算数や数学の教え方は、
対象が計算であっても、
理解できることを目的にしているようです。
このブログでは、
「入れる学び」と表現しています。
主として、言葉で、
子どもに、いくつかの情報を伝えて、
その情報で子どもが、
「分かった」となることを
目的にしているからです。
でも、
計算問題は、
計算できるようになったかどうかも、
実は、大事です。
このブログでは、
「出す学び」と表現しています。
理解するために、
情報を取り込むのは、
入れる向きです。
この入れる向きに対して、
計算問題の答えを出すことは、
子どもが自力で行いますから、
出す向きです。
このように向きの真逆な学びですから、
「分かった」であっても、
「計算できない」こともあります。
情報を取り込んで、
理解することと、
計算の答えを出すことは、
かなり違う頭の働きのようです。
この「出す学び」で、
自力で計算する答えの出し方に、
実は、2 種類あることを、
子どもの計算を理解する視点として、
親にお伝えすることがあります。
8+7= のようなたし算と、
18÷2= のようなわり算が、
2 種類の計算を区別し易い計算です。
以下、
わり算で説明します。
親にお伝えするために、
18÷2=、21÷3=、25÷5=、24÷6=、
32÷8=、35÷7=、36÷4=、15÷3=、
14÷2=、28÷4=、72÷9=、30÷5=、
9÷3=、16÷4=、12÷3=、18÷6=、
21÷7=、20÷5=、24÷8=、27÷9=、
このようなわり算を使います。
2 通りの方法で、
同じ 20 問を計算していただきます。
実際に、
計算していただくと、
理解が深くなるからです。
親は、
問題 18÷2= や、21÷3= を見たら、
答え 9 や、7 が出ます。
最初は、
この方法で計算していただきます。
見たら、答えが出るのですから、
1 問、1~2 秒でしょう。
20 問で、20~40 秒です。
次は、
初めてわり算を習う子の
計算の仕方を指定します。
九九を、下から唱える計算です。
18÷2= でしたら、
18 を見たまま、
2 の段を下から、
「にいちがに、ににんがし、・・」と唱えて、
九九の答えが、18 になるまで、
「にくじゅうはち」まで唱えて、
18÷2=9 と書きます。
21÷3= でしたら、
21 を見たまま、
3 の段を下から、
「さんいちがさん、さんにがろく、・・」と唱えて、
九九の答えが、21 になるまで、
「さんしちにじゅういち」まで唱えて、
21÷3=7 と書きます。
でも親は、
18÷2= を見たら、
答え 9 が出ていますから、
九九の唱え方が雑になります。
確実に九九を唱えていただくために、
面倒さを強く感じますが、
違う種類の計算をご理解いただくためですから、
九九をブツブツと唱えていただきます。
1 つの段を早口で唱えれば、
6 秒くらいですから、
18÷2= の答え 9 を、
九九を唱えて出す時間は、
6秒くらいです。
9÷3= のように、
「さざんがく」まで唱えれば、
答え 3 が出ますから、
6 秒もかからないわり算もあります。
ですから、
1 問、長くても 6 秒です。
20 問ですから、
長くても 120 秒、
つまり、2 分です。
18÷2= を見たら出る答え 9 のような計算の
20 問、20~40 秒と比べて、
2 分はとても長い時間です。
このような計算を体験していただいた後で、
子どもの「出す学び」を、
理解する視点をお伝えします。
18÷2= を、
2 の段の九九を下から唱えて、
答え 9 を出す計算は、
言葉で説明できます。
だから、
計算の仕方を教えることができます。
でも、
18÷2= を見たら、
答え 9 が出る計算は、
言葉で説明できません。
実際にしていることを、
そのまま言葉にすると、
「見たら、答えが出る」ですが、
これでは、説明になりません。
初めて 18÷2= を計算する子は、
見ても、
18÷2= が見えるだけです。
答え 9 は、
出ません。
ですから、
「見たら、答えが出る」と説明されても、
そうはなりませんから、
子どもは、
「えっ、うそ。そうはならなない・・」と、
言われていることを理解できません。
このように、
見たら答えが出る親と、
九九を下から唱える子どもでは、
計算の仕方も、
計算を説明できるのかどうかも、
大きく違います。
と、
このような視点をお伝えします。
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