正しくできている部分を、「合っている」と認めることが、誤解している部分を正すエネルギーです。

不等式 5x-9<-10x を、解きます。

 

5x+10x<9 と移項して、

15x<9 と計算して、

x< {\Large\frac{15}{9}} と解きます。

 

15x<9 までは、

正しくできています。

 

x< {\Large\frac{15}{9}} は、

正しくは、x< {\Large\frac{9}{15}} です。

 

ウッカリミスではなさそうです。

 

計算の仕方を、

間違って理解しているようです。

 

このような理解ミスを、

子どもに伝えるときの

チョットしたコツがあります。

 

「合っている」から話し始めることです。

 

5x-9<-10x と、

5x+10x<9 を見比べます。

 

-10x を示して、

「これ、こっちへ動かす」、

「合っている」、

「符号、プラス、合っている」です。

 

次に、

-9 を示して、

「これ、こっちへ動かす」、

「合っている」、

「符号、プラス、合っている」です。

 

このように、

5x+10x<9 の移項が正しくできていることを、

「合っている」を繰り返して伝えます。

 

それから、

5x+10x<9 から、

15x<9 の計算を見ます。

 

5x+10x の5と10を示しながら、

「5+10、15」、

「合っている」、

<9 の9が、

そのまま書いてあるのを示しながら、

「9のまま」、

「合っている」です。

 

最後に、

15x<9 から、

x< {\Large\frac{15}{9}} の計算です。

 

15x<9 の全体を示して、

「これ、どのように計算する?」と、

子どもの計算の仕方を聞きます。

 

「合っている」の繰り返しで、

自分の計算を、

こちらに見てもらえた子どもは、

こちらの質問に答えてくれます。

 

「9を15で割る」が、

子どもの答えです。

 

正しい説明です。

 

だから、

「そう」、

「合っている」と受けます。

 

でもこの子は、

「9を15で割る」の計算の答えが、

 {\Large\frac{15}{9}} となっています。

 

ここが、

間違った理解です。

 

ですから、

「9を15で割る」を、

わり算の式に書かせます。

 

「9を15で割る」を、

「合っている」と認められている子は、

9÷15 と書きます。

 

こう書いた子ども自身、

「あっ」となって、

x< {\Large\frac{15}{9}} を、

正しくは、x< {\Large\frac{9}{15}} に正しました。

 

(基本  {\normalsize {α}} -158)、(分数  {\normalsize {α}} -049)