約分の問題で、分子だけを計算して、分母の計算の仕方を聞きます。割る数を間違えています。正しい割る数を教えても、子どもの書いた分子を消させてからでないと、子どもに伝わりません。

約分を、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} として、

子どもが聞きます。

 

子どもは、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} と書いていますから、

7 で約分しています。

 

約分  {\Large\frac{42}{60}}= は、

7 ではなくて、

6 で割ります。

 

ですから、

こちらは、

この子に、

「6で!」とだけ教えます。

 

ところが、

正しい割る数 6 を、

「6で!」と教えたのに、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} を、

6 で、約分し直すことができません。

 

自分の書いた答え  {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} を、

子どもはジッと眺めているだけです。

 

そして、

金縛りにあったように、

動けなくなっています。

 

こちらは、

子どものこのような振る舞いに、

心の中で、

声に出さないで、

「えっ、どうしたの?」、

「6 で、割れば、約分できるのに・・」と、

驚きますが、

じきにハッと気が付きます。

 

この子は、

自分の書いた  {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}}

分子 6 は正しくできている前提で、

分母 60 を、

自分が決めた約数 7 で割れないから、

聞いています。

 

この子が聞いているのは、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} の分母 60 を、

分子を割った数 7 で割る方法です。

 

こちらは、

この子のこのような気持ちを察して、

教え方を変えます。

 

子どもが、

途中まで計算している約分  {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}}

続きから教えるように変えます。

 

「上 7 で割って、6 合っている」、

「下、7 で割れない」、

「7 で約分できない」、

「上、消して」、

「6 で約分する」と教えます。

 

これで子どもは、

「あぁ、そうか!」となって、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{6}{\:\:\:\:\:\:}} と書いた分子の 6 を消してから、

6 で約分し直して、

 {\Large\frac{42}{60}} {\Large\frac{7}{10}} と約分できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -368)、(分数  {\normalsize {α}} -131)