計算して見せれば、計算の仕方をつかむと、先に信じて実況中継します。信じられた子どもは、信頼に応えます。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\ を楽に計算できます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 27 \\ \hline   2842 \\   812\:\:\:\:\\\hline 10962\end{array}  }}\\ と計算します。

できています。

 

ですが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 50 \\ \hline \end{array}  }}\\ に難しさを感じます。

 

「どうやるの?」と聞きます。

 

この子は、

計算の仕方を聞いています。

 

「分からない」と投げていません。

計算しようとしています。

 

「どうやるの?」です。

 

こちらが計算してしまう

動画見本の実況中継で教えます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 50 \\ \hline \end{array}  }}\\ の50の0を示しながら、

「このゼロ、ここ」で、

0の真下を示します。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:50 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:0\end{array}  }}\\ と子どもは書きながら、

心の中で、

「どういうこと?」と考えています。

 

50は、

一の位がなくて、

十の位が5の数です。

 

かけ算も、

一の位がなくて、

ゼロで、

十の位のかけ算です。

 

このように言葉で説明しても、

伝わりにくいはずです。

 

説明を抜いて、

50の0を、

そのまま下に移すことを、

実況中継するだけにします。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:50 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:0\end{array}  }}\\ の続く計算も、

実況中継します。

 

5と6を下から上に示しながら、

「5×6=30」、

5の真下を示して、

「ここ、ゼロ」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:50 \\ \hline \:\:\:\:\:00\end{array}  }}\\ と子どもが書きながら、

心の中で、

「1行で計算している」、

「こうなるのか・・・」のように、

アレコレと考えています。

 

計算の仕方をつかもうとしています。

 

続いて、

5と、406の0を、下から上に示しながら、

「5×0=0」、

5の下の答えを書く余白を示して、

「0+3=3」、

「ここ、さん(3)」です。

繰り上がりのたし算です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:50 \\ \hline \:\:\:300\end{array}  }}\\ と子どもは書きながら、

心の中で、

「1行で計算できるのだ」のように考えながら、

計算の仕方を盗もうとします。

 

5と4も同じように実況中継すれば、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:50 \\ \hline20300\end{array}  }}\\ と計算できます。

 

「ゼロを動かして」、

「1行で計算できる」のように、

この子らしい言葉で、

こちらの実況中継を見ることで、

計算の仕方をつかみます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -171)、(×÷  {\normalsize {α}} -045)

 {\scriptsize {参照:蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。アマゾン}}

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て