内面の指示役(リーダー)に、式や答えを生み出すように考えさせれば、指示役(リーダー)が育ちます。

自分の内面の指示役(リーダー)を、

育てていることに気付いている子がいます。

 

そして、

指示役(リーダー)は、

考えさせることで育てることを、

自らの育ちを通して知っています。

 

だから、

「問題を解いてしまう」、

「解き方を工夫してしまう」と先に決めて、

内面の指示役(リーダー)に考えさせます。

 

例えば、

t → 0 とする極限値を計算します。

 

{\displaystyle\lim_{t\to0}} {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} のような問題です。

 

この問題を見て、

指示役(リーダー)に考えさせてから、

計算の実行役に指示します。

 

アレコレと順不同で

さまざまなことを考えさせます。

 

「できない」や、

「分からない」は、

禁じ手です。

 

「解く」と決めて、

「解き方」を考えるから、

内面の指示役(リーダー)が育ちます。

 

内面の指示役(リーダー)は、

「 t を、0 に近づけると、

 {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} の分母も分子も、

0 に近づきます」に、

すぐに気付きます。

 

そして、

解くために考えていきます。

 

「 分数式  {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} のままでは、

 {\Large\frac{0}{0}} に近づいてしまいます」ですから、

分数式  {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} のままでは、

何に近付くのか分かりません。

 

つまり、

t を、0 に近づけるとき、

分数式  {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}}

分子  {\normalsize {3t-4t^{3}}} と、

分母  {\normalsize {2t-3t^{2}}} それぞれの 0 への近付き方が、

同じ程度なのか、それとも違うのかが、

このままでは分からないのです。

 

そこで、

内面の指示役(リーダー)は、

式を詳しく見ます。

 

 {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} を見ると、

分子  {\normalsize {3t-4t^{3}}} の 3t も、 {\normalsize {4t^{3}}} も、t があり、

分母  {\normalsize {2t-3t^{2}}} の 2t も、 {\normalsize {3t^{2}}} も、t があります。

t で約分できます」と分かります。

 

 {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} の分母と分子を、

t で約分できることを式で表すには、

分母と分子を、t で因数分解します」のように、

この問題の解き方を、

指示役(リーダー)は考えます。

 

そして、

指示役(リーダー)が、

計算の実行役に指示します。

 

「 分数式  {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}} の分母と分子を

それぞれ t で因数分解して、

t で約分して、

式を書き換えると?」です。

 

計算の実行役は、

 {\Large\frac{{t(3-4t^{2})}}{{t(2-3t)}}}因数分解して、

t で約分して、

 {\Large\frac{{3-4t^{2}}}{{2-3t}}} と書き換えます。

 

また、

指示役(リーダー)は考えて、

計算の実行役に指示します。

 

 {\Large\frac{{3-4t^{2}}}{{2-3t}}} の t を、0 に近づけると?」、

「ここまでの計算の流れを式で書くと?」です。

 

計算の実行役は、

{\displaystyle\lim_{t\to0}} {\Large\frac{{3t-4t^{3}}}{{2t-3t^{2}}}}

{\displaystyle\lim_{t\to0}} {\Large\frac{{t(3-4t^{2})}}{{t(2-3t)}}}

{\displaystyle\lim_{t\to0}} {\Large\frac{{3-4t^{2}}}{{2-3t}}}

 {\Large\frac{3}{2}}

と、計算の流れを式で書きます。

 

内面の指示役(リーダー)を育てるために、

指示役(リーダー)に考えさせます。

 

式を生み出すように、

答えをひねり出すように

考えるから指示役(リーダー)が育ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -117)、(分数  {\normalsize {α}} -029)