シンプルな質問:「どうする?」を、子どもは心の中で、自分に問い掛けることで、複雑で難しそうな連立方程式を、確実に解くことができます。

複雑で難しそうに見える連立方程式を、

解き方をリードするシンプルな質問で、

少しずつ

単純で易しそうな連立方程式に変えます。

 

一つのシンプルな質問が、

「どうする?」です。

 

例えば、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}0.6y-0.2x=1\\1.8y-0.5x=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

子どもが解く前に、

「どうする?」と聞きます。

 

聞かれた子どもは、

心の中で、自分に、

「どうする?」と聞いて、

「10倍する」と考えます。

 

そして、

子どもはこちらに、

「10倍する」と教えてくれます。

 

10倍します。

 

上の式 0.6y-0.2x=1 に 10を掛けて、

6y-2x=10 ですから、

全体を 2 で割り、3y-x=5 です。

 

続いて、

下の式 1.8y-0.5x=4 に 10を掛けて、

18y-5x=40 です。

 

2 つの式を連立させて、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3y-x=5\\18y-5x=40\end{array}\right.\end{eqnarray}} です。

 

複雑で難しそうに見えた連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}0.6y-0.2x=1\\1.8y-0.5x=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} が、

単純で易しそうな連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3y-x=5\\18y-5x=40\end{array}\right.\end{eqnarray}} に変わります。

 

ここでまた、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3y-x=5\\18y-5x=40\end{array}\right.\end{eqnarray}} に、

「どうする?」と聞きます。

 

聞かれた子どもは、

やはり心の中で、

「どうする?」と自分に聞いて、

「上を5倍して、下を引く」と考えます。

 

こう決めた子どもは、こちらに、

「上を5倍して、下を引く」と教えてくれます。

 

そして子どもは、

自分が決めたように計算します。

 

上 3y-x=5 に 5 を掛けて、

15y-5x=25 です。

 

これから、

下 18y-5x=40 を引いて、

-3y=-15 ですから、

y=5 と求まります。

 

少し気の利いた子でしたら、

心の中で、「どうする?」と自分に聞いて、

「y=5 を、上 3y-x=5 に代入」と考えます。

 

そして、

自分が決めたように計算します。

 

y=5 を、上 3y-x=5 に代入して、

15-x=5 から、

-x=5-15 、

x=10 と求まります。

 

このように、

シンプルな質問:「どうする?」を

何回か繰り返すことで、

複雑で難しそうに見えた連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}0.6y-0.2x=1\\1.8y-0.5x=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

順を追って、

確実に解くことができます。

 

さて、

参考までに書き足します。

 

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3y-x=5\\18y-5x=40\end{array}\right.\end{eqnarray}} は、

代入法で解くこともできます。

 

ですから、

「どうする?」の答えを、

「上 3y-x=5 を、x=〇y+〇 にして、

下 18y-5x=40 に代入する」と考える子もいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -350)、(分数  {\normalsize {α}} -125)