7+4= のようなたし算の計算の仕方を、「計算の仕方を知っている子」に教えます。解く前に、計算の仕方を決める子を育てたいからです。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=5\\y+z+w=8\\z+w+x=-2\\w+x+y=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

やや難しさを感じさせる連立方程式です。

 

このような連立方程式は、

解く前に、

どのように計算していくのかを決めます。

 

計算する自分を導くガイドを、

子ども自身で決めます。

 

「ガイド」と表現するだけでなく、

「方針」と言い表すことも、

「戦略」と大げさに言うこともできます。

 

言い方はさまざまにありますが、

していることは単純です。

 

計算する前に、

連立方程式の 4 つの式を眺めて、

どのように計算していくのかを決めます。

 

子どもの頭の中で行われることを

推測すると、

次のようになっています。

 

頭の中で、

4 つの式を動かせば、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z\:\:\:\:\:\:\:\:=5\\\:\:\:\:\:\:\:\:y+z+w=8\\x\:\:\:\:\:\:\:\:+z+w=-2\\x+y\:\:\:\:\:\:\:\:+w=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような感じに

なりそうだと想像できます。

 

あるいは、

4 つの式すべてを足せば、

3x+3y+3z+3w=15 のようになり、

x+y+z+w=5 とできそうだから、

この式から、

4 つの式を、

順にひき算すればよさそうだと、

頭の中で想像できます。

 

このように、

計算する前に、

頭の中で、アレコレと想像して、

計算の仕方を決めた後、

このように計算すると決めたガイドを、

頭に置いたまま、計算していきます。

 

このようなことを頭の中でして、

数学が好きで、

得意な高校生は、

計算を楽しんでいます。

 

でも、

数学が好きで、得意でなくても、

また、

高校生まで待たなくても、

数学や、算数の計算を、

同じような作法で解く子を、

育てようとすれば、

育てることができます。

 

そうするつもりで、

こちらがジックリと取り組めば、

頭の中で解き方を決めてから、

計算する子を育てることができます。

 

算数や、数学の

どのような計算レベルからでも、

このような子を育てるリードをできます。

 

実は、

7+4= のようなたし算から

育て始めることができます。

 

しかも、

驚くほど簡単なことです。

 

でも、

とても非常識でもあります。

 

「計算の仕方を知っている子」に、

計算の仕方を教えることです。

 

普通は、

こうではありません。

 

「計算の仕方を知らない子」に、

計算の仕方を教えます。

 

だから、

計算の仕方が分かるだけの話です。

 

そうではなくて、

とても非常識なのですが、

「計算の仕方を知っている子」に、

計算の仕方を教えるのです。

 

ふざけて言っているのではありません。

ジョークでもありません。

大真面目です。

 

ここでの話に合わせる言い方にすれば、

計算する前に、

7+4= のたし算を眺めて、

「 7 の次の 8 から、

+4 の 4 回、

8、9、10、11 と数えて計算する」と

頭の中で、自分の計算を想像してから、

実際に、

想像したように計算する子です。

 

こうしている子に、

こちらの計算を実況中継で見せます。

 

この子が、

計算する前に、

計算の仕方を想像したようなことを、

こちらの実況中継で見せます。

 

でも、

実際には、

計算する前に、

計算の仕方を想像してはいないでしょう。

 

たし算 7+4= の今は、

そうでしょう。

 

ですが、

こちらが、

子どもに、新しい計算の実況中継を、

「計算の仕方を知っている子」に、

見せ続けることが重要です。

 

時期の早いか遅いかの

個人差がありますが、

子どもは必ず、

こちらの意図を見抜きます。

 

するとやがて、

解く前に、計算の仕方を決めて、

決めたガイドに従って、

自分をリードすることを、

少しずつまねし始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -285)、(+-  {\normalsize {α}} -183)、(分数  {\normalsize {α}} -089)