「残っている力は何か?」をハッキリとさせてから、一歩先の計算をリードします。こうすると、ポジティブな見方を、子どもは盗みます。

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= まで書いて、

止まっています。

 

 {\Large\frac{3}{12}} の 1 を、

 {\Large\frac{12}{12}} に変えて、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{15}{12}} と、できないようです。

 

このような子を目の前にして、

「残っている力は何か?」を意識します。

 

とても単純な話ですが、

「残っている力は何か?」を意識するから、

残っている力をアレコレと推測できます。

 

だから、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の先の計算ではなくて、

ここまでの計算を評価します。

 

 {\Large\frac{1}{4}} を、 {\Large\frac{3}{12}} に変えています。

正しい通分です。

 

そして、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} で止まっていますから、

分子の 3 と、7 を見て、

3-7 を計算できないことは、

分かっています。

 

さらに、

3-7 を計算できるようにする工夫は、

 {\Large\frac{3}{12}} の 1 を使うことも、

分かっていそうです。

 

と、

このような力が、

この子に残っているらしいと推測します。

 

ここまで考えてから、

教えます。

 

1 を、

 {\Large\frac{12}{12}} に変える計算だけを、

こちらが計算してしまう実況中継で教えます。

 

「引けないから、

引けるようにします」は、不要です。

分かっていると推測しているからです。

 

いきなり、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の 1 を示して、

「この 1 を変える」と言って、

下の余白に、

「ここに」、

「下、12、上、12」とリードします。

 

見て、聞いている子どもは、

 {\Large\frac{12}{12}} を、下の余白に書きます。

 

頭の中に、

 {\Large\frac{12}{12}} が浮かべば計算できますが、

「頭の中に、 {\Large\frac{12}{12}} をイメージして」と教えても、

子どもにはピンときません。

 

だから、

下の余白に、

 {\Large\frac{12}{12}} を書かせてしまいます。

 

こうすれば、

結果として、

子どもは頭の中で、

 {\Large\frac{12}{12}} をイメージできます。

 

続けて、

 {\Large\frac{12}{12}} の分子の 12 と、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の分子の 3 を

順に示しながら、

「12、足す、3、15」とリードして、

= の右を示して、

「上、15」、

「下、12」です。

 

見て、聞いていた子どもは、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} と、書きます。

 

次は、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} {\Large\frac{7}{12}} を示して、

「引く(-)」、

「これ」です。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= と

子どもが書いたとき、

心の中で、

「あっ、そうか」や、

「なるほど、これで引ける」となります。

 

こちらが、

「残っている力は何か?」として、

「通分はできている」、

「引けないことは分かっている」、

「工夫して引けるようにすることは分かっている」と、

ポジティブな部分を見ると、

子どももまねして、

自分のポジティブな部分を見るようになります。

 

そして、

引けるようにする工夫を、

力として残せる子に育ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -249)、(分数  {\normalsize {α}} -078)