集中は切れてしまっています。こちらがすべきことは一つです。優しく穏やかに、計算だけをリードして、計算に戻します。

8+3= で、

集中が切れて、止まっています。

 

動画見本の実況中継でリードして、

集中を戻す手伝いをします。

 

8を示して、

「はち」と声に出して読み、

3を示して、

「く、じゅう、じゅういち」と3回、声に出して数えます。

 

それから、

= の右を無言で示します。

 

すると、

子どもは、

8+3=11 と書きます。

 

すぐに、

こちらは、子どもに聞こえるように、

「そう」とつぶやきます。

 

8+3=11 と書いた子を、

認めているのではありません。

褒めているのでもありません。

 

とても意外でしょうが、

感謝しています。

 

こちらのリードを受け入れてくれて、ありがとう。

こちらが出した答えを書いてくれて、ありがとう。

集中を戻してくれて、ありがとう。

 

このような気持ちの感謝が、

「そう」とつぶやかせます。

 

さて、

少し違う教え方をして、

この教え方と比べます。

 

集中が切れている子に、

「どうしたの?」、

「できるでしょ!」、

「手伝うから、計算しよう」・・・と、

このようなことを先に話します。

 

子どもの集中は、

計算から切れていますが、

気持ちは活発に動いています。

 

ですから、

このようなことを言われたら、

あまりいい気持ちにはなれません。

 

「うるさいなぁ」、

「少し休んでいるだけだから」、

「構わないでよ」・・・と、

心の中で感じるはずです。

 

こちらの不用意な言葉を聞いて、

こう感じてしまった子が、

計算を、同じように手伝われます。

 

8を示して、

「はち」と声に出して読み、

3を示して、

「く、じゅう、じゅういち」と3回、声に出して数えます。

 

それから、

= の右を無言で示します。

 

こうされても、

8+3= を見ているだけになります。

 

マイナスの感情に邪魔されて、

子どもは、8+3=11 と書けないのです。

 

子どものマイナス気持ちが、

子どもの態度から、

こちらに伝わりますから、

「教えた答えを書いて!」、

「じゅういち(11)!」・・・と、

ややマイナスの気持ちで、

子どもに教えてしまいます。

 

計算以外に、

計算そのものではない、

切れている集中のことなどを言ってしまうと、

こうなる危険があります。

 

だから、

切れてしまっている集中をそのままにして、

とがめ立てしないで、

8+3= の8を、

穏やかな気持ちで示して、

優しい口調で、「はち」と声に出して言い、

と、このようにリードします。

 

すると、

子どもは、8+3=11 と書いてくれます。

 

こちらの穏やかさや優しさに誘われて、

書きたい気持ちになりますから、

スッと書いてしまいます。

 

こちらは子どもに感謝して、

「そう」と愛の乗った言い方で受けます。

 

これだけのことですが、

集中が切れたままの子を目の前にすると、

できそうでできない難しさがあります。

 

難しさを乗り越えようと

何かを言いたくなる気持ちを抑えて、

計算だけを、優しい口調でリードすると、

素直に動く子どもに驚くでしょう。

 

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