算数や数学の計算では、
ウッカリミスが出ます。
このウッカリミスを、
少し掘り下げます。
子どもが計算するとき、
子どもの内面の
指示役(リーダー)と実行役が協力します。
指示役(リーダー)が指示して、
実行役が計算します。
のたし算を例にします。
子どもの内面の指示役(リーダー)に、
こちらの計算を実況中継して見せます。
指示役(リーダー)に、
計算の指示の仕方を、
代行して実況中継で見せます。
6と9を隠して、
このように、
7と5が見えるようにしてから、
「しち足すご、じゅうに(7+5=12)」、
「に(2)」、
「指、いち(1)」です。
と、
子どもの内面の実行役が書いたら、
隠していた6と9を見せて、
こうしてから、
「ろく足すく、じゅうご(6+9=15)」、
「いち増えて、じゅうろく(16)」です。
実行役が、 と書きます。
計算の指示役(リーダー)が、
こちらの実況中継を見て、
指示の仕方をまねできれば、
実行役に、計算を指示できます。
もちろん、
一人の子どもの内面の
指示役(リーダー)と実行役です。
こちらが、子どもに
計算を実況中継するときは、
互いに他者です。
子どもの内面の指示役(リーダー)が、
実行役に計算を指示するとき、
実は、一人の内面ですから、一体です。
微妙に違います。
次の問題 を、
指示役(リーダー)が、
実行役に指示して計算します。
指示役(リーダー)が、
8と7を上から下に見て、
「はち足すしちは?」と、
実行役に指示します。
たし算の感覚を持っている実行役は、
答え「じゅうご(15)」を浮かべます。
指示役(リーダー)は、
実行役の出した答えから、
「じゅうごのご(5)を書く」と、
実行役に指示して、
繰り上がり数1を覚えます。
実行役は、
と書きます。
次に、指示役(リーダー)は、
6と4を上から下に見て、
「ろく足すしは?」、
「答えをいち(1)増やすと?」と、
実行役に指示します。
実行役は、
じゅう(10)と計算してから、
いち(1)増やして、
じゅういち(11)にします。
実行役の計算結果を、
指示役(リーダー)が、
「じゅういち(11)を書く」と指示します。
実行役は、
と書きます。
このように、
指示役(リーダー)と、実行役が協力して、
問題 を計算します。
さて、
ウッカリミスを、
指示役(リーダー)も、
実行役もします。
問題 の
8と7を上から下に見た指示役(リーダー)が、
気の緩みから、
「はち足すごは?」と指示したら、
指示役(リーダー)のウッカリミスです。
「はち足すごは?」と指示された実行役が、
気の緩みから、
答え「じゅうし(14)」を浮かべたら、
実行役のウッカリミスです。
困ったことに、
気の緩みはいつでも起こります。
そして、
ウッカリミスは、いつでも出ます。
計算の指示役(リーダー)や、実行役の
気の緩みを減らす一つが、
動作のスピードを速めることです。
例えば、
問題 の
8と7を上から下に見るスピードを速くします。
そして、
見たらすぐ、
「はち足すしちは?」と指示します。
このように指示役(リーダー)の
動きを速めることで、
気の緩みを減らすことができます。
指示役(リーダー)から、
「はち足すしちは?」と指示されたら、
実行役は、瞬時に
答え「じゅうご(15)」を浮かべます。
たし算の感覚を素早く使うようにするのが、
実行役の動きを速めることです。
(基本 -114)、(+- -086)