-2= の計算に、慣れてしまったら、

どこをどのように見て、

どのように決めてから計算するのかを、

この子に見せます。

 

-6-2= の2つの - を示しながら、

「マイナス、マイナス」と言ってから、

「足す」とつぶやき、

「ろく足すに、はち(6+2=8)」、

「マイナス(-)を付けて、マイナスはち(-8)」です。

 

-6-2= の計算に慣れたときの

計算の仕方を実況中継しています。

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{1}{7}}= も同じような実況中継を、

子どもに見せます。

 

2つの - を示しながら、

「マイナス、マイナス」と言ってから、

「足す」とつぶやき、

「下、しち(7)」、

「上、し足すいち、ご(4+1=5)」、

「マイナス(-)を付ける」です。

 

子どもが、

「慣れてしまえばいいのだ」と気が付けば、

慣れることに集中しますから、

慣れてしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -108)、(分数  {\normalsize {α}} -022)