小学校の算数のひき算は、5-3= のように、左から右を引きます。中学の数学で、3-5= のように、右から左を引くひき算も習います。戸惑います。このような時、計算をリードして答えを出す手伝いを続けます。

マイナスの数の計算で、

戸惑いが続きます。

 

 {\Large\frac{1}{6}}-1 {\Large\frac{3}{4}}= や、

 {\Large\frac{2}{3}}-1 {\Large\frac{1}{4}}= のような分数の計算です。

 

 {\Large\frac{1}{6}}-1 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}= や、

 {\Large\frac{2}{3}}-1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}}-1 {\Large\frac{3}{12}}= のように、

通分することはできます。

 

この続きの計算で、

戸惑いが続きます。

 

 {\Large\frac{1}{6}}-1 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}= は、

このまま計算できます。

 

 {\Large\frac{2}{3}}-1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}}-1 {\Large\frac{3}{12}}= は、

このままでは引けないので、

 {\Large\frac{2}{3}}-1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}}-1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{8}{12}} {\Large\frac{15}{12}}= とします。

これで引けます。

 

 {\Large\frac{3}{12}} を、

 {\Large\frac{15}{12}} に変える計算は、

こうしてから引くと分かれば、

自力で計算できます。

 

 {\Large\frac{3}{12}} の 1 を、 {\Large\frac{12}{12}} に変えて、

 {\Large\frac{3}{12}}=1+ {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{12}{12}} {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{15}{12}} と、

計算を正しく理解できていて、

計算できる子です。

 

この子が戸惑っているのは、

右から左を引くことです。

 

例えば、

3-5= のようなひき算です。

 

右の 5 から、

左の 3 を引いて、

5-3 の答え 2 に、

マイナス(-)を付ける計算です。

 

つまり、

3-5=-2 のように、

右から左を引いて、

答えにマイナス(-)を付ける計算に戸惑います。

 

そして、

この戸惑いが続いています。

 

このように、

戸惑う気持ちが続くことを、

理解できます。

 

3-5= を筆算の形で書くと、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:\: 3 \\ -\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ です。

 

小学校の算数で習う筆算のひき算は、

上から下に縦に見て引きますが、

この筆算 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:\: 3 \\ -\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ は、

下から上に縦に見るのですから、

真逆の向きに見ます。

 

しかも答えは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3 \\ -\: 5\\ \hline \:-\:2\end{array} }} \\ のように、

マイナス(-)を付けます。

 

大きく戸惑ってしまうことを、

とてもよく理解できます。

 

「なぜ?」として戸惑っている気持ちを、

「そうするのだ!」と切り替えて、

受け入れるしかないのです。

 

これは、

数学のセンスの問題ではなくて、

子どもの内面の育ちの問題です。

 

理由は分からないけれども、

それを正しいと受け入れて、

利用して計算していく態度です。

 

つまり、

何から何まで、

キチンと理解しようとするのではなくて、

どこかの何かを正しいと認めて、

その続きを組み立てていく進み方です。

 

小学校の算数のひき算は、

5-3= や、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= や、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{2}{3}}= のように、

左から右を引くひき算だけです。

 

右から左を引く、

3-5= や、

 {\Large\frac{1}{6}}-1 {\Large\frac{3}{4}}= や、

 {\Large\frac{2}{3}}-1 {\Large\frac{1}{4}}= のようなひき算はありません。

 

中学の数学で、

左から右を引くだけではなくて、

右から左を引くひき算も習います。

 

そして子どもは、

大きく戸惑って、

この戸惑いが尾を引いて、続きます。

 

でも、

やがて、

「あぁ、そうか!」となります。

 

言葉で説明して、

教えても、

「あぁ、そうか!」となりにくいようです。

 

ですから、

子どもが、

 {\Large\frac{1}{6}}-1 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}= まで計算して、

戸惑って止まっていたら、

こちらが、計算そのものをリードして、

答えを出してしまいます。

 

例えば、

 {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}= の - を示して、

「マイナス」、

1 を示して、

「これ」とリードすれば、

子どもは、

 {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}=-1 まで書きます。

 

もちろん、

子どもは、戸惑ったままです。

 

続いて、

 {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}=-1 の 9 と、2 を示して、

「9-2=7」、

「下、12」とリードすれば、

 {\Large\frac{2}{12}}-1 {\Large\frac{9}{12}}=-1 {\Large\frac{7}{12}} と計算できて、

答えを書き終わります。

 

戸惑ったままの子どもを、

このようにリードして、

計算を終わらせる手伝いを続けます。

 

すると必ず、

その子の内面が育って、

右から左を引くひき算を受け入れて、

「あぁ、そうか!」となります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -348)、(分数  {\normalsize {α}} -123)