因数分解の練習を繰り返すと、やがて子どもは、式の「形」を見るようになります。

 {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b)

因数分解の公式の「形」を、

子どもが見るように育てば、

この公式を利用できます。

 

 {x^{8} -y^{8}}=因数分解を、

まず、

({x^{4} +y^{4}})({x^{4} -y^{4}}) とできるのは、

この公式を使えると、

 {x^{8} -y^{8}}= の「形」を見たからです。

 

 {4x^{2}y^{2} -y^{2}}=因数分解を、

まず、

 {y^{2}(4x^{2} -1)}= として、

それから、

 {y^{2}(2x+1)(2x-1)} とできるのは、

 {4x^{2}y^{2} -y^{2}}= の「形」を見て、

公式 :  {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b)

隠れているのを見抜いたからです。

 

 {x^{4}+x^{2}y^{2} +y^{4}}=因数分解を、

まず、

 {x^{4}+2x^{2}y^{2} +y^{4}-x^{2}y^{2} }= として、

それから、

 {(x^{2}+y^{2})^{2}-x^{2}y^{2} }= として、

そして、

({x^{2}+xy+y^{2}})({x^{2}-xy+y^{2}}) とできるのは、

 {x^{4}+x^{2}y^{2} +y^{4}}= の「形」を見て、

公式 :  {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b)

隠れているのを見抜いたからです。

 

このように、

式の「形」を見る子になれば、

公式 :  {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b)

利用することができます。

 

でも、

因数分解の公式は、

 {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b) だけではありません。

 

例えば、

 {a^{2}+2ab+b^{2}}=(a+b)^{2} や、

 {a^{3}+b^{3}}=(a+b)(a^{2}-ab+b^{2}) や、

 {abx^{2}+(ad+bc)x+cd}=(ax+c)(bx+d) と、

さまざまな公式があります。

 

さまざまな公式を利用して、

因数分解の問題を解いていくと、

やがて子どもは、

式の「形」を見るようになります。

 

これは作業仮説ですが、

子どもが、

式の「形」を見るようになり始めるのは、

公式 :  {a^{2} -b^{2}}=(a+b)(a-b) が、

キッカケになっているようです。

 

そして、

子どもが、式の「形」を見始めると、

 {〇^{2} -□^{2}}=(〇+□)(〇-□) のように、

公式を見ているようです。

 

言葉にすると、

「平方の差は、和と差の積」です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -331)、(分数  {\normalsize {α}} -112)