方程式は、解く前に解き方を決めます。その後で解きます。計算できない方程式を教えるとき、このような解き方を体験させます。

3x+12-5x=0 や、

5-3x-7x+3=0 の方程式を、

計算できないようです。

ボンヤリとしています。

 

5x+4=9 や、

5x=3x+12 や、

7x+4=4x+6 の方程式でしたら、

解くことができる子です。

 

でも、

3x+12-5x=0 や、

5-3x-7x+3=0 は、

まったく違って見えるようです。

 

同じ方程式の仲間に、

見えないようです。

 

この子の戸惑いは、

おそらくですが、

= の右が、

0 だけしかないからのようです。

 

0 も、

方程式 5x+4=9 の

= の右の 9 と同じ数です。

 

でも 0 は、

数の仲間であるような、

仲間ではない何か違うもののような

不思議なもののようです。

 

これだけのことなのですが、

5x+4=9 と、

3x+12-5x=0 は、

まったく違う形に見えるようです。

 

そして、

5x+4=9 は解くことができるのに、

3x+12-5x=0 は、

計算できません。

 

「どうして、違う形に見えるのか?」ではなくて、

「違う形に見える」のですから、

「同じだ」と気付くようなリードをします。

 

以下は、

リードの一例です。

 

3x+12-5x=0 に、

「どうやるの?」と聞きます。

 

方程式 3x+12-5x=0 を解く前に、

どのように解くのかを決める習慣です。

 

計算できなくて、

戸惑っている子ですから、

「どうやるの?」に答えることができないでしょう。

 

それでも、

解く前に、

解き方を決める習慣を育てていますから、

「どうやるの?」と、

子どもの答えを期待して、聞きます。

 

「どうやるの?」と、

聞くだけ無駄なことではなくて、

習慣を育てる手助けです。

 

聞いた後、

一瞬だけ待ちます。

 

「どうやるの?」が、

子どもの心に届いて、

考え始めるまでの一瞬間です。

 

「どうやるの?」と聞いても、

「どうせ答えられないだろうから」で、

一瞬間も待たずに、

解き方を教えてしまうと、

子どもの心に「どうやるの?」が届きません。

 

答えられるのかどうかよりも、

「どうやるの?」と、

自分が、自分に聞く習慣を育てることが

重要です。

 

ですから、

「どうやるの?」と聞いた後、

こちら自身が、自分に聞いたと思って、

答えを考える一瞬間だけ待ちます。

 

そして、

「どうやるの?」の自問自答に、

こちら自身が答えるタイミングで、

戸惑っている子に、

3x+12-5x=0 の解き方をリードします。

 

3x+12-5x=0 の

12 を示して、「これ」、

=0 の右を示して、「ここ」です。

 

これだけのリードです。

 

実は、

このリードは、

方程式 3x+12-5x=0 を

解くリードではなくて、

解く前に、

自分が、

自分に問う「どうやるの?」の答えです。

 

このようなリードで、

解き方を決めてから、

方程式 3x+12-5x=0 を解きます。

 

3x と、-5x を示して、

「このまま」です。

 

こちらにリードされて、

子どもは、

方程式 3x+12-5x=0 の下の余白に、

3x-5x と書きます。

 

続いて、

12 を示して、「これ」、

=0 の右を示して、「マイナス、ここ」です。

 

このリードで、

子どもは、

3x-5x=0-12 と書きます。

 

こうなると、

子どもに見慣れた方程式の形ですから、

続きを自力で解くことができます。

 

次の方程式、

5-3x-7x+3=0 も、

同じようにリードします。

 

「どうやるの?」と、

解き方を教える前に聞きます。

 

「どうやるの?」が、

子どもの心に届いて、

考え始めるまでの一瞬間、

待ってから、

「どうやるの?」への

こちらの答えを見せます。

 

5-3x-7x+3=0 の

5 と、3 を示して、「これとこれ」、

=0 の右を示して、「ここ」です。

 

このようなリードで、

「どうやるの?」の答えを見せた後、

解き方をリードします。

 

-3x と、-7x を示して、

「このまま」です。

 

子どもは、

方程式 5-3x-7x+3=0 の下の余白に、

-3x-7x と書きます。

 

続いて、

5 と、3 を示して、「これとこれ」、

=0 の右を示して、

「マイナスで、ここ」です。

 

子どもは、

-3x-7x=0-5-3 と書きます。

 

続きは、

自力で解くことができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -414)、(分数  {\normalsize {α}} -159)