計算の指示役(リーダー)も、実行役も、気の緩みを起こしますから、ウッカリミスが出ます。動きを速めることで、気の緩みを減らすことができます。

算数や数学の計算では、

ウッカリミスが出ます。

 

このウッカリミスを、

少し掘り下げます。

 

子どもが計算するとき、

子どもの内面の

指示役(リーダー)と実行役が協力します。

 

指示役(リーダー)が指示して、

実行役が計算します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 67 \\ +\: 95 \\ \hline \end{array} }} \\ のたし算を例にします。

 

子どもの内面の指示役(リーダー)に、

こちらの計算を実況中継して見せます。

 

指示役(リーダー)に、

計算の指示の仕方を、

代行して実況中継で見せます。

 

6と9を隠して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:7 \\ +\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ このように、

7と5が見えるようにしてから、

「しち足すご、じゅうに(7+5=12)」、

「に(2)」、

「指、いち(1)」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:7 \\ +\:\:\: 5 \\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\ と、

子どもの内面の実行役が書いたら、

隠していた6と9を見せて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 67 \\ +\: 95 \\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\ こうしてから、

「ろく足すく、じゅうご(6+9=15)」、

「いち増えて、じゅうろく(16)」です。

 

実行役が、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 67 \\ +\: 95 \\ \hline162\end{array} }} \\ と書きます。

 

計算の指示役(リーダー)が、

こちらの実況中継を見て、

指示の仕方をまねできれば、

実行役に、計算を指示できます。

 

もちろん、

一人の子どもの内面の

指示役(リーダー)と実行役です。

 

こちらが、子どもに

計算を実況中継するときは、

互いに他者です。

 

子どもの内面の指示役(リーダー)が、

実行役に計算を指示するとき、

実は、一人の内面ですから、一体です。

 

微妙に違います。

 

次の問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline \end{array} }} \\ を、

指示役(リーダー)が、

実行役に指示して計算します。

 

指示役(リーダー)が、

8と7を上から下に見て、

「はち足すしちは?」と、

実行役に指示します。

 

たし算の感覚を持っている実行役は、

答え「じゅうご(15)」を浮かべます。

 

指示役(リーダー)は、

実行役の出した答えから、

「じゅうごのご(5)を書く」と、

実行役に指示して、

繰り上がり数1を覚えます。

 

実行役は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline \:\:\:\:5\end{array} }} \\ と書きます。

 

次に、指示役(リーダー)は、

6と4を上から下に見て、

「ろく足すしは?」、

「答えをいち(1)増やすと?」と、

実行役に指示します。

 

実行役は、

じゅう(10)と計算してから、

いち(1)増やして、

じゅういち(11)にします。

 

実行役の計算結果を、

指示役(リーダー)が、

「じゅういち(11)を書く」と指示します。

 

実行役は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline115\end{array} }} \\ と書きます。

 

このように、

指示役(リーダー)と、実行役が協力して、

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline \end{array} }} \\ を計算します。

 

さて、

ウッカリミスを、

指示役(リーダー)も、

実行役もします。

 

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline \end{array} }} \\

8と7を上から下に見た指示役(リーダー)が、

気の緩みから、

「はち足すごは?」と指示したら、

指示役(リーダー)のウッカリミスです。

 

「はち足すごは?」と指示された実行役が、

気の緩みから、

答え「じゅうし(14)」を浮かべたら、

実行役のウッカリミスです。

 

困ったことに、

気の緩みはいつでも起こります。

 

そして、

ウッカリミスは、いつでも出ます。

 

計算の指示役(リーダー)や、実行役の

気の緩みを減らす一つが、

動作のスピードを速めることです。

 

例えば、

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 47 \\ \hline \end{array} }} \\

8と7を上から下に見るスピードを速くします。

 

そして、

見たらすぐ、

「はち足すしちは?」と指示します。

 

このように指示役(リーダー)の

動きを速めることで、

気の緩みを減らすことができます。

 

指示役(リーダー)から、

「はち足すしちは?」と指示されたら、

実行役は、瞬時に

答え「じゅうご(15)」を浮かべます。

 

たし算の感覚を素早く使うようにするのが、

実行役の動きを速めることです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -114)、(+-  {\normalsize {α}} -086)