「なぜ?」とする子を、「正しいと認めて、受け入れる」方向にリードして、疑問を抱えたままで、ルートの計算に慣れさせます。こうして、2次方程式に進み、解にルートが出ても、自然に受け入れることができるようにします。こうなると子どもは、このための準備であったことに気付きます。

\sqrt{2} や、\sqrt{3} が、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式の解に、

x=1±\sqrt{2} のように出てきます。

 

だから、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式の前に、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} を計算できるようにします。

 

試しに、

 {x^{2}-2x-1=0} を、解いてみます。

 

式を変形するシンプルな解き方です。

 

 {\normalsize {(x-1)^{2}-2=0}}

 {\normalsize {(x-1)^{2}=2}}

x-1=±\sqrt{2}

x=1±\sqrt{2} と解けます。

 

このように、

 {x^{2}-2x-1=0} を解くために、

\sqrt{2} が必要です。

 

だから、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式を解く前に、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れておきます。

 

でも、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れようとしているとき、

やがて後になって、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式を

解くときに必要になると、

子どもは知りません。

 

それでも、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れておきます。

 

例えば、

\sqrt{2}\sqrt{3}\sqrt{2}= を、

\sqrt{2}\sqrt{3} と計算します。

 

あるいは、

(3\sqrt{2}+1)(5\sqrt{2}+2)= を、

15(\sqrt{2})^{2}+11\sqrt{2}+2= と展開してから、

15×2+11\sqrt{2}+2=

11\sqrt{2}+32 と計算します。

 

さらには、

{\Large\frac{4+3\sqrt{2}}{\sqrt{2}}}= を、

{\Large\frac{(4+3\sqrt{2})\sqrt{2}}{\sqrt{2}\sqrt{2}}}= と、分母を有理化して、

{\Large\frac{4\sqrt{2}+3(\sqrt{2})^{2}}{(\sqrt{2})^{2}}}= 、

{\Large\frac{4\sqrt{2}+6}{2}}= (2 で約分します)、

\sqrt{2}+3 と計算します。

 

子どもは、

このような計算を通して、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} に慣れます。

 

そして、

 {x^{2}-2x-1=0} の解を、

x=1±\sqrt{2} と、

違和感なく自然に、

計算できるようになります。

 

数学は、

このように組み立てていきます。

 

だから、

2 乗して、2 になる数を、

\sqrt{2} と知ったら、

「なぜ?」とする子を、

そうはしないで、

「正しい!」と受け入れて、

使い方に慣れる方にリードします。

 

あるいは、

a>0、b>0 のとき、\sqrt{a}\sqrt{b}\sqrt{ab} も、

「えっ、どういうこと?」とする子を、

そうはしないで、

「正しい!」と受け入れて、

使い方に慣れる方にリードします。

 

この方向にリードして、

計算が、先に進んだとき、

「このためだったのか・・」と、

「なぜ?」や、

「えっ、どういうこと?」の答えを、

発見できます。

 

大げさですが、

子どもには、発見です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -416)、(分数  {\normalsize {α}} -160)