答えを出すための計算の仕方を、スピード付きで習います。少数ですが、スピードに気が回らない子がいます。こういう子には、速いスピードの計算を見せて、スピードを教えます。

計算を習うとき、

答えを出すための計算の仕方と、

そのスピードを習っています。

 

計算も動作ですから、

スピードがあります。

 

同じ動作であっても、

速いスピードもあれば、

遅いスピードもあります。

 

動作の内容によっては、

動作そのものに主眼が置かれることも、

スピードに主眼が置かれることも、

動作そのものとスピードの

両方に主眼が置かれることとさまざまです。

 

どうしてなのかは分かりませんが、

計算の動作は、

答えを出すための計算の仕方に

主眼が置かれることが多いようです。

 

計算のスピードは、

ほとんど気にされないために、

取り立てて教えられることがないのです。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 54 \\ \hline \end{array} }} \\ 筆算のたし算です。

 

一の位の 8 と 4 を、

上から下に見て、

8+4=12 と足して、

2 を、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 54 \\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\ このように書いて、

1 を繰り上がり数として覚えます。

 

次に、

十の位の 4 と 5 を、

上から下に見て、

4+5=9 と足して、

繰り上がり数 1 を足して、

9+1=10 として、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 54 \\ \hline102\end{array} }} \\ このように書きます。

 

何を見て、

どのような計算をして、

答えをどこに書いていくのかに

主眼が置かれて教えられます。

 

でも、

見ることも、

計算することも、

書くことも、

すべてが動作ですから、

スピードがあります。

 

不思議と、

計算の動作のスピードは、

おまけ扱いで、

教えられないのです。

 

それでも、

答えを出すための計算の仕方だけではなくて、

教えるこちらのスピードも見る子が多いために、

ほとんどの子は、

一定のスピードで計算できるようになります。

 

少数ですが、

答えを出すための計算の仕方を、

理解することに、

手いっぱいになる子がいます。

 

計算を習うときに、

計算のスピードも見ているのですが、

スピードにまで気が回らない子です。

 

こういう子は、

計算がとても遅くて、

小学校の1年生の算数から、

付いていくのがやっとです。

 

小学校の3年生くらいになると、

答えを出すための計算の仕方にも

付いていけなくなり、

算数が苦手になります。

 

力がないのではなくて、

スピードに気が回らないだけです。

 

小学校の3年生や、4年生で、

算数の計算に付いていけなくなった子に、

計算のスピードを教えると、

速い計算をできるようになります。

 

スピードに気が回らない子に、

計算のスピードだけを教えれば、

習う力がありますから、

計算が速くなります。

 

算数の基礎は、たし算ですから、

たし算の計算のスピードから教えます。

 

例えば、

4+7= のようなたし算を、

こちらの計算の実況中継を見せる教え方です。

 

答えを出すための計算の仕方は、

知っている子です。

 

速いスピードで計算することを、

知らないのです。

 

だから、

速いスピードの計算を見せて、

速いスピードの計算を教えます。

 

4+7= の 4 を、

速い動作で示して、

すぐに早口で、「し」と声に出して読み、

速い動作で、7 を示して、

早口で、5、6、7、8、9、10、11 と、

声に出して数えて、

速いスピードのたし算の計算を見せます。

 

そして、

4+7= の = の右を、

速い動作で示して、

子どもが、4+7=11 と書くのを待ちます。

 

子どもが書いたらすぐに、

早口で鋭く、

しかし、ほんわかとした柔らかな口調で、

「もっと、速く書く!」と指摘してから、

次の問題 8+7= に移り、

同じような速いスピードの計算を見せます。

 

「もっと、速く書く!」の目的は、

計算のスピードを教えていることに、

気付いてほしいからです。

 

8~10問、

このような速いスピードの計算を見せます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -311)、(+-  {\normalsize {α}} -202)