無理数の正体は分からないままですが、簡単な計算で、おおよその大きさが分かりますから、数の仲間と受け入れて、その計算に慣れていくような学ぶ姿勢を育てます。

2 乗して 2 になる数を、

\sqrt{2} と書くと知ったとき、

\sqrt{2} って何?」と、

疑問を持つ子がいます。

 

「とてもいい疑問です」、

「覚えておきなさい・・」、

「少しずつ分かってきます」と、

このようなことを子どもに、

学ぶ知恵として、ささやきます。

 

小さな声で、

ひそひそとした口調で、

とても大事なことを話すように伝えれば、

子どもの印象に残ります。

 

あるいは、

もう少し長くなりますが、

次のように説明することもあります。

 

「なるほど、気になるのですね」、

「そうでしょうね」、

「でも、もう少し待ってほしいのですが・・」、

「数学の専門家も同じ疑問を持っていました」、

「ずいぶん前に、解決しています」、

「その解決を理解すれば、

\sqrt{2} の正体を理解できます」、

「ですが、理解するために、

もっと多くのことを知る必要があります」、

「数学の知識が増えていくと、

少しずつ \sqrt{2} の正体が分かってきます」、

「今は、\sqrt{2} は、2 乗すれば、

2 になることを受け入れて、

このことを利用する計算ゲームに進みましょう」。

 

このようにして、

\sqrt{2} って何?」と疑問を持った子に、

誠実な対応を心掛けます。

 

そして、

\sqrt{2} のおおよその大きさを、

簡単な計算で出して、知ります。

 

 {\normalsize {1.4^{2}}}=1.96 、

 {\normalsize {(\sqrt{2})^{2}}}=2 、

 {\normalsize {1.5^{2}}}=2.25 を計算して、

1.4<\sqrt{2}<1.5 です。

 

この簡単な計算から、

\sqrt{2} は、

1.4・・ と分かります。

 

だから、

「2 乗すれば、2 になる数 \sqrt{2}」は、

架空の数ではなくて、

1.4・・ くらいの大きさの数です。

 

\sqrt{2} の正体はハッキリとしませんが、

大きさが、1.4・・ の数と理解して、

数の仲間と受け入れて、

\sqrt{2} の計算を練習します。

 

例えば、

\sqrt{18}= は、

\sqrt{9} \sqrt{2}=3\sqrt{2} と計算できます。

 

あるいは、

\sqrt{18}\sqrt{50}= は、

\sqrt{9} \sqrt{2}\sqrt{25} \sqrt{2}

\sqrt{2}+5\sqrt{2}=8\sqrt{2} と計算できます。

 

さらには、

\sqrt{3}(1+\sqrt{6})= は、

\sqrt{3}\sqrt{3}\sqrt{6}

\sqrt{3}\sqrt{18}

\sqrt{3}\sqrt{9} \sqrt{2}

\sqrt{3}+3\sqrt{2} と計算できます。

 

こうして、

数の仲間として受け入れた

\sqrt{2} の計算に慣れていきます。

 

\sqrt{2} の正体は分からないままですが、

大きさが、1.4・・ と知ることで、

数の仲間と受け入れて、

\sqrt{2} の計算に慣れていく態度が大事です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -402)、(分数  {\normalsize {α}} -154)