数字「8」を、まず、心に見て、それから、心に見ているように書こうとして書きます。運筆の力が弱いと、心に見ているように書けません。でも、こちらが育ちを待てば、じきに心に見ている「8」と同じ形を書けるようになります。

7+1= の 7 を見て、

「しち」と黙読して、

1 を見て、

「はち」と数えて、

答え 8 を出す子です。

 

この子は、

このような数えるたし算を、

楽に計算できます。

 

でも、

数字(答え)を書くのが、

まだ苦手です。

 

運筆の力が未熟です。

 

だから、

7+1= {\normalsize {∞}} のように、

「8」が、

横に寝てしまいます。

 

さて、

人間の頭は、

何をするにも2段階の手間をかけます。

 

まず、

心に、「8」を見ます。

まっすぐに起きています。

 

次に、

心に見ている「8」を、

鉛筆を持った手で書きます。

 

この作業が、

運筆の力です。

 

心に見ている「8」は、

この子も、まっすぐに起きた「8」です。

 

横に寝た「 {\normalsize {∞}}」ではありません。

 

だから、

この子は、

心に見ている「8」のように書こうとしています。

 

でも、

 {\normalsize {∞}}」のように横に寝てしまいます。

 

運筆の力が未熟なだけです。

 

自分が書いた数字「はち」が、

心に見ている「8」のようではなくて、

横に寝た「 {\normalsize {∞}}」になっていることを、

知っています。

 

そして、

とても気にしています。

 

だから、

7+1= {\normalsize {∞}} を認めます。

 

運筆の力は、

育ちを邪魔しなければ、

すぐに育つからです。

 

「こうじゃないでしょ!」、

「横に寝ないように、書き直す」のように指示して、

書き直させたりしません。

 

子どもが気付いていることを、

指摘して、

今は書こうとしても書けない

まっすぐに起きている「8」を

書き直させたりしたら、

子どもの気持ちはとても傷つきます。

 

運筆の力の育ちを邪魔しています。

 

育ちを邪魔しないようにして、

7+1= {\normalsize {∞}} を、

「できたね」と認めてしまえば、

心に見ている「8」のように書こうとする気持ちは

元気なままですから、

少ししたら、必ず、

まっすぐに起きた「8」を書くようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -205)、(+-  {\normalsize {α}} -127)