50×43= や、
60×23= の計算の仕方をつかむまで、
時間のかかる子がいます。
確かに、
つかみにくい難しい計算です。
まず、
50×43= の 0 を、
50×43= 0 と書きます。
次に、
5 から、3 を見て、
5×3=15 と計算して、
50×43= 50 のように、
5 だけを書きます。
15 の 1 は、
繰り上がり数です。
そして、
5 から、4 を見て、
5×4=20 と計算して、
繰り上がり数 1 を足した 21 を、
50×43=2150 と書きます。
教え方は、
こちらが計算して見せる
動画見本の実況中継です。
こちらから習って、
計算の仕方が分かったら、
子どもは自力で計算します。
自力で計算している自分を、
子どもが連想しやすい教え方が、
こちらの動画見本の実況中継です。
例えば、
60×23= でしたら、
60 の 0 を示して、
「このゼロ、ここ」で、
= の数字4つ分くらい右を示します。
子どもは、
60×23= 0 と書きます。
自力で計算している自分を、
連想しているはずです。
子どもが書くのを見てから、
6 と、23 の 3 を示しながら、
「6×3=18」、
「ここ、8」で、
子どもが書いた 0 の手前を示し、
それから、「指、1」です。
子どもは、
60×23= 80 と書いて、
1 を指に取ります。
計算している自分を連想しています。
そして、
6 と、23 の 2 を示しながら、
「6×2=12」、
「1 足して、13」、
「ここ、13」で、
子どもが書いた 10 の手前を示します。
子どもは、
60×23=1380 と書いたら、
自分も参加した計算が終わります。
このようなこちらの計算を見て、
一部分は計算に参加して、
計算の仕方をつかむ単純なゲームです。
「どうやっているのだろう?」の疑問を持って、
計算の仕方を自力でつかむゲームであると、
子どもは承知しています。
主体的に参加できるゲームが好きですから、
真剣になって、
こちらの動画見本の実況中継を見ます。
同じような真剣さで見ていても、
つかむまでの時間に、
長いと短いの差が出ます。
思っている以上に大きな差です。
この差を生み出す原因は、
子どもが自分の何を見ているのかの違いです。
「そうやるのか!」と、
自分が理解できている部分を見て、
分かっていることとして計算する子は、
計算の仕方を短い時間でつかみます。
60 の 0 を示して、
「このゼロ、ここ」の実況中継は、
1回見るだけで理解できます。
こちらの動画見本のまねできる部分を、
「なるほど!」、
「これならばできる」と見る子です。
こうではなくて、
「ここが、まだ分からない」と、
理解できない部分に集中する子は、
計算の仕方をつかむのが遅れます。
60 の 0 を示して、
「このゼロ、ここ」の実況中継を、
1回見るだけで理解できているのに、
まねできる部分を見ない子です。
理解できない部分を見る子は、
心に、
とても強い抑止力があることが多いようです。
強い不安のような感情的な抑止力は、
計算の仕方をつかむ子を邪魔します。
こちらの動画見本は、
子どもが、
今すでに持っている力だけの計算です。
感情的な抑止力に邪魔されても、
時間がかかるだけで、
計算の仕方をつかむことができます。
子どもが計算の仕方をつかむまで、
動画見本を繰り返し見せます。
このように、
自分を邪魔する強い抑止力を心に持っている子は、
計算ができないや、
能力が劣ると思われることがあります。
そうではなくて、
心の強い抑止力に邪魔されているだけです。
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