前の計算を、少し工夫することで、初めての新しい計算を計算できます。新しい計算の一部分に、前の計算が含まれる例です。

「前の計算を、

いくつか組み合わせることや、

少し工夫することで、

初めての新しい計算を、

自分で計算できる子に育ってほしい」を、

算数・数学の計算の教え方の指針とします。

 

「算数・数学の計算であれば、

このような子に育ってほしいな・・」の

具体的な一例です。

 

こちらが、

このような指針を持っていると、

子どもに教える内容が、

前の計算の組み合わせ方や、

工夫の仕方になります。

 

例えば、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の工夫として、

123 の 1 を隠す教え方です。

 

1 を隠すと、

前の計算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ が見えます。

 

この 2 けた×1 けたの筆算のかけ算は、

既に習っていて、

楽に計算できます。

 

3 けた×1 けたの筆算のかけ算

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ は初めてですが、

1 を隠すと、

楽に計算できる  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ になります。

 

1 を隠す工夫の仕方を、

教えています。

 

すると子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ を楽に計算できますから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ と計算します。

 

こちらは、

子どもが、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ と計算するまで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 を隠しておきます。

 

そして、

子どもが、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ と計算したら、

1 を見せて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ が見えるようにします。

 

さて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:23 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算は、

右下の 2 から、

真上の 3 を見て、

2×3=6 と計算して、

続いて、

右下の 2 から、

左斜め上の 2 を見て、

2×2=4 と計算しています。

 

このような流れで計算した子が、

1 を見せられると、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ を見ますから、

右下の 2 から、

左斜め上の 1 を見て、

2×1=2 と計算して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline246\end{array}  }}\\ と書きます。

 

もちろん、

子どもに個人差がありますから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ を見ても、

計算できない子がいます。

 

こちらは、

淡々と、

「2×1=2」と、

計算そのものを教えます。

 

このような工夫の仕方を教えられた子が、

3 けた×1 けたの筆算のかけ算を、

楽に計算できるようになってから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:1234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような 4 けた×1 けたに進みます。

 

計算を、

自分で工夫する子がいます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:1234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 を、

自分の指で隠して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 3 けた×1 けたにして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:234 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline\:\:468\end{array}  }}\\ と計算します。

 

そして、

指を外して、

1 を見てから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:1234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline\:\:\:2468\end{array}  }}\\ と計算します。

 

こちらから、

工夫の仕方を教えてもらえていると

気付いている子です。

 

だから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:1234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算で習った工夫の仕方を、

応用できます。

 

計算を教えてもらっていると思っている子は、

計算を、

自分で工夫できません。

 

こういう子に、

こちらは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:1234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 を隠して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:234 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ が見えるようにします。

 

こうして、

計算の仕方を、

工夫の仕方と一緒に教えます。

 

ここから先のどこかで、

計算ではなくて、

工夫の仕方を教えてもらえていると、

気付くのを待ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -278)、(×÷  {\normalsize {α}} -067)