たし算の答えの出し方は、
いくつかの発達段階を通って、
育つようです。
一つの発達段階から、
次の発達段階に育つような教え方をして、
ゴールの発達段階の
問題を見たら答えが浮かぶ計算に導きます。
① 3+1= の 3 を示して、
「さん」と声に出して読み、
1 を示して、
「し」と、声に出して数えて、
= の右を示して、
「し(4)」とリードします。
こちらの計算の実況中継を見ている子は、
3+1=4 と書きます。
このような計算が、
最初の発達段階です。
この発達段階では、
数字 1 つを見るような
狭く絞った視線です。
問題 3+1= の全体を見るような視線ではなくて、
数字 3 や、1 や、= の右を
狭く絞った視線で見ます。
② 数えて答えを出すたし算に慣れてきたら、
少し、リードを変えます。
問題 5+4= の
5 を示して、「ご」と声に出して読み、
4 を示して、「ろく、しち、はち、く」と声に出して数えて、
+ を示して、「く(9)」とリードします。
+ を示すことで、
問題 5+4= の全体を見て、
答え 「く(9)」と聞かせるリードです。
でも、
子どもの視線は自動調整ですから、
+ を示しても、
+ だけを狭く絞った視線で見て、
問題 5+4= の全体を見る視線に
変わるかどうか分かりません。
だから、
このようなリードを繰り返します。
③ たし算を、数えて計算し続けると、
4+1= や、5+5= のような問題で、
問題を見たら、
答えが浮かぶようになります。
4+1= を計算するとき、
全体を一瞬見てから、
4 を狭く絞った視線で見て、
「し」と黙読して、
・・・と数えて計算します。
数える計算に慣れているために、
4+1= の全体を見て、
答え 5 が心に浮かんでも、
4 を狭く絞った視線で見て、
慣れている数える計算をします。
子どもの様子を見ていると、
答えが浮かぶようになった問題は、
そうなっていると分かりますから、
4+1= の + を示して、
「ご(5)」と声に出してリードします。
子どもが、
4+1= の全体を見た後、
4 を見る狭く絞った視線に
自動調整しないようにリードします。
④ やがて、たし算のすべての問題の答えが、
問題を見ただけで、
心に浮かぶようになります。
ここが、
ゴールの発達段階です。
この発達段階になると、
7+8= の全体を見たら、
答え 15 が心に浮かびますから、
狭く絞った視線に変わることなく、
7+8=15 と書いてしまいます。
たし算の答えの出し方は、
大まかですが、
このような発達段階を通って育つようです。