2次方程式 の
解を判別する問題があります。
高校数学です。
この「解を判別する問題」で、
「これが答えなの?」と、
疑問に思う子が多いのです。
順に、詳しく
お話しいたします。
2次方程式 の
解を判別するために、
を計算します。
は、
解を判別する式です。
だから、判別式と呼ばれます。
この を計算して、
その符号が分かれば、
解を判別できます。
プラスなのか、
ゼロなのか、
マイナスなのかです。
符号がプラスであることを、
式で、D>0 と書きます。
ゼロ(0)よりも大きいのですから、
確かに、符号はプラスです。
ゼロのときは、
式で、D=0 です。
これは、見慣れた書き方です。
符号がマイナスであることは、
式で、D<0 になります。
ここまでが、
2次方程式 の
解を判別する準備です。
解の判別は、
シンプルです。
D>0 でしたら、
「異なる2つの実数解」です。
D=0 でしたら、
「重解」です。
D<0 でしたら、
「異なる2つの虚数解」です。
ここまで進んでいる子でしたら、
2次方程式 の
判別式を、 とすれば、
D>0 ⇔ 「異なる2つの実数解」、
D=0 ⇔ 「重解」、
D<0 ⇔ 「異なる2つの虚数解」と、
書かれた説明を読めば、理解できます。
2次方程式を解くのではなくて、
どのような解なのかを判別する問題があって、
判別式の符号を知れば
解を判別できる・・・のようなことを
理解できます。
「どうして、解の判別をするのか?」ではなくて、
「こうすれば解を判別できるのだ!」です。
これが理解です。
このような説明を読んで、
「なるほど」と理解するのは、
子どもの内面の指示役(リーダー)です。
実際に問題を解く実行役ではありません。
「なるほど!」と、
説明を理解できたら、
「解の判別」の例題を見ます。
例題は、
の解の判別です。
判別式を計算すると、
のように、
符号がプラスですから、
「異なる2つの実数解」と判別しています。
「なるほど!」と、
子どもの内面の指示役(リーダー)が納得したら、
問題を解きます。
例題をまねして、
問題 の解を判別します。
指示役(リーダー)が、
「 x に付いている 7 が、b、
に付いている 3 が、a、
x が付いていない 4 が、c だから、
を計算する」と、指示します。
実行役が、
と計算します。
続いて、
指示役(リーダー)が、
「 D の正負を決めて、
ルールから、解を判別する」と、指示します。
実行役が、
D=1 から、
判別式の符号をプラスと決めて、
「異なる2つの実数解」と判別します。
ここまで解いて、
指示役(リーダー)は、迷います。
「これが答えなのだろうか?」の迷いです。
説明を読んで、
指示役(リーダー)が、
「なるほど!」と、理解したとき、
迷いがありません。
例題を見て、
解を判別する流れを見て、
指示役(リーダー)が、
「こうするのか!」と納得したときも、
迷いがありません。
例題をまねして、
問題を、
指示役(リーダー)の指示で、
実行役が解いたとき、
「これが答えなのだろうか?」と迷います。
指示役(リーダー)と、実行役が協力して、
問題 の解を判別したとき、
初めて迷います。
指示役(リーダー)が、
解き方を理解するプロセスは、
「入れる学び」です。
指示役(リーダー)が指示して、
実行役が解くプロセスは、
「出す学び」です。
「入れる学び」で理解する範囲と、
「出す学び」で理解する範囲は、
少し違うようです。
「入れる学び」で、
「分かった」で終わりにしないで、
「出す学び」で、
問題を解くことまでして、
「そういうことか!」としておくことが、
算数や数学の学び方です。
指示役(リーダー)の迷いのまま、
「これが答えなの?」と子どもから聞かれたら、
「そう」と受けて、
子どもの内面の指示役(リーダー)が
迷いを解消する手助けをします。
こちらから、
「そう」と言われて、
「異なる2つの実数解」が答えだと保証されても、
子どもの迷いは残ります。
迷いを解消できるのは、
指示役(リーダー)本人です。
こちらは手助けしかできません。
(基本 -113)、(分数 -026)