計算できないとき、「聞いて、計算する」を選べないために、多くの子が、ボ~ッとしてしまいます。いきなり計算だけをリードして、短時間で計算を終わらせれば、「聞けばよかった」と思うようになります。

計算の仕方を思い付かなくて、

計算できないとき、

「聞いて、計算する」を、

選べない子が多いのです。

 

選んでいると意識はしていない選択で、

多くの子が、

ボ~ッとしてしまいます。

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:2000 \\ - \:\:\:912 \\ \hline \end{array} }} \\ のようなひき算です。

 

筆算のひき算に慣れていますから、

上から下を引くことは、分かっています。

 

だから、

上から下を引こうとして、

上から下を見ます。

 

すると、

上には、0 が並んでいて、

0 からは引けませんから、

上から下を引けないのばかりに見えます。

 

これで、

思考停止状態になり、

「聞いて、計算する」と思うこともなく、

ただ、ボ~ッとしてしまいます。

 

こうなっている子の

思考停止状態を簡単に解除できるのが、

いきなり計算だけをリードしてしまう教え方です。

 

以下、

いきなり計算をリードする例です。

 

まず、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:2000 \\ - \:\:\:912 \\ \hline \end{array} }} \\ の一の位の 0 と、

その真下の 2 を示しながら、

「0引く2、できない」、

「10引く2、8(10-2=8)」、

2 の真下を示して、

「ここ、8」です。

 

チョットした補足です。

 

「隣から、1を借りて・・」と言いたくなります。

 

が、計算ではありませんから、

言わないようにします。

 

「1 を借りること」は、

計算できない 0-2= を、

10-2= として、

計算できるようにする説明です。

 

リードに戻ります。

 

いきなりであっても、

問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:2000 \\ - \:\:\:912 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算をリードされますから、

子どもはすぐに反応して、

こちらのリードを見て、聞きます。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline \:\:\:\:\:8\end{array} }} \\ と書きます。

 

これだけで、

この子の思考停止状態は解除されて、

計算モードに切り替わります。

 

でも、リードを続けます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline \:\:\:\:\:8\end{array} }} \\ の 十の位の 0 を示して、

「1減って、9」、

下の 1 を示して、

「9引く1、8(9-1=8)」、

1 の真下を示して、

「ここ、8」です。

 

計算モードで、

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline \:\:\:\:88\end{array} }} \\ と書きます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline \:\:\:\:88\end{array} }} \\ の百の位の 0 を示して、

「1減って、9」、

下の 9 を示して、

「9引く9、0(9-9=0)」、

9 の真下を示して、

「ここ、0」です。

 

計算モードで、

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline\:\:088\end{array} }} \\ と書きます。

 

途中でリードをやめて、

続きを計算させようとすると、

思考停止状態に戻る危険があります。

 

最後まで、

計算をリードします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline\:\:088\end{array} }} \\ の 2 を示して、

「1減って、1」、

2 の真下を示して、

「ここ、1」です。

 

計算モードのままで、

見て、聞いていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline 1088\end{array} }} \\ と書きます。

 

このようなリードで、

思考停止状態の子を、

計算モードに戻したままで、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:2000 \\ - \:\:\:912 \\ \hline \end{array} }} \\ を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:2000 \\ -\:\:\:912\\ \hline 1088\end{array} }} \\ と計算してしまいます。

 

こちらが、

普通の速さで話して、

子どもが書く時間を入れても、

30~40 秒です。

 

いきなり計算をリードすることで、

このような短時間で計算が終わりますから、

「もっと早く聞けばよかった・・」と、

子どもは思います。

 

これで、

子どもの心に、

分からなければ、

「聞いて、計算する」ことが、

選択肢として入ります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -412)、(+-  {\normalsize {α}} -257)