未知数が、x、y、z の3つの連立方程式です。y に付いている数(係数)だけを2倍にすると、y の答えは、どうなるでしょうか?

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=13\\x+2y-z=7\\3x-y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} と、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y+z=13\\x+4y-z=7\\3x-2y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解きます。

 

この2つの連立方程式を組にします。

子どもの心を刺激することができます。

 

まず、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=13\\x+2y-z=7\\3x-y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解く前に、

「何を消す?」、

「どうする?」と子どもに聞きます。

 

子どもは、

「 z を消す」としてから、

1番目と2番目の式を示しながら、

「これとこれを足す」と、答えます。

 

こう答えたように、

子どもが解きます。

 

そして、

x=7、y=2、z=4 と、

答えを出します。

正しい答えです。

 

それから、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y+z=13\\x+4y-z=7\\3x-2y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解く前に、

解き終わった {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=13\\x+2y-z=7\\3x-y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} と、

見比べさせます。

 

2つの連立方程式を示して、

「どう違う?」と聞きます。

 

それぞれの3つの式で、

y に付いている数(係数)が、

2倍です。

 

残りは、

すべて同じです。

 

2倍になっていることを、

子どもが答えてくれた後、

「 y の答えは、どうなる?」と聞きます。

 

子どもは、

「2倍」と答えてくれます。

 

正しくは、

 {\Large\frac{1}{2}} 倍(半分)です。

 

子どもの答え「2倍」は、

間違えていますが、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y+z=13\\x+4y-z=7\\3x-2y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解くことで、

「2倍」かどうかを確かめられますから、

解く気持ちが強くなります。

 

解きながら子どもは、

「 x や、z は変わらないのだろうか?」、

「 y の答えだけが変わるのだろうか?」、

「2倍だろうか?」のような疑問を持っています。

 

このような解き方をしている子は、

数学の新しい学び方を体験しています。

 

課題(仮説: y の答えは2倍)を持って、

解く解き方です。

 

実は、

このような連立方程式には、

線形といわれる性質があります。

 

「 y の答えは、どうなる?」のような質問で、

子どもに、疑問を先に持たせて、

連立方程式を解かせることで、

疑問(仮説)を解決するような

今までと違う解き方を体験させています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -138)、(分数  {\normalsize {α}} -044)